いざという時
久々の投稿です。
よろしくお願いします。
灰皿から細い煙が立ち上ぼり、やがて消えた。
「ワンダーフォーゲルは、言うなれば王国に対する不満の塊みたいなものだ」
「……」
「だが、その不満がこの国の体制によって沸きだしているのも事実」
「……なるほど」
「ならば、どうするか。君はどう考える?」
「……」
俺の答えをじっと待つサーガさん。
直接的な暴力に頼らず、体制の問題を解決する方法か……。
「すみません。すぐに答えられそうにないです」
「そうか」
そう言ってサーガさんは新たなタバコに火をつける。
「サーガさんはどう考えているんですか?」
「それは……今は言えないな」
「今は?」
「君の答えが出る前に私が答えを言うと、おそらく君の考えに影響を与えてしまうからだ」
「それは別に悪いことではないんじゃないですか?」
「悪いことではない。が、良いことでもない」
「……どういうことですか?」
サーガさんの視線が優しくなる。
新しい煙を吐き出すと、言葉を続けた。
「君は覚悟を決めたと言った。ならば、君自身の芯となる考えを持つことが必要だ。そして、それは君自身が生み出したものでなくてはならない」
「……芯となる考えですか」
「それがないと、いざという時に迷ってしまう」
「……」
「まずは、この国の現状を君の目で、肌で感じることだ。答えが出た時に必要なら私の考えも話そう」
「……わかりました」
この国の現状を自分の目で、か。
レイナも同じようなことを言ってたな。
自分がこの世界で何をするべきか……光無症についてだけというわけではないからな。
「ありがとうございました。おかげで新しい目的が1つ見つかりました」
そうか、とサーガさんは微笑んだ。
この人にはまだまだ教えてもらうことが多そうだな。
残りのコーヒーを飲み干す。
ブラックの苦味が、やけに清々しく感じた。
「それじゃあ、そろそろ失礼します」
「何かあったらいつでも言ってくれ」
「ありがとうございます」
お礼を言ってサーガさんの部屋を後にした。
外は一定の強さを保って落ちる雨で一杯だった。
(サーガさんはワンダーフォーゲルとは敵対している、か……)
1人で敵対しているのか、もしくは仲間がいるのかまでは聞けていないが、それが如何に大変なことかということは容易に想像できる。
(俺もまずはギルドランクを上げないとな)
雨を傘で防ぎながら歩く。
時折スカイウォークを使うことを忘れずに銃ギルドへと向かった。
お読みいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。




