一章-第三話 たった一人の生存者 Ⅴ
龍火はメンバーに車の運転方法を教え、全員を強制的に森へ探索に行かせた。この仕打ちを受け、全員が龍火のできないことがあるのか疑問に思った
ちなみに車は第二次世界大戦に使われていたジープのもどきで、ドアと天井がある
「強制過ぎるだろあのやろう……説明、丁寧ながらもなんか口調が腹立つしよ……」
『まぁ仕方ない事だから我慢しよ?海斗君』
『隊長は一人で探索行ってるんだったっけ?』
「ええ、そうよ。それより龍くんの前で隊長呼び止めな」
その頃、龍火は…
洞窟を見つけては調べ、建造物があれば調べの繰り返しだ。龍火は女性以外にもこの星の生物を探していた。普通のすずめのような鳥、手のひらサイズのトカゲ……地球に生息しているような生物もいる。だがあまりにもデカすぎる蛙やナナフシの様に足が長い蟻、手足のある魚。地球には存在しない生物もいる。しかしこの星の生物は地球とは異なるところがあった
-何なんだよこの星……見れば見るほど、この星の生物デカくね?-
そう、この星の生物はとにかくデカいのが多い。体長約2m越えがゴロゴロといる
襲いかからないもののこの星には恐竜のような生物がたくさんいる。なぜここまで巨体なのか…龍火はわからない
-みんな大丈夫かな?しっかり調べられてるかな?-
龍火は自分の心配より他人の心配の方が多い。そんなことより自分の心配しろ
二時間後、全員が船へ帰還した
帰還したメンバーはDRにて結果報告をした
「どだった?」
「Aチーム、収穫無し」
「Bチーム、収穫無し」
「Cチーム、収穫無し」
「Dチーム、街らしき場所を発見したが人間は居なかった。が死体はそこら中に散乱しとったわ。ホントに人類は滅亡したのかもな」
「俺たちEチームは残念ながら、収穫無しだ」
街と人類が居なかった事しか収穫なしだ
「た…龍火はどうだったんだ?」
「この星の生物はとにかくデカいって事がわかったよ」
全員がポカンとした。女性探しの筈が龍火はこの星の生物を見ているのだ。女性を探す気があるのだろうか?
「ねぇ?なんでこの星の生物を調べたの?」
「あの女性や銃があること、レイネストの存在から、この星に人間がいた事は確かだ。すると他の生物が人間を絶滅させたのだろうか?て思ってね、それを調べたかったんだよね~。だけどどの種も襲いかかってこない。ましてや有効種ばかりだ。木の実を渡してきた猿とか肩に乗って来るツバメみたいなのもいたくらいだしさ?
つまりこの星の人間は他の生物によって絶滅したとは考えられないんだよ」
椅子の背もたれに寄り掛かって、頭をかく。人類は確かにこの星に存在した
だが今この星には、あの女性以外誰一人見たことがない
「確かに車を走らせてる時襲ってくるものは居なかったな」
「人間がいたのに絶滅……たしかに原因がわかんないね」
「人間の作った兵器で絶滅したのであれば、その被害で他の生物も死ぬ筈……だよね?
そもそもとして世界中の人々を殺す兵器なんて作れないと思う
あの女性が最後の生き残りならば、滅んだのは比較的近年なのだと考えているけど
どうして人間だけが絶滅したのだろうか?俺の今の疑問はそこかな」
龍火のこの言葉を聞き、一部のメンバーが怯えた。怪物の仕業か人間の作った兵器によるものか。龍火はそれが気になってしょうがない
その晩、龍火は単独で再び森に入った。海斗や大和には何も告げずに出てきた
夜の森には虫が多くいた。猪やヘビなどの夜行性の動物も徘徊していた
昼間来た湖に来ると、鰐やネッシーが顔を出していた
-やっぱし人間に脅威のある生物なんて見当たらないな……-
そんな事を思いながらも人探しと生物調査をしている龍火だった
翌日
案の定、龍火が夜探索に行ったことがバレ、海斗に説教を喰らった
車の整備をしている中、後ろから首絞めをしながら龍火を問いただした
「なぁ・・・なに夜中に出歩いとるんじゃぁ・・・!?」
「あっで……!がいど……、ぐるじぃ……!」
だいぶガッツリ、首を絞めているようだ。声がかなり低くなっている
「あったりまえだろ!きつく締めてんだからよぉ!」
「うぐぇ!」
「なぁ・・・なんでこんな事したんですかぁ~!
