↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/73

旅行です

ピーッ!という高い笛の音がし、黒い物体が目の前まで走ってきた。



「ほーん、これが機関車か。」



「ええ。正確には寝台車ですが。さぁ乗りますよ。」



プレナに背中を押され、機関車に乗り込む4人組。例によって親父(ジェーラ)は留守番だ。


通路をしばらく歩き、とある場所で立ち止まり、ドアを開ける。



「ここが私たちの部屋になります。」



「おーっ意外と広いな。」



テーブルにソファ、二段ベッドが二つ置いてある部屋だ。


そして大きな窓。星空を眺められるよう大きく設計したそうだ。



「一週間後にヴェリニヤに到着予定です。それまでは各自、自由行動ということで。」



「はーい。ねぇクオンちゃん、一緒に探検しようよ。」



「分かった。」



はしゃいで部屋を出ていった2人を尻目にユークはソファに腰を掛け、買っておいた本を取りだした。



「よろしかったのですか、ユーク様?汽車移動せずとも、移動魔法で行けますのに。」



「いいんだって。言ったろ?今回は旅行なんだって。」



ヴェリニヤに行くことが決定した後、プレナは以前訪れたことがあったので、移動魔法で行くことを提案したが、ユークはそれを却下した。


旅には行き帰りも含まれている。道中に何かあったとしても、それを含めたのが旅行であるとユークは考えていた。


それに、こんな機会でもなければ、高級寝台車に乗って旅行なんてできないと思ったのだ。



「今回は純粋な旅行だからな。プレナも好きにしていいぜ。俺はしばらくこの本読んでるから。」



「かしこまりました。それでは、散歩してきますね。」



「おう。いってらっしゃい。」



プレナも部屋を出ていき、ユーク1人が部屋に残った。



「さて『必勝術』・・・どんなもんか楽しみだ。」



本当は買った後すぐ読みたかったのだが、旅行が決まったので我慢していたのだ。



「さてと・・・『第一章・強さとは』・・・か。」



ユークは本の世界に集中していった。



・・・・・・・・・



部屋を出たプレナは、機関車の最後尾を目指して歩いていた。


無機質な黒いボディの機関車だが、最後尾はテラスのようになっている。


スタッフもそこに在中しており、食べ物を注文することができる。


旅路の風景を楽しみながら、お茶をすることができるというわけだ。


何を頼もうか思案しているうちに、最後尾に到着した。頑丈なドアを開けると、遠くの方に豆粒サイズになった町が見え、雄大な自然が左右に広がっていた。



「スコーンとコーヒーを。」



注文を済ませ、貸し切り状態となっているテラスの端の方に腰を下ろした。


届いたスコーンにブルーベリージャムをつけ、過ぎ去っていく景色を眺めながら食べる。


普段は味わえない、誰にも邪魔されない特別な時間。


心が安らいでいくのを感じながら、コーヒーを口にする。


たまには・・・こういうのも、いいものですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。