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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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88/103

88 再会

 日本に帰ってきた。カミナにお土産を渡しアイスランドの話をした。

 精霊手に入れたって行ったら何しに行ったの?って言われちゃった。

 外で精霊を出して見せたら喜んでたからまあいいか。

 でもまだ加護を試してないんだよね。


 カミナのお父さんのプレッシャーに負け早々に家に帰る。

 お腹また大きくなってたな。そろそろ入院だろうか。

 出産には立ち会うつもりだ。海外に行ってる間に何事も無くて良かった。


「さて、ホゲーの加護は一日三回、俺の強さによって加護の強さも変わるんだっけ?」

『その通りだぞえ』


 この巨大な体を実体化させて敵を押しつぶすんだったよな。

 どのモンスターで試してみればいいだろうか。


「押しつぶしに巻き込まれたら俺もダメージ受けるの?」

『そうだぞえ、気をつけるのだぞえ』


 よし決めた。あいつらで試してみよう。



 湯田中渋ダンジョン オンセンサルの間


 100匹のモンスターが一斉に襲い掛かってくる。

 今だホゲー、頼んだぞ。


 地中からジャンプするようにクジラ型の精霊が飛び出してくる。

 ダイナミックだな、狭いダンジョンの中ではそのすべての動きを捕らえきれない。

 体をひねりながら腹を下にし落下してくる。

 モンスターにぶつかる瞬間実体化、おっと俺も避けないと、大きすぎて凄い迫力だ。

 うおお!衝撃がすげえ!ダンジョンが揺れたぞ今。


 ホゲーが実体化を解き、発光状態に戻っていく。

 後には100匹のモンスターの亡骸が残った。


「すげえ、100匹を一瞬かよ」

『さすがは主、相性の良い敵を選んでくれたぞえ』


 でもこれ、ボス部屋でしか使えなそうだな。

 狭い場所で実体化は難しいだろう。


『雑魚の相手などしたくないぞえ』


 そうっすか、理解したよ。

 おっと、この後ボスオンセンサルが出てくるんだっけ。

 ゴリ左衛門とちぃ太とレオンの加護を使って難なく倒した。



 この後ダパンとシロトにも行ってみたけど、ボスも一撃だった。

 600階層のボスは敵ではないのか。こうなると700ボスにも試してみたいが今日はもう打ち止めだ。明日試してみるか。


「鵺は相性悪いとして後はフェンリル、クラーケン、デュラハンか」


 デュラハンも相性悪いかな。あいつは頭以外は実体無いような感じだし。

 クラーケンも水の中にいるからダメージは半減してしまいそう。

 そうなるとフェンリルで試そうかな。


「おや、小早川ちゃんからRINEだ」


 新しく攻略サイトを作ってた子だ。

 遂に攻略サイトをネットにアップしたらしい。まだ100層までだけど一応日本のすべてのダンジョンを網羅出来たとか。

 500カ所近くあるから作るの大変だったろうな。取り合えず見てみるか。


「ほう、女性受けを意識した作りだな」


 そういや冒険者特例法で冒険者に女子が増えてるんだっけ。

 ニーズに沿ったサイトにしたんだな。正しい判断だと思う。

 スマホでも見やすいな。工夫の跡が見える。後はこのサイトが人気出るかどうかだな。


 飛川さんにも連絡しておくか。育成の子達にでも宣伝して貰えばすぐに閲覧増えるだろう。

 ルシル達にも教えておこうかな。あいつらは100層までの攻略サイトなんてもう必要無いかな?

 まあこれから成長するサイトとして知っておいて損は無いだろう。

 なんなら情報提供もしてあげて欲しい。


 旧サイトの管理人、影山との裁判はいつだっけ?飛川さんに聞いておくべきことだったな。

 まあそのうち連絡くるだろう、今日は帰って休もう。



 ------------------



 翌日、那須700ダンジョンに来た。チョイスの魔法で一気にダンジョンボス部屋へ。

 唸りを上げて睨んでくるフェンリル。すぐに飛びかかって来ない用心深いやつ。


 クジラ型の精霊が地面から飛びあがる。

 フェンリルが察知し、避けようとするがデカすぎて無理、避けようがないのだ。

 ホゲーの加護の後にはダウンしたフェンリルが残った。


「倒すのは無理だけどダウンしてくれたな」

『主がもっと強くなれば倒し切れますぞえ』


 俺の強さに依存する加護か。おっと、フェンリルにトドメ刺さないと。

 ゴリ左衛門とちぃ太の加護を使って一気に削る。

 フェンリルが起き上がる前になんとか倒し切ることが出来た。


「こうなってくると800ボスも試してみたいが…」


 いや、あいつに行ってみるか。

 ダンジョンから出てすぐにテレポートで飛んだ。



「久しぶりだな」


 揺らめく7つの頭。別府第一ダンジョンボス オロチ。相変わらず手ごわそうだ。

 七つの頭がそれぞれの攻撃態勢に入る。今だ。ホゲー頼む。


 クジラに押しつぶされ、長い首が地面に打ち付けられる。

 おお!ダウンした!1000ボスにも通じるのか!


