一章-第二話 レイネスト
「大丈夫なの?龍火」
「……大丈夫だよ。心配してくれありがと」
龍火は周りを見渡し他の動物がいないか確認し始めた
「龍火、写真にあった建造物へ行こう」
大和と優雅が言った
龍火は驚く。彼らから建造物に行くと言う言葉が出てくるとは思ってもいなかった
「……いいの?」
「ここは危険だ。なら危険かどうかはわからないけど建造物の方がマシだろう
少なからず人工的に作られた建物なんだから」
他のクラスメイトも賛同した
龍火は彼らを建造物まで案内をする前に
「拳銃のマガジンはある?」
と質問した
「えぇ、予備マガジンは三つあるわ」
「オッケオッケ」
龍火は極力安全なルートを通り、まずは昨日の夜見た軍人のキャンプ地と思われる場所についた
「うーん悪いけど、今日はここで一晩過ごそうか」
夜が近づいてるようだ。皆、ひとかたまりとなり夜を過ごした
「火がないってこんなに不便なんだね……」
現在の地球はボタン一つで火や電気がつき、蛇口を捻れば水が流れる
だが昔は火をつけるのも、水を手にいれるのも一苦労だった
地球……特に日本やアメリカなどの先進国は裕福な国だ。彼らはそんな地球で生まれた。みんなと同じ地球で生まれた人間なのだ
少しして龍火はまた彼らから離れようとする。そこを海斗に止められた
「・・・どこ行くんだ?」
「あれ?まだ起きてたの〜?」
「昨日みたい事されんのは困るし心配になるんでな」
「いやなぁ~に、昨日見つけた木の実をこのバッグに大量に詰めてくるだけだよ」
満月にと重なった笑ったその顔・・・何事もなく進むその背中。それをただ見ることしかできない自分に海斗は嫌気がさした
─────
朝になり、龍火達は再出発した。木の実はバッグ5つ分にみっちり入っている。彼の服はまた一段とボロボロになっていた
2時間半かけ森を抜け建造物が見えた
「あれが謎の建造物……ですか」
「あのぉー……ここから先、安全なルートがわかんないんだよね
だからぁ……そのぉ~ですね(._.`)」
「大丈夫!なんとかなるさ!」
彼らは励まし合い建造物へ向かう。足場の狭い崖の道を進み、滝の裏を通り、真っ暗な洞窟を抜け、ジャングルに入る。道中獣に襲われるが、全て龍火が捌いた
川岸で休憩しながらも彼らは歩き続けた
7時間歩き、やっとの思いでジャングルを抜け、建造物の近くについた
─────
「ここから入れるみたいだね」
「……颯太、光輝、大和。君たちはSG-500を持って入って」
龍火はライト付きのサブマシンガンを三人に渡した
「SG-500?」
「昨日のキャンプ地から拝借したサブマシンガンみたい」
見た目P90のようなサブマシンガンが、軍人のキャンプ地にあった
「颯太と光輝が後ろを、大和と俺が前を見る
他のメンバーはライトを当ててくれる?」
「ライトなんて持ってねぇよ……」
「スマホとかないのぉー?」
少々うんざりしながら言い、建造物の中に入った
中は綺麗な状態だ。まるで新築のような綺麗差
龍火と大和は、SG-500を持ちながら先頭を歩く
「マップがあるよ」
龍火はライトを照らしながらマップをみた
-ブリッジがない……珍しいくないかな?ブリッジがないのは
ディレクションルーム?そこがこの建造物の心臓なのか?-
マップを見ながら、ディレクションルームへの行き方を決めた
「階段上るか」
エレベーターはあるものの、この建造物には電気が流れてなかった。エレベーターが動かないので仕方なく、皆は龍火と大和の後をついて階段を上る
20階……40階……60階……とあまりにも長すぎる
ディレクションルームのある階はまだまだ先のようだ
-長すぎじゃない?……この階段-
さすがの龍火も怒りがこみ上げる
中に入ってから45分かかってようやく、ディレクションルームのある階へついた
「大和、ドア開けたら俺は右をお前は左を調べろ」
「了解!」
龍火がドアを開けると、二人は安全を確認した
なぜか口調が変化していた
確認をすると通路には何もなかった。龍火は銃を下ろし左手で右腕を軽く揺すった
「よし、こっちだね」
ディレクションルームの前まできた
ディレクションルームの扉を開けると、そこは会議室のような部屋になっていた
全員が中に入ると、龍火は扉を閉めた
龍火は周りを徘徊していると、とあるファイルを見つけた
