68 北海道上陸
朝から道後ダンジョンへやって来た。
観光客が多いな。新しく出来たタワーダンジョンも観光の一つになってるようだ。
モチロン中に入る訳では無く、ただ眺めるだけ。
頂上が見えないくらい高いので良い名物になってるみたい。
「お疲れ様です」
「飛川さん、お疲れ様」
政府の人達を見つけた。またダンジョン前にバスが並んでる。
医者やらマッサージ師やらがいるのだろう。
飛川さんに育成の女の子達を紹介される。
どうせ覚えられないから別にいいのに。
なんて訳にも行かないか。一応愛想よく対応した。
「それと、こちらが今回手伝ってくれる絶対防御持ちの綾元 結愛さんです」
えええ?す、すっごい!すっごい巨乳の女だ!
えええ?そ、それ、ホンモ…おっと、デリカシーの無い事を言うとこだった。
「あら~、よろしくお願いします~」
おっとり超巨乳のお姉さん、20代後半くらいかな?
いや見事だな。世界を取れるぜあんた。たいしたもんだよ。
『精霊持ちですね』
おおそうなのか?でも聞くのは失礼だからな。しらんぷりするよ。
いや待てよ?もし経験値アップの精霊なら困ったことになるな。
失礼だけど聞かない訳にはいかないか。
「嫌なら全然答えなくていいんだけど、経験値アップの精霊持ってる?」
「あら~持ってませんよ~?魔力アップの精霊なら持ってます~」
言っちゃう人なんだ?まあ取りあえずセーフか。
経験値アップだと育成の子達のレベルが上り過ぎちゃうからな。
「レベルは?」
「950です~」
「そんなに高いの?!」
去年のカミナより全然高い。戦力としては十分だ。
でもそこまで高いとあんまりレベル上がらないよな?
せっかく来てもらったのに恩恵を与えてあげられない。
「かまいませんよ~。今回は別府覇者さんに勉強させてもらうつもりで~」
俺の経歴聞いてたのか。でもそれは若い頃の話で今はあんまり強くないよ?
レベル950に学んでもらうような事はあるだろうか?
じゃあ早速行きますか。段取りは伝わってる?抜かりは無いらしい。
文太、すまんが初日はアイテムボックスへ。
「飛川さんもパーティに入ってよ。初日は8人パーティで行きたい」
「私もですか?」
去年は7人パーティでレベル上がりすぎちゃったからな。
今年は俺+育成5人+飛川さん+巨乳の8人で行きたい。
チョイスで運ぶの大変だけど俺も去年よりかなりレベル上がってる。余裕だろう。
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「いたた!」
「か、体がおかしい!」
「あらら、やっぱり何人かはそうなっちゃうか」
久しぶりの不死王討伐、お前もう100回以上狩られてるらしいな?
レベルいくつ上った?38か、もう一人くらい連れてくるべきだったかな。
まあいい、マッサージですぐ治るからドロップ拾ったらすぐ出よう。
文太は出てきていいよ。ありがとうな。
「綾元さんは上った?」
「あがりませんでした~」
やっぱそうなっちゃうか、ごめんね、明日以降はもうちょっと経験値あげられると思うんだけど。
初日は抑えてるから仕方ないんだよね。
「私は2つあがりました」
「飛川さんありがとう、明日から7人で大丈夫だと思う」
「…毎日手伝っても良いですけど」
レベル上がって嬉しいんでしょ?駄目駄目お金とるよ?
子供たちの育成が目的なんだから私情は挟まないでね。
「ブロンズダンジョンの方はどんな感じなの?」
「全国から高レベルが集まってますね」
へえ、何人くらい来てるの?50人?そんなに多くも無いんだね。
ブロンズダンジョンに挑戦できるレベルとなるとそんなものなのか。
「なんか目新しいアイテムとか出た?」
「未発見の盾が出ましたね」
盾か。俺は使わないけど興味はあるな。
へえ、水晶の盾?水晶なら元々この世界にもある物だし作ろうと思えば作れるんじゃ?
魔法を反射させる効果を持った特殊な盾なので真似は出来ないんだって。ふーん。
まあいいや、今日はお開きだ。また明日同じ事をやろう。
「終わりですか~?どうしましょう~」
「綾元さん、今日は物足りなかったと思うけど…」
「観光でもしましょうかね~。あの塔が面白そうです~」
「あれは高レベルダンジョンだよ?」
危なっかしい人だな。ニュース見てないのかな?
