表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
82/105

82 国際社会

 国会


「総理、外国人冒険者の留学要望の件ですが」

「またその話か。資源流出の可能性を考えれば受け入れて良い事など無いだろう」

「ですが、希望国がどんどん増えています。このままでは国際社会で孤立してしまいそうです」

「現在少数ではあるが外国人を受け入れているよな?少数だから管理出来る訳でこれが増えるとなると…」


 難しいに決まっている。

 文化の違う者が入ってくると犯罪も増えるし良い事などない。

 日本にメリットが無さすぎるのだ。


「友好国で品行方正な者だけでも受け入れればどうでしょうか?」

「それを判断するのも大変だぞ?」

「幻惑の魔法を使えばある程度は判別できるのでは?」

「白人は良いけどそれ以外はやめてほしい」

「あんた、それは別の意図が入ってないか?」


 がやがやがやがや。

 みんな、好き勝手な事を言っている。


「冒険者=国の戦力みたいなものだ。慎重に考えなければいけないだろう」

「近隣の国は論外だろう。自分の首を絞めるようなものだ」

「アメリカやヨーロッパなら別に良いのでは?友好的な国が多いですよ」

「アフリカは駄目か?多少の戦力アップで日本の脅威になるとは思えないが」

「南米はどうだ?治安が悪い国が多いのでやはり心配ではあるが」

「性犯罪が増えると思うぞ?日本の常識など通じない国もある」

「その通りだ。特に冒険者特例法で日本は女子の冒険者が増えているからな。ダンジョン内でも何されるか解らん」


 日本人の冒険者がそんな事をすれば極刑になる。

 外国人にもそれを当てはめる事はなかなか難しい。

 宗教、文化の違いで理解されない事が多い。


「逆に外国人冒険者に何かあれば日本が殺したとか言いかねないぞ?」

「そうだろうな。厄介事にしかならないと思うが」

「しかし、先ほども言いましたが大多数の国は日本は留学を受け入れるべきと」

「無視でいいだろ。今の日本はダンジョンのお陰で強国だぞ?もっと強気でいるべきだ」

「そうは言うけれど、日本には核が無いのでいざとなったら…」


 核か。それも無効化出来そうな方法が出てきた。

 でもまだ言える段階ではない。飛川珠希は人知れずため息をつく。


「外国人も女性だけを受け入れる事にしたらどうですか?性犯罪の心配は無くなりますよ」

「それなら確かに…だが差別だと間違いなく言われるぞ」

「世間の風潮からはかけ離れてしまいますよね」

「いや今の時代女だろうと性犯罪を犯さないとは…」

「いやそれよりも資源の流出がだな」

「受け入れはパツキン美女のみにしろ」

「あんた真面目に考えろよ」


 がやがやがやがや。

 はあ、結論出るのかしらこれ。


「確かアイスランドだけは他国の冒険者を受け入れているんですよね?」

「ああ、あの国は人口に対してダンジョンの数が多すぎるからな」

「受け入れ態勢も整っているという事ですか?もし参考になるのならそれを真似すれば…」

「EU限定で受け入れていたはずだ。宗教が一緒だから大きな混乱は無いみたいだが、参考になるのか…」


 へえ、そうなのね知らなかった。

 上手くいってるという事なのかしら?後で大使館に問い合わせてみようかな。


「ふーむ、資源を持ってきてくれる傭兵として考えれば悪くないのかもしれないが…」

「ちゃんとすべて提出しますかね?貴重な素材などは何とかして持ち帰ろうとするのでは?」

「いちいち調べるのも大変ですよ?」

「スキル書などは覚えてしまえば消滅しますし、戦力を与えるだけになってしまいますが…」

「受け入れるにしても、いろいろ制約は必要でしょうな」


 日本でしか出ない強力なスキル書もいくつかある。

 でもオークションで他国にも少なからず流出している。

 留学生が来ればスキル書が出るボスの奪い合いになるんじゃないの?

