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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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96/101

96 リハビリ継続中

 本日は日曜日、昨日に引き続き小早川智花に来てもらった。


「ありがとうね、トモカちゃん」

「いえいえカミナさんにそう言って頂けるなんて…」


 昨日以降、カミナが女に優しくなった。

 これで俺の冤罪も消えていくかもしれない。常盤さん様様だな。


「俺もトモカって呼んでいいか?小早川は長すぎるよな」

「好きに呼んでもらって良いですよ」


 じゃあトモカ、今日も頼んだぜ。

 昨日は遠慮したのは安いうばー頼んでたな。

 寿司とか取っても良いんだぞ?


「じゃ、じゃあ、ピザ頼んでも良いですか?」

「ピザぐらいで遠慮するな。タバスコは冷蔵庫だ」

「タバスコは必要ないです。じゃがマヨコーンが好きなんで」


 俺はじゃがマヨコーンにもタバスコかけるけどな。

 普通はかけないものなのだろうか?


「俺、子供の頃から辛い物が好きでね、刺激物が好きだったから禿げたのかなぁ」

「でも今はフサフサじゃないですか」


 動画見て驚いたらしい。影山の時の動画だな。

 ちなみにヅラじゃないからね。


「GOD、そろそろ…」


 おっと、カミナに催促された。浮気は疑わなくなったけど、あまり女と長話は駄目なようだ。

 今日はどこに行く?


