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因縁

久々のアップです。

よろしくお願いします。



目の前にコーヒーが置かれた。

カップから立ち上る湯気を無言で見つめる。


「飲まないのか?」

「っと……すみません。ありがとうございます」


今の自分の状況に呆気にとられ、少し意識が飛んでいたようだ。

……まさかサーガさんの部屋に上がるとは思ってもみなかった。


ギルドを飛び出た後、空中と地上を交互に移動して辿り着いたのがこの部屋だ。

サーガさん曰く、ワンダーフォーゲルの息の掛かった者を巻くためいつもこのように帰宅しているらしい。

これから君もそうした方が良いと言われたが、俺すでに部屋バレてるしなぁ。


「さっきの……」

「ん?」

「さっきギルドの3階にいた人もワンダーフォーゲルなんですか?」

「そうだ」


あっさりと断定される。

ということはさっきの会話は……


「大丈夫だ。詳しい内容は分かっていないだろう」


考えが顔に出てたようだ。


「何でですか?」

「読唇術が使えないように口元を隠していたからな」


いつの間に……

あっ……!?タバコか!


便利だろう、と軽く笑ってタバコに火をつける。

結構この人ヘビースモーカーだな。


「でも俺の……いや、私の言葉は」

「俺で良い。そんなに畏まるな。……まぁ、そんな大した問題じゃないさ」


そう言って煙を吐き出す。

落ち着いた様子でサーガさんは言葉を繋げた。


「仮に君の口からワンダーフォーゲルという単語を読みとっていたとしても、それでどうこうなるもんでもない」

「そんなもんですか」

「そうだ」


……なら何であんなに警戒してここまで来たんですか?

とは言えなかった。


「じゃあ、話そうか」

「……はい」

「そうだな……。まずは私とワンダーフォーゲルの関係から話そう」


そう言ってサーガさんは言葉を紡ぎだした。


「もう何年になるか。私とヤツらは互いに牽制しあっているんだ」

「牽制……」

「私はどうしてもヤツらの理想に共感できない。そして銃ギルドからヤツらの仲間が生まれることも阻止したいと考えている」

「……」

「だから、結果的にヤツらの活動を妨害することもあった。その結果、向こうから私は相当警戒されているというわけだ」


そう言って、ニコリと微笑む。

……そうだったのか。

サーガさんはワンダーフォーゲルと敵対していると。


「なぜ、私がヤツらの理想に共感できないか。それは、ヤツらの活動が暴力を主としたものだからだ」

「暴力?」

「王国要人の軟禁、暗殺。ヤツらは恐怖によって国を掌握しようとしている」

「そうなんですか?」

「ああ。ただ、ワンダーフォーゲルが最終目標としているこの国を変えるということ、それ自体には私も共感できるところはあるんだがな」


“貴方の唯一の欠点は、この国の実情を知らないこと”

そう言ったレイナの言葉が頭に浮かんだ。



お読みいただきありがとうございました。

これからもよろしくお願いしますね。


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