(#^ω^)」
海斗は笑顔でもっと強く首を絞める
「う…ア……ガば…………(×Д×lll)」
「おい、なんか言えやゴラァ!」
「待った待った!海斗!流石にやりすぎよ!」
琴音が海斗を止めようと参戦する
「アァ!?この馬鹿が悪りーんだろ!勝手に夜中に歩き回って、死んだらどーすんだよ!俺らになんも言わずに行くしよぉ!!」
「そんなことより!あなたの身長で彼の頭が、あなたと同じ所に来ることがおかしいと思わないの!?」
「あー?頭?なんでそんなこと気にしなくちゃなんねー……の?」
海斗は少し冷静になり、足元を見る。すると龍火の足は地面についていなかった。そう完全首吊り状態なのだ。加えて首を絞められている為、息も出来てない
「あっ、そっか……こいつ身長低いんだった……わりぃ、忘れてたわ」
「ア、アガグオドジデェ………………(T△T)」
下ろして貰い琴音に慰めてもらった後、正座で海斗の説教を淡々と聞く
「今日は隊長だけ三時間探索してこい
(#`皿´)」
「は、はい!!!!(´;ω;`)」
海斗からお仕置きを喰らった龍火は……皆より早く探索を開始した
-はぁ(/ω\)……誰が隊長だよぉ。俺は龍火だよーだ……
海斗が怒るのも無理ないけどさぁ……でもあいつの首絞め……(T_T)
ホント痛いんだよねぇ(´;ω;`)息できないしさ……-
愚痴を心の中で言いながら探索をしている
するとDチームから連絡が入った
『要救助者を発見。位置データを送ります』
颯太達が女性を見つけたようだ。しかし龍火は颯太達の所へ行こうとしない
-あいつらで何とかして貰おうか……
あーあーなんでこっちはギニュートの巣見つけちゃうのかなぁ……-
よりによって危険度MAXのギニュートの巣を見つけてしまったのだ。このまま戻ってもいいのだが、ギニュートの子が居るので音をたてるとどうなるかわからない状態だ。仕方なく車の通信を切った。子供も子供でデカい……親の三分の一程の大きさ、つまり20mはある。
-あー……あの子供が寝てるからいいものの……親がいたらどうなるのやら……-
そっとしておこうと考えたその時、緊急連絡がきた
『速く来て下さい、この人好戦的だ。殺されないけど動きが俊敏で弾も当たらない。速く来て下さい!!』
緊急連絡のブザーが鳴り、その音を聞いた子ギニュートが目を覚ました。そして音の鳴る方、龍火の方を向いた。子ギニュートは龍火をご飯だと思い、捕まえようと起き上がる。龍火は察した
-ヤバイなぁこれ……( ̄▽ ̄;)逃げられるかな?-
龍火はすぐに車を出し、颯太達の方へ向かった。狙いを拡散させるためではない
「ごめん、聞こえるか?颯太」
『はい!』
「全員を車に乗せて、すぐその場から逃げるんだ!ミスったぁ!」
『え?ミスったって何が?』
龍火は逃げながら事情を話した。この会話を他のチームのリーダーも聞いていた。リーダー全員の答えは一致していた
『『『バカか!あんたはー!!(ノ`△´)ノ』』』
龍火は反論したかったがする暇もなかった
『でもこの人はどうするつもりなんですか?』
「こっちで何とかするから!さっさと逃げろぉー!!」
そう伝え、颯太の示した座標まで爆走する。一方颯太達は龍火に言われた通り逃げる準備をした
-さーてどうやって要救助者を車に引きずり込もう……この速度で強引にいれると腕もげるだろうし、ホントに困ったぞ?-
走りながら女性を助ける方法を考えた。現在の車の速度は時速120km。ギニュートの子も同じくらいの速度。彼女が例え俊敏に動いたとしても時速120kmの速さに勝てる筈がない
-天井を開ければ何とかなるか?いややるしかないな-
龍火は喰われるのを覚悟に車の天井を開けた。そして颯太達の居る場所に着いた
颯太達も子ギニュートの姿わを確認したあと、すぐに走り抜けた。当然女性も逃げた。ギニュートというはそこらに居る動物とは違いかなりの好戦的な怪物。立ち向かえばたちまち餌となる
周りを見た子ギニュートは女性を狙うことにした。車に乗ってる龍火に比べ、女性は自分の走ってる。ギニュートからすれば捕まえやすい獲物だ
女性は必死に逃げるが子ギニュートの速度に勝てるはずもなく喰われかける。子ギニュートは口を大きく開ける。
喰われかけたその時、口に車が突っ込んだ。龍火がUターンして、ギニュートの口目掛けて、車ごと突撃したのだ
ギニュートの子は車のあまりの固さに、車を吐き、悶絶する。車は2,3回転し大破した
「ピエェーピエェー」
子ギニュートは大粒の涙を流し、泣きながら巣へ帰った
-は、はは……怪物にも涙腺てのはあるんだ-
安心したかのように、その場に座りメンバーに連絡をする
「こちら龍火、何とか帰って貰えたぁ……回収してぇー」
『やだ、一人で帰ってこい』
颯太が断った。その冷たさに龍火は苦笑いをした
それを見ていた髪が白金で色白の女が近づいてきた。救助者の彼女だ
「あ……タ……ひ、、と……?」
「……!うん、そうだよ。でもこの星の住人ではないよ」
龍火は彼女を見て驚いた。彼女には角が生えていた
「君のこそ人間?」
気になったのか龍火も同じ質問をした
「ワか……ない、、……わタ……し、、、、あ……なタとオ…なじ、、……?」
彼女は自分が何の生物かわかってないようだ。龍火から見たら彼女は鬼のような姿だ……人間のか危うい。しかも口滑舌が悪い。何年も会話をしていないようだ
-さーて…歩いて帰るか……車は後日回収しよ-
「まぁいいや、バイバイ、またね(^^)/」
あろうことか龍火は彼女に別れを告げ、救助者を連れていかず一人船へ向かって歩いた。彼女はこっそりと船へ戻る龍火を追った