「島が良いかな。なかなか行けないし」


 離島か。じゃあ利尻島、礼文島、佐渡島、大島、答志島、壱峻島とあるぞ。

 淡路にも2つあるけどあそこは橋が通ってるから除外。


「潜った後昼食食べたい。どこがおすすめ?」

「じゃあ利尻かな。ラーメンが有名だ」

「…なんかいいですね。ピザが引っ込んじゃいました」


 あはは、トモカのお陰で赤子いるのに日本中飛び回れるよ。

 なんかお土産買ってくるからピザで我慢してくれ。


「向こうは寒いと思うから上着もって」

「そっか、11月の北海道だもんね」


 俺達は利尻島へと飛んだ。



 ------------------



「おお、雄大な自然だー」


 自然しかないんだけどね。離島のほとんどがそうだ。

 この時期は寒いしフェリーの欠航も増えるから、観光客も少なそうだな。


「やっぱ寒いな。早く潜ってあったかいラーメン食べよう」


 ダンジョンに潜る。今日は動きが良いな。

 昨日一日で結構勘が戻ってきたみたい。


「武器にも慣れてきたよ」

「地蔵菩薩の杖か」


 鵺のドロップ品だな。名前付きの武器。

 妊娠中にプレゼントしたけどやっと使えてうれしそうだ。


「ミオコとミヅキは鵺討伐に慣れたんでしょ?私も追いつきたい」


 そうだったな。カミナは慣れる事無く妊娠してしまった。

 リハビリ終わったらそのうちまた挑戦しよう。


「レベルは戻ってるか?」

「全然、やっぱり100だと一個も上がらないね」


 そりゃそうか、まあリハビリだしな。

 今はレベルよりも動きを戻すことを考えよう。


 その後、ダンジョンボスを難なく討伐。

 寒いので小走りでラーメン屋へ。


「昆布の旨味が強い、美味しいね」


 俺も久々に食べることが出来た。

 ああ、こんな味だったよな。なつかしい。


「美味しい、子供放ってこんなに美味しいもの食べてていいのかな?」

「罪悪感感じるからよそうぜ」


 体型を戻すためなんだから仕方がない。

 確かに一般人と同じやり方では軽すぎて戻らないんだろうな。


「今日はどうする?いったん帰るか?それともこのまま違うダンジョン行くか?」

「うーん、せっかくだから礼文にも行こうよ」


 近いから制覇しておきたいという事だろうか。

 このまま日本中の100ダンジョンを全部制覇したいとか言い出したらどうしよう。


「さすがにそこまでは…出来れば早く200にステップアップしたいし」


 全盛期に戻ることが優先か。まあ焦らず段階踏んで戻していこうぜ。



 礼文島へ来た。


「雄大な自然だー」

「さっきも聞いたぞ」


 解ってる、そう言うしかない場所なのだ。

 寒いからさっさとダンジョンの中へ。

 ダンジョンの中は一年中一定温度だから助かるよな。


「ねえ、ルシルちゃん達も夏に北海道回ったんでしょ?」

「ああ、青森まで制覇してたよ。若いって凄いよな」


 全部で58か所だ。それを夏休みでやってしまうとは。

 バイク移動も大変だったろうに、行動力では勝てないよ。


「私だって若いもん」

「解ってるよ。でも今更テレポート使わず移動する気になるか?」

「うーん、便利に慣れすぎるとそこには戻れないよね…」


 一瞬で移動できる。それは確かにすごい事だ。

 時間も節約できるし、お金も節約できる。


「でもGOD、またバイクに乗りたいんでしょ?買ったら?」

「いや、今は良いよ。せめて楓が3歳になるくらいまでは…」


 その頃俺は58歳か、乗る元気あるのかな。

 金もかかるし時間もかかる、趣味だけの乗り物。


「それよりファミリーカー買った方が良いかもな。テレポートで行ける場所ばかりでもないし」

「息子君の時はどうしてたの?」


 一台持ってたぞ。息子が大きくなって売ったけどな。

 子供が出来るとそれまで行った事のない場所へ行く事になるからな。

 そういう時ファミリーカーは便利だ。動く個室、プライベートが守られる。

 あた、余計なこと考えてたら攻撃食らっちゃった。


「カミナ、慣れてきたら俺を守りながら戦ってよ」

「ふふ、そうだね。その方がリハビリになりそう」


 俺は昨日に引き続き攻撃しないからな。

 カミナが俺を守りながらすべての敵を排除、礼文を制覇した。


「ふう、100ダンジョン二つで休憩をはさみながら5時間半か…もうちょっと早くしたいな」

「リハビリとしては長すぎるくらいだと思うが」


 こんなに動いていいものなのかな。

 まあいいや、寒いしお土産買って帰ろう。



 -------------------



「おかえりなさい」


 カミナ邸に戻ってきた。カエデは安らかな寝顔。

 何事もなく無事に過ごせているようだ。


「お土産、溶けるからここで食べて」

「アイスですか?」


 もう一度利尻まで飛んでアイスを買ってきた。

 まあ俺が食ってみたかっただけなんだけど。


「こ、昆布とウニをアイスに乗っけるんですか?」

「みたいだな。味の想像がつかん」


 食べ方があるみたいだな。

 ウニは最初にアイスと一緒に食べて、その後はよく混ぜるのか。


「ほう、ウニとアイスも悪くないな」

「混ぜると粘りが出てきましたよ?」


 トルコアイスみたいだな。

 昆布の旨味がアイスに溶け出して独特の美味しさだ。


「おもろいな、どう表現するかと言われると面白い味だ」

「ふふ、それ褒めてるんですか?」


 褒めてるよ、今まで味わったことのない味だ。

 この歳で新しい発見は貴重なんだぞ?


 トモカが12000円をGETし帰っていく。

 また頼むと思うからよろしくなー。



 翌日、今日は二人でカエデを徹底マーク、一挙手一投足に神経を張り詰める。

 後半何やってんだろという気持ちになってきた。赤ん坊だから動きは少ない。寝てる時間も多い。

 泣いてもあやすとすぐに静まる。手のかからない子みたいだな。


「GOD、お風呂準備出来たよ」


 赤ん坊を風呂に入れるのはお父さんの仕事だ。なぜかは知らないけどそうなっている。

 丁寧に丁寧に、熱くないか?どっかかゆいとこ無いですか?

 何も言ってくれないから当然解らない。赤ちゃんの動きで判断するしかない。

 入浴後は良く体をふき保湿剤とローション、クリームを塗る。


「さすがGOD、慣れてるね」

「息子の時はベビーパウダーだったんだが、今は進化してるんだな」


 息子を育ててから25年もたってる、いくつかの知識は古くなってるな。

 でもこういう過度なケアが子供を弱くさせてるって意見もあるし、本当の正解は解らない。

 実際俺が赤ん坊の事はもっと雑な扱いだったと思うんだよな。

 それでも健康に育ったぞ?ハゲはしたけどね。


 カエデが寝てるので一休み、カミナがコーヒーを淹れてくれる。

 目が離せないけど暇な時間も多い。赤ん坊の世話ってそんなものだ。夜中まで続くから大変なだけ。

 それでも俺が家にいるんだからカミナの負担は減らせる。寝不足にはさせないから安心してくれ。



 翌日


「うう、ダンジョン行きたい」

「ええ?楓の世話はどうすんだよ。今日は平日だからトモカも来れないぞ?」

「日中は一人いれば大丈夫だよ」


 まあ確かに、でもじゃあ一人でダンジョンに行くって事か?


「二日間ついてきてくれたけど、私一人じゃやっぱり心配?」

「いや、二日目の動きを見れば大丈夫だとは思うけれど…」


 100層くらいなら全然余裕だ。かすり傷を負う事も無く戻ってくるだろう。

 はあ、仕方ないな。カミナも早く体型戻したいみたいだし、行ってきていいよ。


「じゃあカエデが寝てるうちに送って、帰りは自分で戻ってくるから」


 また新しいダンジョンに行きたいらしい。どこがいいかな?


