教室に、・・・・・・入りません
交は、入室すると早速耶麻村を探し始めた。
が、すぐに見つかった。
明らかに頭一つとびぬけて大きい巨漢はいたからだ。
さらに頭の両端から短く太い角が生えていたからだ。
「山村先生、天戸です。編入生の吞土 交さんを連れてきました」
「お、そうか。学園の案内から何まで悪いなー。大変だったろ」
「いえ、問題ありませんでした。吞土さんも優しくしてくれたので、スムーズに進めることもできましたから」
「ははっ、まあ天戸がいいなら構わんがなぁ!はっはっはっは!」
そう笑いながら交の方へと近づいて行った。
耶麻村が近づいてくると、どんどん見上げる形になっていった。
交や天戸が160センチ前後であることを考えると、耶麻村の胸のあたりに二人の頭がきているので、おそらく2メートル40くらいはゆうにあると思われた。
ただ、予想していたよりもガチムチなどではなく、あまりがっしりしているようには見えなかった。
もしかしたら|比較対象≪早乙女≫が間違っているだけなのかもしれないが。
そうして、とりあえずの顔合わせを終えると、雑談をしながら教室へと向かっていった。
「んじゃあ、聞いてるかもしれねえけどとりあえず自己紹介しとくな。俺の名前は|耶麻村 昴≪やまむら すばる≫、お前らの担任だ。一応第一級ライセンス持ちだ。つっても現場離れてもう結構たつし、古傷のせいであんまうごけねえがな。これからよろしく」
「ああ、こっちこそよろしく。こっちは自己紹介いいよな?もうしってるだろうし」
「ああ、いらん。だが一ついいか。お前、せめて教師には敬語使っとけ。俺は気にしねえが、厳しい奴に見つかったらめんどくせーぜ」
「あー、そーなのか。なら一応きーつける」
「おう、そうしてくれ」
天戸がそうして交と耶麻村の話がひと段落したのを確認すると、耶麻村に話しかけた。
天戸としても、これから教室に入った後のことを確認しておこうと思ったからだ。
ただ、交には聞かれたくない話だったせいか、自然と小声になっていた。
ちなみに、交も通常なら聞こえていたのだが、これから見たこともないほど大勢の同年代の少年少女に会うので緊張しており、全く聞こえていないようだった。
「耶麻村先生、教室に入った後の吞土さんの自己紹介、いくらか制限かけといた方がいいですか?」
「んー、いらない、いや、そうしとくか。あいつの素性がばれちまったら絶対問題やってくるだろうからな。つかあいつの性格だとそれなしでも問題ひっぱてきそうで怖いんだけどな」
「いざとなったら私が仲介に入りますけど、一応耶麻村先生もいつでも動けるようにしといてくださいね」
「わかってるよ。はぁ、何で現役やめた今になってこんなんくるんだよ」
最後は完全に耶麻村のぐちになっていたが、要するに交の素性がやばすぎて秘匿しないといけない、ということであった。
それを確認すると、天戸は交に素性を隠すように伝えた。
若干面倒くさがっていた交だったが、しぶしぶなっとくした様子を見せると、立ち止まった。
それに反応が遅れ、交にぶつかってしまい抗議の声をあげかけた天戸だったが、教室の表記を見て、納得した。
そこには、戦闘一課高等部一組とあった。




