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支度しましょう

翌朝。


いつも通り寝坊しかけていたユークは、クオンによって叩き起こされた。



「起きろ。これを食わせるぞ。」



黒い何かをつまんでいる。



「まだ寝てた・・・んだそりゃ!?」



一瞬で目が覚めた。



「まさかゴキ・・・。」



「埃。」



「なんだ埃か・・・埃!?何食わせようとしてんだ!?」



「大丈夫。2割冗談だから。」



「冗談少ねぇなぁおい。」



部屋をノックする音がした。



「プレナです。ユーク様、お起きになられましたか?」



「おうよ。忍者のせいで悪い目覚めだ。」



「ここに本日の衣装を置いておきます。朝食後に着替えてください。」



ユークの台詞を軽く流し、プレナは要件だけ伝えると去っていった。



「んじゃ、飯行くか。」



「うん。」



朝食はいつもに比べると何だか質素。



「少ない。」



「お二人は船には強いですか?」



船?乗ったことないな。



その旨を伝えると



「もし苦手だった場合、食べ過ぎると悲惨な目に遭います。」



「足りない。」



なるほどな。



あと、ちょっと静かにしてくれ。てか、今の話聞いてたか?






朝食を終え、自室に戻り用意されていた服を見る。


タキシード・・・こういう服ってホント苦手なんだよなぁ。


ユークはぼやきつつ、仕方ないと割り切り袖を通した。


やっぱり似合ってない気がする。



「似合ってない。」



うるせぇ。つーかノックしてから入れよ。


文句を頭の中で言いつつ、クオンを見ると普段のミニスカートに布を合わせた服(プレナに教えてもらったが、着物というらしい)ではなく、ピンク色のドレスを着ていた。



「お前も似合ってないからな。」



素材が美少女だから可愛いはずなんだが、普段の行いのせいで素直に可愛いと思えない。



「それは知ってる。」



どこか不満げにそう言った。そういえば、クオンがドレスってことはプレナもドレスってことだよな。背は高い方だし、よく似合ってそうだ。見るのが楽しみだぜ。



「準備はお済みでしょうか?」



声のした方を見ると、黒いスーツを着たプレナが立っていた。


ドレスじゃないのか・・・。



「ああ、うん。準備OKだ。」



「では行きましょうか。」



これはこれで似合っているからいいか。



「行ってこいお前ら。留守は父さんに任せな!」



開いていたドアをノックし破壊した先代魔王(おやじ)登場。



「それとなユーク、父さんはお土産を待っ。」



プレナが移動魔法を発動し、3人の姿はその場から消えた。


次の瞬間には港。大きな船の前だ。



「これに乗ります。人間もいるので、軽率な行動は慎んでくださいね。」



声のトーンを落としてプレナは注意した。


了解です。親父が何か言ってた気がするけど、まぁいいや。

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