二人目の先輩
天戸に自分の服諸々を片付けられてしまった交は、しばらくショックで沈んでいたが、なんとか持ち直した。
「そ、それで、これからどうするんだ?」
「?どうするって、何がですか?」
「いや、だからこの後の行動だよ。まだ俺ここの人全員と顔合わせしたことないしさ。ま、まあ俺が早乙女先輩に驚いて気絶しちまったのが悪いんだけどさぁ。一応しなくちゃいけないだろう?」
「あ、そうでしたね。それじゃあ今から挨拶周りに行きましょう」
そう言うと、いきなり服を脱ぎ始めた。
いきなりの珍行動に驚いて固まった交だったが、すぐさま目をそらした。
「お、おい!隠しなよ!?わかったらさっさと風呂場にでも行ってこい!!」
「は、はいぃぃぃ!」
同居が始まってまだ半日も経っていないというのにすでに二回もこんなことが起こっているのだ。
これから先の生活が、とても危ぶまれることは確かであった。
「あ、あのー、もう着替え終わったのでもう出て行っていいですか?」
「あぁ、いいぞ」
そして着替えて出てきたはずの姿は、なぜか学生服だった。
思わず驚いて二度見してしまった交であったが、これが普通なんだ思い込むと話しかけた。
「それでは行きましょうか」
そう言って部屋から出ていく交について出ていくと、そこに何故か早乙女がいた。
ふっと意識がまた飛びかけてしまった交だったが、気力で踏ん張ると、無理やり顔面の筋肉を総動員して笑顔を作って挨拶をした。
すると早乙女は満面の笑みをつくると、交を思いっきり抱きしめた。
当然交はドン引いた。
「ちょ、ちょっと何してんのあんた!?すごく気持ち悪いんだけど!?」
「あら、ごめんなさいね?つい抱きついちゃったわ」
そうにこにこしながら言っている早乙女はを見て交は思った。
この人意外といい人なんじゃ?と。
実際早乙女はかなりできた人間に分類されるだろう。
いくらいきなり抱きついたとはいえ、全力で自分のことを気持ちわるいと言って拒否してくる相手に対して全く起こったようすを見せずにいるのだから。
・・・・・・・・・ただ慣れているだけ、ということなのかもしれないが。
「そ、っそじゃあほかの人に会いに行こうぜ。早乙女先輩とはもう面っしきあるしさ」
「そうですね、分かりました。それでは次は池 亮太先輩を紹介しますね」
「それ、どんな先輩なんだ?一応聞いておくがそいつはまともか?」
「はい!とってもいい先輩ですよ。でも今私から説明するのもなんなので池先輩から直接聞いてくださいね」
そう天戸が言うのを聞いて、交は少し安心していた。
なまじ最初にあった先輩があれだったのだ、心配してもしすぎることはないだろう。
ただ今回は事前に天戸から問題なしと聞いたので今度は少しばかり期待しているのだ。
そうして適当に会話をしていると、どうやら件の先輩の部屋の前についた。
交が扉をノックすると、中から
「入っていいぞー」
と返事が来たので扉を開けて入っていくのだった。