「よし!一気に攻めるぜ!」


 って、思ったんだけどね。引退中に弱くなったせいで硬くて無理だった。

 首の一つも落とせないうちにオロチ復活。こりゃ駄目だ、逃げよう。


『もう良いのかえ?』

「うん、無駄打ちさせてごめんな。今の俺では全然実力が足りなかったよ。でもオロチがダウンする事が解っただけでも収穫だ」

『今日はもう一回使えるが、他に行くかえ?』


 いや、今日はもうやめておくよ。

 この分だと900もまだ無理だろうし、次に試すとしたら800ボスだ。

 不死王は相性悪いとしてガルーダとバジリスクのどっちかに行きたい。

 明日万全の状態に戻して挑戦してみたい。


「この二つは石板出る可能性もあるんだよな」


 もう若い者達に今後を託したつもりだったけど、今は色々試したくて仕方がない。

 強すぎる精霊を手に入れ欲が出て来ている、こうなったら石板全部出すまで頑張ろうかな。


 いや、子供が産まれるんだった。忘れてた自分を自己嫌悪が襲う。

 なんで俺オロチに行ったんだ?死んでいたらどうするつもりだ。

 過ぎた力を手に入れると人間は自分を見失ってしまう、冷静さを欠いていたのかもしれない。

 少し落ち着け、挑戦するにしてももっとレベルを上げて計画を組んでからにしないと駄目だ。


「おや、ミオコ達からRINE来てるな」


 ーおじさん帰ってきたなら連絡くださいよー

 ー精霊手に入れたんだって?カミナから聞いたー


 すまん忘れていた。暇ならこれからの話をしよう。

 お土産も渡したいし、待ち合わせをして場所へ向かった。



 --------------------



「カラオケボックスか。久々に来たなぁ」

「精霊の話をすると思ったのでまわりに聞こえない方が良いかと思いまして」


 そうだな。精霊がバレると厄介だ。

 どこに狙ってる奴がいるか解らないからな。


「それよりどんな精霊なの?おじさんばっかズルいなぁ」

「不貞腐れるなよミヅキ。つかここで出しても一部しか見えないと思う」

「クジラらしいですね。姿はカミナから聞いてます」

「私が聞いてるのはどんな加護かって話で…」


 加護はこれこれこんなんだよ。

 強力だけど相性がある。まだいろいろ試してる最中だ。


「オロチをダウンさせたの?私達がいればいけそう?」

「いや、硬くて無理だろうな。3人で行っても一緒だよ。首一本も切れないと思う」

「まだまだレベルが足りませんか」


 ミヅキの場合は武器もグレードアップしないと無理だろうな。

 ミオコは一応デュランダルを持ってるけど、やっぱレベルが足りない。

 現在817の俺が最強武器使ってゴリ左衛門の加護使って駄目だったんだ。相当レベルが足りてないんだと思う。


「以前おじさんがソロで倒したときはレベルいくつでしたっけ?」

「1400で加護全開、だからソロの討伐推奨レベルは2000くらいだと思ってる」

「全然足りないね。カミナが復活して4人で行ったとしても平均レベル1100くらいは必要そう」


 そうだな、俺の見解もそんな感じだ。

 それでも確実かどうかも解らない。やっと可能性が見えてくる程度だと思う。


「まあオロチの話はいいや。フェンリルは一人で行けたぞ」

「ええ?じゃあ3人なら800のダンジョンボスも行けるんじゃ?」


 お前らのレベルはいくつだっけ?ミオコが870でミヅキが868?結構頑張ってるな。

 いや待て、元々精霊使えば余裕なんだ。

 精霊を使った攻略はレベルは上がるけど実力がつくわけではない、むしろ腕が鈍っていくから使わないようにしてたんだぞ。


「もうそんなの良いから800行きたいよ。チート使ってよ」

「もしホゲーの加護が効いたらダウンしてる敵を攻撃するだけになるんだぞ?強くなると思うか?」

「(ホゲー?)ウチはレベルが上れば何でもいいです」


 こいつらはこういうヤツだよな。

 まあでもレベルはそこそこ足りてるから挑戦する時期に来てるのかもしれない。

 俺も試したいし行ってみるか?でも加護が全く効かなかったらどうしよう。

 俺は透明化でいざとなったら逃げれるけどこいつらは逃げれるとは限らない。

 やっぱ連れてくとしたら一度試してからにしたいな。


「あと2日ほど猶予くれよ。もうちょっと精霊に慣れたい」

「仕方ないですね」


 今度の精霊は加護に巻き込まれるとこっちもダメージ受けるからな。お前達もそれは心得ておいてくれ。

 あ、ついでに新しいダンジョン攻略サイトが出来たからお前達も見ておいてくれよ。