でも確かに浮世離れしてるような感じはする。
「普段はどこを潜ってるの?」
「草津です~。帝王って呼ばれてます~」
「え?あんたが草津の帝王?」
帝王っていうから男だと思ってた。
でも胸を見れば納得の帝王だ。
「なんだよ人が悪いな、もうブロンズダンジョン潜ってるんでしょ?」
「うふふ、70階層まで行ってますよ~」
「そうか、仲間は?」
「全員900越え、バハムートを何度か倒してます~」
草津のダンジョンボス、バハムート。
それを何度もか。たいしたもんだ。
「心配して損した。ブロンズダンジョン頑張って。明日も同じ時間に来てね」
「あ、あの~、一緒に潜りませんか~?」
「え?俺は自分のパーティあるし、レベル791だし」
「精霊をお持ちですよね~」
うん、不死王で透明になったの見たでしょ?
わざわざ言わないけど持ってるよ。
「透明化は仲間からも見えなくなるからパーティ向きじゃないんだよね。俺が元はソロなの知ってる?」
「知ってます~。でも他にも精霊お持ちなんじゃ~?」
「うん、どこで契約したかは言わないよ?」
「疑ってますか~?」
少し疑ってる。精霊狙いで殺されたくない。
レベル900越えのパーティと一緒に行動とか怖すぎる。
「疑うなんて悲しいです~」
「だめだめ、おっとりが豹変する予感がする」
「え~ん」
「おじさん何巨乳を泣かせてんの?」
あれ?ミオコとミヅキが来た。
今回お前達に声をかけていないんだけどな。
「冷たいですよね。ウチらはのけ者ですか」
「例によってドロップは全部俺のものだからな。お前達ももう美味しくないって言ってたじゃないか」
「それなんだけど私達ももうレベル800越えてるし、不死王と戦えないかな?」
うーん、多少は戦えるかもしれないけど、俺一人の方が早いんだよな。
お前達をフォローしながらの方が時間がかかると思う。
「あの~私を無視しないでください~」
「カミナに浮気してないか見て来いって言われたんだけどさ、女を泣かせてたって言っていい?」
駄目に決まってるだろ。本当の事だけど別の意味に捉えられる。
誘いを断ったのになんで冤罪が増えていくんだ。
「そのお姉さんの誘いにも乗りましょうよ。ウチらも銅ダンジョン潜りたいです」
どっから聞いてたんだよ。こいつらは900越えのパーティらしいぞ?
裏切られたら俺達3人でも敵わないだろ。
「精霊持ちじゃないんですか~?レベル以上の実力なのでは~?」
それはアンタもだろ。俺も律儀にそれをここでは言わないけどさ。
相手の許可なくミオコ達に言うつもりはない。
「まあまあ、ここには政府の人もいる事ですし、ウチらにだけ何かあればこの人が疑われるんじゃないですか?」
確かにそうなるかもしれない。はあ、解ったよ。
「どうせ時間あるしな、今だけ臨時の銅ダンジョン攻略パーティを組もう」
「良かった~」
綾元さんは男二人女二人の4人パーティらしい。
合計七人のパーティになるな。大所帯だ。
適当に挨拶してじゃあ潜ろうか。
「では~チョイスで70まで行きますか~?」
「いや、俺達は1階層しか潜ってないんだよね。いきなり70は困る」
チョイス持ちか。高レベルだから不思議ではない。
段階を踏みたい、50階層の小ボスの事も知りたいし。
「面倒かもしれないけど1から潜らせてくれ」
「いいですよ~」
他の人も不満は無いようだ。不思議だな。
何というか、帝王にすべて一任してるといった印象を受けた。
やっぱ怖い人なんじゃないだろうか。
「では、行きましょう~」
総勢七名の臨時パーティがブロンズダンジョンの中へ入っていく。
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「なんだよこいつ固ってえ」
50層小ボス でっかい二足歩行のサイみたいなモンスター。
「ミオコミヅキ大丈夫か?」
「うん、すぐに回復して貰えてる」
「ウチらばっか被弾してますね」
レベル差がある。それは仕方ない。
今回組んだ4人にとってはこの辺はまだ余裕があるのだろう。
「はあ、ちょっと新しい武器使うか」
「星砕き?」
いや、あれはパーティでは使いづらいんだ。
「ええ?日本刀?そんなのあるんですか?」
幻刀 森羅万象。
全ての物質、全ての現象まで切り裂けると言われている創成の刀。
「虹やオーロラまで斬れると言われてる刀だ」
「どうやって届くの?」
「そんなのあるならもっと早く使ってくださいよ」
これだって精霊と同じくらいチートみたいなもんだからね。
でも今日はすでに精霊全開だし、あんまり足引っ張っても名折れだからな。
せいっや!
