貴方
オールスター面白かったー。
また見たいです。
コトン
コーヒーカップを2つダイニングテーブルに置く。
ありがとう、そう言ってレイナはカップに口をつけた。
「で……、結局お前はワンダーフォーゲルに所属しているのか?」
「……ええ」
「いつから?」
「去年からよ」
ん?
去年からってことは……
「上級武器ギルドには何人かワンダーフォーゲル所属の者がいるわ」
俺の顔を見て何かを察したのかレイナから話始めた。
それによると銃ギルド以外にも、フレイムシャワーギルドやランチャーギルドにも所属者は紛れ込んでいるらしい。
「……何故そこまで俺に明かす?」
「貴方を迎え入れるためよ」
「……は?」
「私達は貴方を特に必要としているわ」
「……」
……直球だな。
ジンガの言ってた勧誘ってやつか。
「……本気で言ってるのか?」
「茶化さないで。大真面目よ」
「あのな、それでじゃあ入りますなんて言うわけないだろう」
「カイトくんは今の王政に不満はないの?」
「……不満?」
「光無症の対策や貴族体制とか色々あるじゃない」
コーヒーを口につける。
ブラックの苦味が口一杯に広がった。
「まぁ、そういう考えもあるのは理解できるがやり方が気に入らないな」
「気に入らない?」
「例えばさっきのハゲ……、なんて言ったかな」
「ゼウベルト?」
「そう、そいつ。アイツなんていきなり火炎放射してきやがって、あんな奴らに国を治めて欲しいなんて普通は思わないぞ」
「あれは……カイトくんの身体能力を試したのよ」
チラリと時計を見ると、針は23時を指していた。
要するにクーデターを企てている組織か。
レイナの話は間違いなく本当のことだろう。
「それにしても、仮に武力による王政打倒が上手くいったとして、その後は誰がどうやって統治するんだ?武力統治された国なんていずれ滅ぶぞ」
「それは明かせないわ。カイトくんが所属してくれるなら話は別だけど」
「じゃあ、これ以上話すことはないな。帰ってくれ」
「まだ話は終わってないわ」
食い下がるレイナ。
何故ワンダーフォーゲルが組織されたか、どういう活動をしているかなどを話始める。
だが、その言葉はあまり耳に入らなかった。
レイナが去年から所属していたという事実を聞いてから、別のことが頭に引っ掛かっていたからだ。
(……まさか、とは思うが)
「レイナ」
「何?」
「お前が俺に近付いたのもこの勧誘のためか?」
「……」
「あともう一つ気になることがある。あの審査の時、グレミオとお前の雇い主を殺したのもお前らなんじゃないか?」
そう言い終わると、レイナは数秒の沈黙の後に口角を上げた。
「……さすがね。だから貴方が欲しいのよ」
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