一章-第三話 たった一人の生存者『心』
-ここは?-
-お母さん?お父さん?お兄ちゃん?皆どこ?-
-怖いよ……寒いよ…………お腹すいたよ……-
-独リ……に……しない出よ…………寂……しい……よ-
-みンな……キライだ…………みンな……オイてッた……-
-…………皆………嫌イ……嫌イ…………!-
皆が起きた後食堂でアストが作ってくれた料理を食べる。米に味噌汁、だし巻き卵に魚と、食材は豊かだった。味も悪くない
アレルギーを持つ者には別の料理が用意された
皆、温かいご飯を食べ笑顔になる。いつの間にか不安さえも消えていた
食事を取り終えた後、龍火はアストの案内のもと、船の安全と構造を調べに行った
その間クラスメートはDRに戻り、仲良く会話をしている
ただその中に一人龍火を心配する者がいた
「琴音~?どうしたの~?」
琴音という少女だった。彼女は下を見ながら答えた
「……龍火くんが心配なの」
それを聞いて剛史が
「あいつなら大丈夫だろ」
と言い安心させようとする
誰かが「心配ないよ」と言っても彼女はうつむいていた
琴音が心配していることは、船の安全確認による命の危険ではないからだ
「琴音は龍火の何を心配してるの?」
「……ここに着くまで私達は、龍火に頼り過ぎてるじゃん?
疲労で倒れないか心配なの……」
そう彼女は龍火の体調を心配しているのだ
初日の夜に森へ食料調達、恐竜との対峙、拳銃の扱い方の教え、レイネストまでの案内、そしてレイネストの安全確保
これら全て龍火が独断でやっていることだ
大和も龍火の事を心配している
「俺も龍火と優雅に申し訳ない気持ちがある……」
「僕?」
「洞窟で優雅が恐竜に襲われた時……龍火に拳銃の扱い方教わったのに……俺は逃げた……俺は自分の命を優先した
でもあいつは・・・龍火は逃げず恐竜に立ち向かった
俺は無力だった……」
大和は悔しんだ
「あれは仕方ないよ。あんな恐竜に立ち向かうことなんて…普通出来ないんだから」
励ます優雅。『仕方がない』で済ませていいとは思えなかった
「昨日の夜、龍火が言ってたんだ………『皆を地球に送り届ける』って……」
「そんな事言ってたんだ……」
「待って!この星、地球じゃないの!?
だって食事は地球のと変わりなかったじゃん」
「信じたくないけど違うと思うよ?あんなデカい恐竜が地球に居れば、流石に図鑑にも乗ってるでしょ?」
「そ、それも…そうっか…」
「私達は何もかも龍火に頼ってばっかね」
クラスメイト全員、龍火に申し訳ない気持ちが出てきた




