中庭にて
タイトル変更まであと少しです。
候補を絞らないといけませんね。
煙草に火を着けた後、ゆっくりと煙を吐き出したシグルドリーヴァさんが口を開く。
「話とは何だ?」
ギルドの中庭ベンチに静かな風が吹き込む。
まずは……教えて貰おう。
「シグルドリーヴァさんは……」
「待て」
「え……?」
「サーガで良い。どうも……しっくりこないんでな」
いや、急にそう言われても。
困ったな……。
「あの……」
「ヤマモトさん」
「は……?」
「違和感を感じるだろう?そういうことだ」
……なるほど。
「分かりました。じゃあ、サーガさんで」
「……君もなかなか頑固だな。まぁ、いい」
サーガさんの反応を他所に、核心に触れるため一呼吸おいてから本題に入った。
「では、早速。サーガさんは……ワンダーフォーゲルについて詳しいですか?」
「……なに?」
ワンダーフォーゲルと言った瞬間、空気がピンと張り詰めた。
切れ長の冷たい目線が俺に向けられる。
その目を真っ直ぐ見据えて話を続けた。
「実は昨日、勧誘をされました。断ったんですが、どうにもしつこい感じがしたんで」
「……」
「……あの?」
「それを聞いてどうするつもりだ?」
冷たい目線は変わらない。
まさか、この人がワンダーフォーゲルに所属しているなんてことはないよな。
「どうするつもりもありません。ただ……知っておかないといけない気がして」
……今のところは、だが。
サーガさんはタバコを挟んだ右手で口元を抑えたまま動かない。
この後、どうでるかだな。
「カイト」
「はい」
「君に覚悟があるなら、話そう。ないなら、今すぐにその気持ちを捨てろ」
……そう来たか。
ここまで念を押すということは、相当詳しい事情を知っているとみて間違いない。
少しの間考える。
「遅いっ!どっちだ!!」
「っ……あります!」
反射的に答えてしまった。
俺の返事を聞いてもサーガさんは視線を緩めない。
「……分かった。ならば場所を変えよう」
「場所を?」
「スカイウォークで移動することにするが、飛び上がる時に目だけで西側三階窓の左端を見ろ」
「分かりました」
良く分からないが今は指示に従うのが一番だろう。
サーガさんが俺を信じてくれたように、俺も彼女を信じよう。
バシュッ
ギルド中庭から空に向かって垂直に飛び上がる。
顔を動かさないように気を付けながら、指示された場所にチラリと目線をやる。
(……?)
窓の中にはギルド員が1人いただけだった。
すぐに目線を戻してサーガさんを追う。
(どういうことだ?)
ギルドを出て街中を飛びながら考える。
あそこには確かにギルド員しかいなかった。
(まさか……)
雨が一層強くなって来た。
サーガさんはスピードを緩めない。
(なるほどな。だから場所を変えると言ったのか)
お読みいただきありがとうございました。
タイトルに案があればお聞かせ下さい。