 そうなれば日本の冒険者からも間違いなく不満が出る。


「なあメリットが見いだせないんだ。受け入れるなら日本に何かしらメリットが無いといかんだろう?」

「そこは税率で何とかすればいいのでは?現状外国人は50%の税率です」

「だからまともに申告するとは限らんと…」


 がやがやがやがや。

 ああでもないこうでもない。


「紛争地域の連中でも受け入れてみろ。戦力の均衡化が崩れて日本が政治に介入したという事にもなりかねん」

「問題だらけだな。やはり留学制度など無理に決まっている」

「しかしそれでは国際社会をどう納得させるか…」

「うーん、飛川君、何か良いアイディアは無いかね」


 うわ、ここで私に来るのか。

 ある訳ないじゃないのそんなの。


「と、取り合えずアイスランドの現状を詳しく調べてみるべきでは?」

「そうだな、他国の冒険者の受け入れでは先進国だ。ヒントを貰えるだろう」

「観光がてら視察に行くか?税金じゃぶじゃぶ使って」

「あんたほんとにいい加減にしろよ」

「飛川君、元冒険者の君も来たまえ」


 そんな訳で後日政府専用機でアイスランドに行く事に決まった。

 やれやれ、おじさんも連れて行こうかしら?何か良いアイディア貰えるかも。

 カミナの出産も近いし来てくれないかもしれないわね。

 まあいい、交渉だけでもしてみよう。



 --------------------



「来月1週間くらい?でもカミナの出産も近いしなぁ」


 飛川さんから電話が来た。

 予定日は再来月だが、早産になって誕生に立ち会えないとかだと困る。


「カミナも安定してるみたいだけど、万が一って事が」

 ーいざとなったらテレポートで海外から飛ぶ許可も申請しておきますー


 そこまでしてくれるの?しかしアイスランドからテレポートか。一人なら行けるのかな。

 でも俺が行ったところでアイディアなんか出るだろうか。

 飛川さんは俺を過大評価している気がするけど。


 アイスランドは行った事無いし、行ってみたい国ではある。

 でも初産の妊婦放って海外旅行ってやっぱり抵抗あるよ。


 ー旅行ではなく視察です。国の為の任務ですよ。お間違え無くー

「じゃあ報酬も出るの?」

 ー多くは無いですが出ますよー

「うーん、まあカミナと相談してからになるかな」


 あまり前向きではないが一応検討してみるか。

 でもアイディアは期待しないでよね。

 電話を切り、すぐにカミナに相談。


 ーふうん、行って来たら?ー

「いいのか?飛川さんも結構美人だし、嫌がると思ったけど」

 ー別に二人きりで行く訳じゃないんでしょ?ー

「ああ、多分視察なんかしない奴らも遊び半分でついてくると思う」

 ー動画で顔出しもしたし、浮気しない為の決意表明だったんでしょ?ー


 もちろんそうだ。というかカミナが疑いすぎるからあそこまでやったと言うのもある。

 もうめんどいから顔出ししちゃえって、半ばヤケクソ気味だったけどな。


 ーいざとなったらテレポートで戻ってくれるなら文句はないよー

「そうか……じゃあ行ってこようかな」

 ーう、浮気だ~ー

「実は言いがかり付けたいだけなんじゃないか?」

 ーあはは、冗談だよ。お土産は買ってきてね♡ー


 やれやれ、許可が出たものの、後で攻められるような事が無ければいいが。

 女ってそういうとこあるからな。


 まあいいや、飛川さんには行くとメッセージを送っておく。

 1週間の海外出張か、直前にダンジョン潜っておかないとレベル下がるかもな。

 その辺の調整もしていかないと…



 --------------------



「ついに我々は青森を回り切ったぞー」

「既視感あるね。この展開」


 ルシル達は夏休みを2日残し、ついに一道一県を回り切った。

 現在十和田湖をバックに記念写真を撮っている。


「ではおじ様に送って勝利宣言を…」

「大丈夫?岩手行けとか言われない?」

「さすがにもう無いでしょ」


 これから八戸に行き今日はそこで泊まり、明日の新幹線で熱海に帰る予定。

 実質夏休みはもう1日しか残ってないようなものだ。


「でもやり切ったね。あたし充実感でいっぱい」

「大冒険した気分だよね。実際実りある夏休みだったよ」