「博多ダンジョンに行くか。ここは珍しく繁華街にも近いダンジョンだ」


 なのでダンジョン以外の用事でも使えるテレポート先だ。覚えておくと便利だぞ。

 まあ100層なのでレベルの低いダンジョンになってしまうのだが。


 カミナを博多ダンジョンまで送り、すぐに戻ってくる。

 カエデは異常なし、気持ちよさそうに寝てるな。俺も眠たくなってくる。

 いかんいかん、カミナが戻ってくるまでは俺がしっかりしないと。


 二時間半でカミナが戻ってくる。顔を見るとやっぱりほっとするな。

 大丈夫だったか?危ない事はなかったか?


「大丈夫だよ。それよりGODも行ってきて。潜らないとレベル下がっちゃうんだから」


 俺にも行って来いって。まあそうなるか。

 カエデは今起きてる。優しく頭を撫でて、しばしのお別れ。



 道後へ飛ぶ、今日こそオクトレイ3回討伐試してみるか。

 おや?ブロンズダンジョンの前が賑やかだな。そういえば今混んでるんだっけ?


「100層行けたか?」

「いや、全然だめだな。死ぬそうになったから逃げてきたよ」

「あんまり動かないから逃げるのは簡単だな」

「でも一撃死したやつもいるらしいぞ?」


 がやがやしてる。ああ、こういう時はいきなり100に飛んじゃダメなんだよな。戦ってるところへかち合う危険性がある。

 99に行って様子を見ないと。


 99階層へ飛び、100層へ上る階段の前へ。

 レオンの加護があるから敵をスルー出来る。

 あらー、順番待ちがいるよ。これじゃあ連戦は出来ないな。


「何組待ってんの?」

「2組だ?ん?あんたソロかよ!」

「カミナの旦那じゃないか?俺動画で見たぞ」

「人の嫁を呼び捨てとはいい度胸だな」

「す、すみません」


 うーん、どうすっかな。

 一回討伐に1時間以上かかるし待ち時間まであるのでは…

 なにより討伐方法を見られる危険性もある。今日は諦めるか。


「しかし本当にサイコロなんて出るのかね?」

「新しいサイトだし信用できるのかな」


 半信半疑で来てるのか。まあ無理もない。


「サイコロはこれだ。ほれ」

「おお!これ本物か?」

「か、鑑定してもいいか?」


 鑑定持ちか。羨ましい。

 どうぞ、でも早くしてね。


「ほ、本当だ、特殊エリアでもレベル変動が無くなるって」

「すげえな!しかし倒すのが大変だしこれを人数分となると…」


 うーん、しばらくは混雑が続きそうな感じだ。

 あ、上からボロボロの冒険者パーティが逃げてきたな。失敗したっぽい。


「だめぇ、勝てる気しないよ~」


 うーん、諦めるのが先か。サイコロ揃えるのが先か。

 また今度来てみよう。



 奥飛騨ダンジョン前広場


「なんだ、お前らここに来てたのか」

「おじさん手伝ってー」

「赤ん坊は大丈夫なんですか?」


 道後を諦め奥飛騨の方のブロンズダンジョンに来てみたらミオコとミヅキがいた。

 潜っては見たものの、全然先へ進めずめげていたらしい。


「いいけど二時間くらいだな。あまり時間に余裕ない」


 加護全開、50の小ボスにはホゲーが効いたので難なく討伐。

 51のセーフティエリアで一休み。二時間をちょっと過ぎたな、今日はここまでだな。


「あはは、一気に50って」

「まだ出たばかりのダンジョンなので他の人は苦労してるみたいです」


 そうだろうな、一応モンスター情報はアンアンに送っておこう。

 お前達も二人で無理しちゃだめだぞ。



「おかえり」


 カミナ邸に戻ってきた。カエデに変わりはないか?

 今は寝てるね。お父さんは疲れたよ。


「ねえもう一回ダンジョン行きたいんだけど」

「なに?一日2回がノルマなのか?」


 今日はもうゆっくりできると思ってたのに。

 土日に2つずつ行ったから平日も2つ行きたいみたいだ。

 仕方ないな、どこに行きたい?


「私、山陰に行ったことない」


 山陰か、確かに行く機会が少ない場所だ。

 鳥取ダンジョン行くか?ここも繁華街からかなり近いぞ。

 全国でもかなり珍しい町中にあるダンジョンだ。

 まあ鳥取自体がかなり寂れ…げふげふ。


 鳥取ダンジョンまでカミナを送り、戻って一休み。

 カミナはテレポートポイントが増えるのも嬉しいみたいだ。

 観光にも使えるもんな。解らないでもない。

 自分の力で好きな場所へと飛べる。これほど魅力的な事はない。


 ダンジョン行きながら子供の面倒を見て順番に休む。

 しばらくはこんな感じになるのかな。

 早く大きくなってほしいな。成長が楽しみだ。

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