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港区の狂戦士、剛田力一  作者: つなまぐろ
19/27

[第4回]行けるとこまで/剛田力一 ④

 「私はもう行くから、配信の心配はしなくていいよ」


 「そうか。本当に助かった、ありがとう」


 「どういたしまして。助けた代わりになんだけど、後で私にDMを送ってくれないかな?さっき君のSNSをフォローしたからさ」


 「分かった。配信が終わったら送る」


 俺なんかに話があるのか?


 ついでにいろいろと聞いてみようか。イレギュラーのこととか詳しいだろうし。


 "羨ましいなーニキ"

 "は?こいつしかフォローされてねぇじゃん"

 "さすが漢だ…"

 "フォロワー200万いてフォロー1です…か"

 "○ねリーゼント"


 「またね。中級の回復ポーションあげるから、生きて帰ってきてね」


 「おう、あり……」


  お礼を言う前にいなくなってしまった。もう米粒のように見えるまで離れている。


 レベルはいくつなんだろうな。


 "私の行った方向に階段があるからね"

 "よし、続き行こーや"

 "マジでネタ禁ネキやん"

 "走りながら打ってるの?"

 "もちろんだよ"


 そういえばレベルが上がってたな。下層入口の魔物は、15階層の階層主と比べて経験値はどんなもんかね。


 (ステータス)


─────────

名前:剛田 力一

レベル:17←16

体力:338/338←325/325

魔力:71/71←63/63

攻撃:121←117

敏捷:83←79

耐久:94←88

器用:66←63

知力:36←35

スキル:【高揚(ハイボルテージ)】【硬化】【連撃】【不倒】【耐久I】

─────────


 攻撃が初めて5を下回ったな。いや、数発しか攻撃してないのに4も上がったことを喜ぶべきか?


 レベルが1しか上がらなかったが、攻撃が4しか伸びなかったから逆に良かったな。


 「ネキがコメに戻ったから、視聴者がだいたい元に戻ったな。この方が身の丈にあっててやりやすいが」


 "なら身の丈にあった魔物と戦ってくださいって"

 "そのうちみんな君の虜になるよ"

 "ネキからの異常な信頼なに"

 "配信クソつまらんお前"

 "おまw"


 ちょいとだけアンチみたいな奴がいるが、実際ここからの展開は面白くないだろうな。


 強いヤツと戦うのは好きなんだが、あいにく【高揚(ハイボルテージ)】しか決め手になるスキルがない。この状態で戦うのはさすがに無謀だ。


 "ちなみに今いる階層は41階だよ。上の階層主は殺さず生かさずにしてあるから安心して通るといいよ"


 何からなにまでありがたい。何気に魔力も回復してくれているし。


 「じゃあ、俺も帰るわ。30階層より上で1度魔物と戦ってみるが、それまで1時間以上かかるだろうし配信閉じてくれていいからな」


 "ワイは見るで"

 "りょー"

 "戦闘狂がよ"




 "あぶねぇー!!"

 "階段まじでナイス!近くでよかった!"

 "ネキ!回復ポーションナイスだよマジ!"


 なんとか35階層まで登ってきたんだが、ここの階層主がしつこいのなんの。


  蔓獣(まんじゅう)と言われる蔓でできた獣なんだが、いくつもの巨大な蔓を鞭のように打ってくる。

 

 もうすぐ階段だってところで横から出てきたんだが、いきなり範囲攻撃をかましてきた。さすがの物量にすべては捌ききれず、体力が半分も削れてしまった。


 なんとか階段に辿り着いた時にはさらに半分削れていて、回復ポーションがなかったら体力がだいぶ怪しかっただろう。


 やはり範囲攻撃と魔法攻撃には弱いな。だが、今の戦い方じゃ生えてくるスキルは近接関係だろうし、どうしようもない。




 「やっと着いたぜ29階層…。ここらで一旦モブ敵と戦ってみるわ」


 "この階層でもはるか格上なの忘れてません?"

 "17レベは20階層ですら早いんだがw"

 "なんだかんだ2時間かかったね"


 とりあえずここら辺の魔物なら倒せるっていう謎の自信がある。だからここで勝って視聴者を安心させてから配信終わりにしてもいいし、良さげならレベリングをしてもいい。


 「おっ」


 少し進んだところで魔物を見つけた。


 シャドウファングと言われる虎系の魔物で、自身で作り出した魔法の影に身を潜めて攻撃してくる。


 「おー、そんな感じなのか」


 シャドウファングは影に潜ると、地面に影をいくつも作り出し俺を囲う。奴が潜った影は正面にあるが、恐らく影の中は自由に移動できるんだろう。


 「ほら来た」


 案の定、真後ろの影から飛びかかってきた。


 拳を硬化させて爪を払い除け、鼻頭を殴りつける。しかし、何かに守られているのかあまり手応えはない。


 ならばと腕を掴み地面に叩きつけるが、トプンッとそのまま影に潜ってしまった。そしてすぐさま真後ろに現れ、噛み付いてくる。


 まあ、なんだ。要は地面に触れさせなければ良いだけだ。


 踵で頭を蹴りあげると、リフティングでもするかのように空中で攻撃を加える。格上とあってさすがの耐久だったが、十数発殴ったところで力尽きた。


 "えー、29階層余裕です"

 "俺25レベなのに多分ニキに勝てない泣"

 "反応速度が異常だよな"


 数発殴ったところで壊れてしまったが、魔力の鎧のようなものを身に纏っていた。俺にもこういうのがあると便利なんだが。


 「爪は触らねぇ方が良さそうだな」


  【硬化】が終わった後の拳を見ると、切り傷ができていた。硬くした拳で爪を払い除けたが、その時に軽く切れていたようだ。


 「ここでならレベリングができそうだ」


 まあ、爪にさえ気をつければ問題ないってことだな。


 "怪我には気いつけな"

 "その階層は君の得意な魔物が多いと思うよ"


 ネキが言うならそうなんだろうな。


 さすがに複数体を同時に相手するとなると厳しいから、周囲には気をつけないといけないが。


 「じゃあ、ここで20レベまで上げて次回は20階の階層主だ。あとは永遠にシャドウファングを狩り続けるだけだから、好きに抜けてくれていいからな」


 "もう平気そうだし抜けるわー"

 "ワイは見るで"

 "私も見るよ"

 "漢を磨いてくる"

 "29階層でレベリングして20階の階層主を倒すのかw"

チャンネル登録者数:301 高評価数:520 視聴者:415



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