常識人現る
部屋の住人に許可をもらい、ドアを開けて部屋に入ると、そこには普通の人間がいた。
天戸に太鼓判を押されていたとはいえ、直接見るまでは完全に安心できていなかった交であったが、実際にみてみることでとても安心出来ていたようだった。
少なくとも見た目は普通の私服を着込んだ15、6の日本人の少年にしかみえなかった。
「うん?入ってこないのかい?それに一体どうしたんだい、そんな鳩が機関銃を喰らったような顔をして」
「あ、いや。思ったよりはるかにまともな人だったからさ」
「吞土さん、私の言ったこと信じてなかったんですか?まともなひとって言ったじゃないですか」
「あんなもんを簡単に人と言い切れる天戸の言うことを信じろと?」
そう交がミジンコを見るような目で天戸をみる。
あの漢女を人と言い切った天戸を信じれるようなものはとんでもないお人好しか相当の馬鹿くらいのものであろう。
そうして交が冷めた目で天戸を見ていると、なぜそんな風になっているのかわかっていない池が話しかけてきた。
「一体どうしたんだい、そんな目つきして」
「だってこいつ、早乙女先輩のこと普通の人とか言ってんだぜ?正気を疑うだろ」
「ああ、それは確かに。早乙女先輩パッと見人外だもんなぁ。というか日那ちゃん、早乙女先輩のこと普通の人だと思ってたのか。それはしょうがないな」
「なんで池先輩までそんなこと言うんですか!それに吞土さんなんて私のことこいつ呼ばわりしてませんか!?ひどいです、訂正してください!」
そう天戸が大いに憤るも、交と池は目を合わせると、同時に頷き言った。
「「天戸(日那ちゃん)にはこいつ呼ばわりで十分だ」」
ふたりが息ピッタリに同じことを言ってくるので、天戸は思わず泣き出してしまった。
これには男性陣二人も動揺し、慌てて慰めにかかるのだった。
しばらくしてようやく泣きやませることに成功すると、ようやく本題の顔合わせへと入るのだった。
「んで、俺が今度から編入することになった吞土 交、15歳だ。来る気はなかったが強制的に拉致られてここに通うことになった。これからよろしく頼む」
「ぷっ、拉致られたって。すごいね、君の来方。それに僕と同じ歳なんだ、なら教室も一緒だといいね。それで、僕の名前は池 亮太、君と同じ15歳だよ。これからよろしくね」
そう挨拶をし合うと、そのまま手を差し出し合い、ひしっと固く握り締め合い目を合わせ何かを感じ取りあっていた。
きっとこれが男同士の友情とかそんな感じのものなのだろう。
一人完全において行かれた形になった天戸がすごくさびしそうな顔をしていた。
そこはおいておいてこうは次の人のところへといくのだった。
なぜならこの寮に住んでいる人は全部で400人もいるのだから。
こうして交の学園初日は怒涛の激しさで終わったのだった。
ちなみに美少女と二人部屋でも交は普通に眠れてしまった。
やはりちがうベッドというのが良かったのだろうか。
もしくは交が実は女子に興味がなかったりするのだろうか。
それは神のみぞ知る、かもしれない。