「バイクの運転も慣れたっす。売らずに済みそう」

「あはは、やっぱり売ろうと思ってたんだ?」

「うん、旅行の最初の頃はずっと後悔してた」


 エレナもアメリカンを乗りこなせるようになったようだ。

 傍から見ても様になってる。初心者のぎこちなさが無くなったんだろうね。


「支出も多かったけど結局はプラスになったね」

「冒険者は良い仕事だよねぇ。バイク2台分も回収出来て大幅な黒字だったよ」

「こんだけ旅行して貯金も出来るんだからやめられないっす」


 そしてなにより良い思い出が出来た。

 恐らく一生忘れないであろう濃い夏の日々。

 これから何度も思い出して語り合う事になるだろう。


「お、おじ様から返信来たっす。八戸ではヒラメ漬け丼を絶対食えとの事っす」

「師匠の二重丸の店だね」


 6時からやってるので元々明日の朝食予定だった店だ。

 あたし達はおじさんのリストをちゃんと見てるよ。

 この旅では散々お世話になったよね。


「札幌のスープカレーは忘れられないなぁ」

「あたしは根室の旅館かなぁ」

「ウチ、函館のハンバーガー」


 どれもこれも美味しかった。次はいつ食べれるのだろうか?

 熱海に帰るのが切なくなるね。


「感傷に浸るのもいいけど、そろそろ八戸のホテルに行こうか」

「そうだね、1時間ちょっとかかるんだっけ?」

「今日は間違いなくぐっすり寝れるっす」


 エレナはいつもぐっすりだけど、あたしも今日は快眠出来そう。

 戦い終わった戦士の休息、自分で言うのもおかしいけどいたわってあげたい。

 今までの人生の中で一番頑張った1か月ちょっとだった。



 ------------------



「さて、構成はこんな感じで良いかな」


 私、小早川 智花は現在ダンジョン攻略サイトを鋭意製作中。

 大手のサイトの管理人が捕まってしまった為、それにとって代わるサイトを作ろうとしている。


「大学の夏休みはまだ1か月あるし、終わる頃には形に出来るかな」


 管理人が捕まったサイト、超攻略!ダンジョンダンジョン、略して『ダンダン』はちょっと意地悪なイメージがあったのよね。

 文章の書き方とか上からだったし鼻につく嫌な感じだった。

 あれを越えるのは難しくないだろう。


「しかし日本は本当にダンジョンの数が多いなぁ。これを全てってなると…」


 膨大な量のデータにどこから手をつければよいのやら。

 やっぱり人気のダンジョンから作っていくべき?離島とかは最後で良いよね。

 好きなダンジョンランキングとか作ろうかな。製作の優先順位も解るし一石二鳥かも。

 苦手なモンスターランキングとかも作るか、ダンダンは遊びが無かったから差別化出来て丁度良いかも知れない。

 女子の冒険者が増えてるから女子受けする見た目にした方が良いよね。

 ダンダンはちょっとホラーっぽさがあったから女子受けは悪かっただろう。

 あらためて思うけどあんなサイトが日本一になれたのはおじさんの功績が大きかったんだろうな。

 スマホで見ると見づらい作りだったし、技術も一昔前だったと言うか…


「おっと、終わったサイトの事はいいか。私は私なりのサイトを作ろう」


 サイト名は『安心安全ダンジョン攻略情報』にしよう。

 略してアンアンって呼ばれると良いな。

 ちょっとエッチな響きだし男の子受けも狙う意味での名づけ。

 似たような名前の女性誌があるし女子受けも良いと思う。

 あくまでもこっちの正式名は『安心安全ダンジョン攻略情報』ですから。

 言いがかりつけられても読者が勝手にそう呼んでいるだけで乗り切ろう。


「さて、では取り合えず初心者に人気で比較的人口の多い地域のダンジョンからマップとモンスター情報を…」


 取りあえずは100階層まで、高階層ダンジョンも100層以降は後回しで良い。

 コツコツコツコツ地道な作業、でも私、結構こういう作業好きなんだよね。

 少しずつ組みあがっていく楽しさがあるというか、地味で嫌がる人もいるだろうけど、そこは性格というか。

 内職みたいな作業が好きなんだろうね。

 時間を忘れ、夜中まで作業が続いて行く。

 気が付いたら明け方だ。頑張りすぎてしまった、寝よう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