[第2回]ポーション買った。6階層から/剛田力一 ③
ゴーレムたちは俺を取り囲み、剣を構えている。拍子抜けかと思ったが、なかなかいいサプライズをしてくれるじゃないの。
まずは小手調べに、目の前のゴーレムに牽制を放つ。すると、連動するかのように全てのゴーレムが迎撃の姿勢をとった。
一度にこれだけの数を捌くのは少しキツイな。
近くのゴーレムの剣を躱し、盾ごとショルダーで吹き飛ばし包囲を抜ける。見た目よりも軽く吹き飛んだことから、中身はスカスカだろう。
ただそのせいか、動きが速く剣速もある。
とりあえず数を減らそうと、正面から突っ込むような素振りを見せる。しかしそれはフェイクで、端の一体に急接近。
ゴーレムは盾を構えたが、滑り込んで躱した勢いのまま足を掴み引きずり倒す。
(【硬化】)
コアの場所が分からないが、なんとなくのイメージで胸部を砕いてみると見事的中。パリッとコアの割れる音がした。
しかし、ダンジョンに吸収されると思っていたゴーレムの残骸は、あろうことか残りのゴーレムに吸収されていく。
これは面白くなりそうな予感がする。どんどん倒していこうか。
拳にスキルを発動しているため、振り下ろされた剣も素手で受け流す。剣以外の攻撃はたいして痛くもなく、被弾しながら強引に数を減らしていく。
2、3体と倒すにつれ、予想通りの展開となり歓喜する俺。
「強くなってるよなぁこれ!」
まだ一撃で胸を砕けるが、段々と鎧の強度が上がっているのを感じる。全体的に重さも速さも増し、俺好みの相手に近づいている。
"お前そんなに口角上げれたんかw"
"戦いの時だけ笑顔になるのやめろよこえーよ"
"もっと顔見せて……"
"ん?"
その後も5、6体ほど倒し、残りは3体となった。何発か当てないと倒せないほどに強度が上がっている。
─────────
名前:剛田 力一
レベル:7
体力:130/208
魔力:15/24
攻撃:57
敏捷:40
耐久:39
器用:30
知力:21
スキル:【高揚】【硬化】
─────────
最後の魔力ポーションを煽り、もう一度【硬化】を使えるようにする。
この【硬化】が続く1分のうちに倒さないとなり厳しい。
でも、だからこそ。スリルがあって楽しいんだわ。
拳を硬くし、3体のゴーレムへと突っ込む。シールドバッシュを跳躍で回避し、剣での突きを両手で挟み受け止める。
そのまま下に体重をかけると剣が折れ、武器が盾だけになる。他の2体が一斉に切りつけてくるが、折った剣を使い弾き返した。
「ぬんっ!!」
背後から剣を失ったゴーレムがシールドバッシュを仕掛けてくるが、気合いで受け止める。カウンターで胸部を滅多打ちにし、コアをむき出しにさせた。
ここで倒してしまうと残りの2体に勝てるか分からなくなるため、一旦放置しておく。
続けて、間髪入れずに残りの2体へと踏み込む。
左から迫る1体の斬撃を躱し、懐に潜り込む。肘で顔を搗ち上げ、完全に体重を乗せた一撃を打ち込む。
「あ……」
完璧な一撃を決めることはできたが、勢い余ってコアを砕いてしまった。
ゴーレムたちはそれを吸収し、どこからどう見ても重厚感が増している。
しかし、壊れかけの1体は回復することなく倒れたままだ。
「なるほど。ゴーレムを動けないようにして、まとめて倒すのが正攻法なのか」
"最初にやってれば楽だったなw"
"気づくの遅かったなーww"
おっと、そんなことを言っている場合じゃない。
すぐさまゴーレムに接近すると、より鋭く剣を振り下ろしてくる。手で受止めカウンターを放とうとするが、下から迫る拳に中断せざるを得なかった。
間一髪で躱すも、足払いをかけられ倒される。
「やっば」
そんな隙を見逃すはずもなく、ゴーレムは剣を突き刺してきた。何とか身体を捻るも、肩口に深々と刺さってしまう。
でもこれで剣を使えなくなったよな?
筋肉を肥大化させ、剣を掴む。ゴーレムが横に振り切ろうとしても、引き抜こうとしても絶対に剣を離さない。
「お前もこっちに来いよ」
ゴーレムに脚を絡ませ腕を掴むと、地面に引き倒し密着させる。
剣が刺さったままの肩で、ゴーレムの身体を地面に抑える。固定していた脚を解き、そのままマウントをとることに成功した。
いつの間にか【硬化】が切れているが、ここまで来たら関係ない。
ゴーレムはコアを守ろうと腕でガードするが、その上から無理やり殴り続ける。スキルを使っていた時のような破壊力はないが、何十発も放っているとヒビが入り始めた。
「アハハハハ───!!」
相手を無理やりねじ伏せるこの征服感が堪らなく気持ちいい。
とはいえ、楽しい時間は終わるのが早いもの。
我を忘れ殴り続けていたが、いつの間にかコアを割っていたのだろう。ゴーレムが灰になり、地面を殴りつけたことで戦闘が終わったことに気づいた。
両手の甲から止めどなく血が流れているが、幸福感に包まれているため全く痛みを感じない。
「あー、終わっちまったな」
動かない残りの1体を一瞥する。
もはや最初の姿とは別物と言えるほど重厚感のある鎧を纏っており、これと戦っていたら勝てたのか疑問に思う。
トドメを刺そうと殴りつけようとして冷静になる。拳をよく見ると一部の骨が剥き出しになっているほど傷ついている。
まずは手当てが優先だ。
回復ポーションを一気に飲み干すと、肩や拳の傷がみるみる塞がっていく。しかし低級ポーションの限界か、ある程度は治ったが完全には程遠い。
特服の裾を切り離し、怪我をした箇所に巻いていく。
「待たせたな、次が本当に最期だ」
───パキッ
剥き出しになったコアを踏み潰すと、ゴーレムの身体が崩れ魔石だけが残った。
"うおおおおおおおお!!!"
"勝ったぁぁぁ!!"
"カッコよすぎんだわ"
"もっとカメラを、こっちを向いて顔を見せてくれないか"
"ネ、ネタバレ禁止ニキ??"
"漢の中の漢だったぜー!"
「ステータス」
─────────
名前:剛田 力一
レベル:9←7
体力:68/234←68/208
魔力:3/34←3/24
攻撃:71←57
敏捷:50←40
耐久:51←39
器用:40←30
知力:27←21
スキル:【高揚】【硬化】【連撃】
─────────
戦いの成果に満足していると、部屋の中央が光り出し魔法陣が出現していた。
もう満身創痍だぜー、俺。あれで帰れるといいんだけどな。
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