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質問タイム


「え〜っと、俺の名前は呑土 交(てんと こう)っていいます。12月9日生まれの15歳です。つい最近まで山奥に住んでたんで、色々常識に疎いところがあるかもなんで、そこんとこお願いします。んで、一応戦闘は近距離、中距離、遠距離、陰陽術くらいなら何でもできる遊撃手(アタッカー)?とかいうやつです。多分戦闘一課にするんで今後よろしくお願いします」


「おし、大体自己紹介はこんなもんでいいだろ。こっからはお前らからの質問タイムなー。呑土も嫌な質問だったら言わんくっていいからなー。んじゃ、始めろー」


そう耶麻村が言うと、はい、はい!と一気にたくさんの手が挙がった。

最初は交に当てさせようと思った耶麻村であったが、よく考えたら交はまだ転入初日、天戸以外は誰も知らないであろう、と考えると、自分で当てることにした。

ほぼクラスの全員が手をぴしっと挙げているため、しばらく迷った耶麻村だったが、比較的まともなことを聞きそうなやつを選んだ結果、たまたま交が名前を覚えていた池を指名した。


「やったね、僕だ!」


そうにこにこしながら言い立ち上がった池の姿に、交は思わず安堵の息を漏らしていた。

唯一自分が覚えていた池が当たったので、安心したのだ。

なお、天戸のことは頼りにはしていなかった。

あんな交から見ても感性が控えめに言って、若干ずれている相手などに質問されたくなかったのだ。


「僕のことは交君知ってるし自己紹介は飛ばすね」

「えーっと、それじゃ、聞くね。交君の家族構成を教えてください!あ、問題ない程度でいいよ!」


やけにテンション高くはきはきと言ってくる池に、すこしばかり引いてしまった交。しかし、気を取りなおすと、すぐに答えた。


「母さんと親父がいて、じいちゃんとばあちゃんは両方違うとこいるな。ちなみに年齢は知らん。教えてくもらったことないしな」

交の答えに満足したらしい池は、さらに聞くことなく座るのだった。

それを確認した耶麻村は、次の人を当てようとクラスを見回した。

すると、何故か椅子の上で座ったままジャンプしながら手を挙げている女子を見つけた。

は?と思った耶麻村だったが、すぐに納得した。

額を押さえて唸った耶麻村であったが、しょうがないので当てることにした耶麻村した。


「はあ〜、そんなに当ててほしいなら当ててやるが、変なことは聞くんじゃねえぞ。んじゃ、鷹匠(たかじょう)やっていいぞ」


「はーい!」


そう元気よく返事をしたのは、やや茶色がかった赤髪をショートカットにした、活発そうな女の子であった。

顔立ちは可愛いというよりは、むしろ野性味あふれる、といった方がいいようであった。

つり目に口から垣間見える八重歯ゆえにそう見えるのであった。


「えっと、私は鷹匠 飛鳥(たかじょう あすか)。近距離で壁役やってるよー。それでそれで、可愛いよ!抱き締めたいよ!ラブなんだよ!女装させたいよ!」


そう鼻息荒く席を立ち詰め寄ってくる鷹匠の姿に、交は早乙女と会ったときと同じくらいドン引きしていた。

そうして鷹匠が交に後2メートルも進めば接触するとなった、その瞬間、耶麻村が鷹匠の首根っこを掴むと、元の席へと連行していった。


「すまんな、交。鷹匠は可愛いもの大好きを公言しててな、見つけるとテンションがおかしくなるっていう可哀想なやつなんだよ。許してやってくれ」


そう耶麻村に言われた交は、引きぎみではあったが、一応頷いた。

ただ、慣れる気は全くしなかったし、何より可愛いを鷹匠と耶麻村に連呼されたことにショックを受けていた。

地味に気にしていたことでもあったのでなおさらであった。

耶麻村は、それに気付いていたが、苦笑してそれを見て見ぬふりをし、次の質問者を探した。

何故なら、ここで時間をかけてしまっていてはこれからやる授業に差し支えが出てしまうからだ。

そうして次に当てる相手を探そうと思った耶麻村だったが、ふと時計を見てみると、既に9時になろうかとしていた。

なので耶麻村は、生徒たちに、


「時間がやばいから次で最後なぁ!」


と、そう言った。

すると、やはりと言うべきか、クラス中からブーイングがあがった。

しかし、耶麻村は、それを無視して、最後の一人を決めると、名前を呼んだ。


「うし、最後は朽雛(くな)、お前な」

耶麻村が最後に選んだのは、特段取り上げるべき特徴もない、普通の男子であった。

だがしかし、交は朽雛を人目見て、どうしようもない不快感に襲われた。

だが交は、まさかな、と考えると頭を振り、そのことを頭から消し去ったのだった。

そうしていると、朽雛が話し始めた。


「ぼくもみんなに倣って自己紹介からしますね。ぼくの名前は朽雛 守落(くな かみら)と言います。一応呑土君と同じ全距離対応の遊撃手なんです。ですから、これからよろしくお願いしますね」


そうにこやかに挨拶をしてくる朽雛であったが、すぐに質問をした。


「呑土君は、どの種族なんですか?」


「あー、っとだな。それは、わからん。親父たちに聞いたことねーからな。すまんな」


そう交が言うと、朽雛は、席に座った。

それを確認した耶麻村は、これで終わりだと言う代わりに、パンパンと手を叩くと、交に席に着くように言った。


「んじゃあ、呑土は・・・・。っと天戸の隣が空いてたか。ならそこでいいや」


そう言われた交はその席へと歩いていった。


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