 ---------------------



「飛川君、視察の成果はあったかね」

「他国の現状は解りました。個人的見解としてはやはり留学は反対ですね。弊害の方が多いと思います」

「だが、ちょっと困った事になってね」

「どう言う事ですか?」


 ベルギー王室の第四王女が日本に冒険者留学したいと言ってるらしい。

 王室が冒険者ですか?そんな事ありえるのだろうか。


「王位継承権からも遠い姫君らしいが、日本に行きたいと聞かないらしくてね」

「ですが王族となると何かあったら…レベルはいくつなんですか?」

「まだ冒険者を始めてもいない15歳の子らしい」


 1から日本で始めようと思ってるって事?

 そんなの誰が面倒みるのよ。警護だって必要になってくるんじゃないの?


「国としては王室との仲は深めたい」

「じゃあ受け入れるんですか?死んじゃったら国際問題になりかねませんが」

「そうならないよう考えてくれたまえ」

「え?!それ私が担当するんですか?」


 無茶ぶりじゃないの。なんで国の安請け合いを私が面倒見なくちゃいけないのよ。

 というか他の国の留学希望はどうなるの?王室でそれどころじゃ無くなったって感じだけど。


「海外のVIPを受け入れるんだ。庶民の冒険者の留学など構ってられるか」

「はあ、そりゃ重要人物の方が大事だとは思いますが」

「日本としても留学を受け入れたと面目立たないか?100人受け入れるよりも一国の王女を受け入れる方が大変だぞ?」


 まあそれは解りますが…でも投げっぱなしって言うのが引っかかる訳で。

 何かあった時の責任問題が心配な訳で。


「それでは飛川君、頼んだよ」

「は、はあ」


 うう、引き受けざるを得なかった。下っ端のつらい所ね。

 でもこれで成果を残せば出世に繋がるかな。

 総理大臣への道筋として、取り合えず経済産業大臣を目指そう。



 ------------------



 翌日とその更に翌日、奥飛騨800バジリスクと由布院800ガルーダにソロで行ってきた。

 ホゲーの加護はどちらにも効いた。だが1度の加護では倒し切れず、それぞれ3回使うことで倒すことが出来た

 もちろん他の加護も全開だ。それでも手応えとしては結構ぎりぎりだった。

 ミオコ達を連れてった場合はどうなるだろう。やっぱ他の精霊を使わないと倒せない気がする。

 でも慣れさせるために連れて行こうかな。最終的に精霊無しで倒せるようになればいいかな。

 死んだら終わりだしイージーモードから始める感じでも良いのかもしれない。



「そーゆーわけで今度からは800も織り交ぜて攻略を進めようと思う」

 ーバジリスク多めで、毒槍が欲しいー

「そうだったな。奥飛騨は近いしそれでいいよ」

 ー不死王は行かないんですか?ー


 不死王は無理だ。普通に戦うと800では一番手ごわい。

 レオンの加護とクレイヴソリッシュ、あとカミナの絶対防御がある事で安心して戦える相手だ。


「試してないけど不死王は新しい精霊の加護と相性悪そうなんだよね」

 ーそうなんですか。じゃあ仕方ないですねー

「不死王は石板出ちゃってるしな。他を攻略した方が良いだろう」

 ーおじさん、なんだかんだやる気満々だねー


 ああ、あの頃の気持ちが戻って来ているんだろうな。

 オロチを倒す事で俺の中ではやる事無くなったんだよ。続きがあるなんて思わないもの。

 それでも歳を感じ諦めてたんだけど、新しい力を手に入れてしまった。

 まだまだ俺でも先を目指せるのではないかと望みが出てきた。


「まあ産まれてくる子供優先に変わりは無いけどね」

 ーそうですか、おじさんならまだまだ上を目指せそうなのにー

 ー子供が足枷みたいな気持ちにならないの?ー

 ーミヅキ!あんたちょっと言っていい事と…ー


 気にするなミオコ、ミヅキが空気読めないのは解ってるよ。

 子供はどんなドロップにも負けない宝物なんだぞ?親にならないと気持ちは解らないと思うけどな。


 ーミヅキみたいな子に育っても愛せるんですか?ー

「うーん、微妙だなー」

 ーひどいよ。私だって良いトコあるでしょ?ー


 あるのかもな知らんけど。それは将来の伴侶に見つけて貰ってくれ。

 俺はとりあえず産まれてくる子をミヅキみたいにならないよう育てるけどさ。

 他意は無いんだ。気にするなよ。

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