旅立つ者と残る者
翌日、広場には馬車が来て荷物を持った若者達が乗り込んでいた。
週に1回やって来る王都とこの村を結ぶ定期便だ。
俺はユーヤ達を見送りに来たんだが、ここで衝撃の事実が発覚した。
「えっ? 村に残るの俺だけ?」
「そうみたいだ。冒険者になったり出稼ぎに行ったりとか目的は様々だけど」
マジかっ!?
よくよく考えてみれば町に出た方が稼ぎやすいし、仕事がたくさんある。
村での仕事と言えば農業や畜産業、林業だもんな。
それだけで食っていけるか、と言えば家族がいるとなると厳しい。
俺みたいに一人で家族もいなかったら何とか食っていける。
それにやっぱり都会に対する憧れもある。
しかし、現実にやられて帰って来る奴もいる。
俺もその一人なんだけど。
「そういえばギルドは何処に入るんだ?」
「そりゃあ勿論『黄金の盾』に決まってるだろ。」
黄金の盾は冒険者ギルドの中でも人気No.1のギルドだ。
前の俺もユーヤ達も所属していた。
「・・・・・・確か王都にはギルド案内所て言う場所があるからそこで適性検査受けてから考えた方が良い、と思う。いくら強くても人間関係も大事だからな」
「やけに慎重だな・・・・・・」
「友人として活躍してもらいたいからな」
本音を言えば黄金の盾には所属してもらいたくない。
黄金の盾はマスターが絶対権力を持っている。
俺は目をつけられたせいで潰された。
ユーヤ達には俺みたいになってもらいたくない。
「ユーヤ! そろそろ出発するよ!」
既に馬車に乗っているティファが呼んでいる。
「それじゃあ行ってくる。アランも元気でな」
「あぁ、頑張れよ!」
ユーヤと固い握手をしてユーヤは馬車に乗り込んだ。
ティファ達は俺を心配そうな顔をしているけど、心配するのは俺の方だと思う。
ユーヤ達を乗せた馬車はゆっくりと動きだし村を出ていった。
見送りに来ていた人達もだんだんと広場から去っていく。
「さて、これからどうするかな・・・・・・」
村に残る事は決めた物のこの村でこれからどう
生活していこうか。
「やっぱり農業だよな。でも、家に畑は無いんだよなぁ・・・・・・。お隣さんから土地を借りるしか無いよな。」
我が家は冒険者をやっていた、という事もあり俺の財産は一人暮らしにはかなり広い家だけだ。
家に帰りながらこれからの事を考えていると・・・・・・。
「アラン! ちょうど良かった!」
呼ばれて振り返ると近所のおじさんだった。
「何か用ですか?」
「村長が呼んでるんだよ。至急家に来てくれ、だそうだ」
村長が?
俺に何の用だろうか・・・・・・。