「何なんだ?ここ?」
颯太が椅子に座り、バンバン机を叩いていると
颯太の前にあった内蔵式パソコンが動き出した
「うわぁっ!」
「どうしたの?」
画面には英語で
「Please enter your password」
と表示されている
「パスワードを入力してくださいって出てるね」
龍火はまだファイルを見ている
するとファイルに挟んであった小さな紙を見つけた
「なんだろ?」
紙を開くと「SADOCOIE」と書かれていた
-これ?なんだろ?みんなはなにしてる?-
龍火は颯太に近づく
「パスワードって何のことだー!」
「少し代わってくれる?」
颯太は龍火に席を譲り、龍火は先ほどの「SADOCOIE」を入力した
パスワードはあっていたようだ
「なになに?画面おかしくなったよ」
「システムオールグリーン、レイネストを起動しますって出てる……?」
パソコンの画面消えたと同時に天井の明かりがついた。全てのシステムが正常に稼働したのだろう
皆一安心した
初日に泣いていた者も、笑顔になっていた
「レイネスト……って言うのかこの建造物」
「みたいだねぇ~……はぁ〜〜」
「ふぁ~~…………」
多くの者から大きなあくびが出た
キャンプ地を明朝8時に出たが、崖を降りたり洞窟を抜けたりしたため、ここまでたどり着くまでにかなりの時間を費やしてしまっていた。ディレクションルームに着く頃には夜7時を超えていた
皆も11時間以上歩き、疲れたであろう。龍火はそれを見かねて
「皆、寝ていいよ?」
と優しい声で皆に告げた
「んじゃーお言葉に甘えて俺は寝かせて貰うっす」
パソコンで明かりを暗くし、皆を休ませた
だが龍火本人はまだ寝ずにファイルを見ている
-この建造物……宇宙船なんだ!小型戦闘機や大型戦闘機まで配備されているっぽい?
しかも水泳やクライミングなどのトレーニングルームもあるのか……射撃場や風呂場も、娯楽のカジノみたいなところもあるのかぁ
一体この船はなんだろ?そんな事よりまずはこの船の安全を確認してからホントに宇宙に行けるなら行くか-
龍火は夜通しファイルを見ながら、この船の事を調べていった
朝になっても龍火はファイルを見つめていた
それはまるで期末テスト前日にテスト範囲を猛勉強しているような姿だ
ファイルに書かれた内容よってこの船が、開拓移住用宇宙戦艦であることがわかった。レイネストには姉妹艦も存在する。レイネストより東に30㎞の所に停泊中とのこと
戦艦として作られたので主砲副砲も配備されている
-あ~読み疲れたな……朝飯どうしようか……-
初日に採った果実この船に着くまでに全て食べてしまった
ここから森まで往復で2日かかる道のり、森には未知の生物が存在する
簡単に行って戻ってこれる状態ではない
-色々と困ったことが多いなぁ( ̄▽ ̄;)アハハ〜-
突然パソコンの電源が着き、「Error」と表示された
龍火はファイルを見ながら処理しようとするが、システムは全て正常だった
-何処で異常が出てるんだろ?-
更に調べて行くと食堂で「Error」と表示されている
-食堂………?-
この「Error」はレイネスト本体が出した偽の表示だったようだ
だがそんなことを知らず、龍火は銃持ち食堂へ向かう。みんなの安全を守るために
食堂に着くとそこには炊かれたご飯が置いてあった
そして食堂の中央にモニターが現れ、英語で「AST」の文字が映っていた
銃をおろした龍火はASTに話しかける
「……あなたは、資料ファイルに書いてあった、レイネストの確かぁ~…えっとぉ」
『アストです。私はレイネストの中にいる管理AI、名をアスト(AST)と申します』
「アストか……いい名前だね」
二人はほんの少し無言になった
「このご飯は君が?」
『はい、DRにてご飯の事を悩んでいらしたので』
「あいや確かにご飯の事で悩んでいたけど…君は人の心が読めるの?」
『不可能です。ですが声に出てましたので』
-(-ω-;)アレ?マジ…?-
「ごめんね、ありがとう
皆が起きたら皆で食べるよ」
『了解致しました。それまで保存しておきます』
「ありがとう」
龍火はDRに戻った。他のメンバーはまだ寝ていた
龍火の悩みも解決しようやく一息出来る
だが休んでいられるのもほんの一時……
地獄の試練はまだこれからなのだから