「あら~強力なのが入りましたね~。一気に行きましょう~」
俺の一撃でモンスターの態勢が崩れる。
後は数の暴力で乗り切った。
「ふう、次はセーフティエリアだろ?すまないが休ませてくれ」
精霊も休ませないと、今日は酷使しすぎだ。
ああやばい、息が切れて苦しい。
「お疲れ様です~、さすがですね~」
「いや、俺達はそんなに貢献できてないって解ってるよ」
「そんな事無いですよ~」
そんな事はあるよ、ミオコとミヅキは殆ど役に立ってない。
ビキニがあるから耐えれてる、敵からすると標的が増えて的として役に立ってるくらいだ。
「一時間ほど休んで~、今日は60層くらいでやめておきますか~」
「すまないね、階層更新出来なくて」
「いえいえ、ですが明日も付き合ってくださいね~」
明日もか、まあ精霊が回復すれば役には立てそうだけど。
綾元さんも精霊酷使出来ないから少しずつしか更新出来てないのだろう。
単純に精霊の負担を減らすために俺を誘ったっぽいな。
「ミオコミヅキ、大丈夫か?」
「あー、凌辱されたよー」
「レベルは上がって嬉しいけど役に立ってる気がしない」
七等分なのにレベルは上がってるね。俺達は推奨レベルを下回ってるんだろうな。
「お二人とも、明日も頑張りましょう~」
「え?いいの?」
懐深いな。俺ならやめとけって言うけどな。
ヒーラーとして守る自信があるのだろうか。
その後、60階層まで進んで本日の探索は終わった。
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「あと1時間で着くみたいだよー」
ただいま海上、船の上。
フェリーで熱海の女の子達が寛いでいる。
18時間かかる船旅にも終わりが見えてきた。
「退屈だったー、ネットも混雑して繋がらないし」
「お昼どうする?一応船内で軽食食べれるみたいだけど」
「遅くなるけど北海道で食べようよ。師匠からもらったリストもあるし」
港のすぐそばに一軒あるみたいだね。
海鮮丼?おお、北海道っぽい。
定休日では無いけど無くなり次第終了か。お願い残っていて。
そして到着。定刻通り着いたけどバイクを下ろすまでにまた時間がかかる。
お腹空いた。お店はまだやってるだろうか?
「開いてるみたいだよ?」
「良かったー」
「ペコペコっす。ウチ一番高いのいく」
ええ?5000円だよ?でもあたしもそれで。
結局三人共一番高いのを選んだ。
北海道初の食事だし、奮発しても良いじゃないか。
「め、めっちゃウマいよ?」
「ああ北海道、これが北海道」
「う、ウチら今、北海道にいるんすね」
感動するねぇ。船から降りた時にするべきだったけど。
お腹が空いてそれどころでは無かった。
食事を終え店を出て、あたらめて北海道の空気を感じる。
ああ、あたし達は北海道まで来たんだね…
「明らかに涼しいし湿気が少ないよね」
「北海道って梅雨無いんでしょ?」
「べたべたしないって最高ー、だからバイカー多かったのか」
現在14時半、さてこれからどうするんだっけ?
「ホテルも取ってないんだよね?」
「バイクでどこまで行けるか解んないからね。大丈夫、田舎に向かうからホテル空いてないなんて事は無いと思う」
そうなのかな、フェリーに乗っていた大勢の人たちはどこへ向かうのだろう?
500人くらい乗ってたと思うけど、広大な北海道の前には微々たるものか。
「今日は富良野まで、で泊まって明日は観光かな」
「ダンジョンは?」
「時間あったら十勝岳か白金行きたいけど、ルシル、ドラマの聖地行きたいんでしょ?ラベンダー畑もおすすめらしいし」
ラベンダー畑の見頃が7月下旬までなのでこのルートにした。
取り合えず真ん中の方に行って、上の方へ行って、右の方に行って、下の方を戻ってくる感じだ。
「今日は移動だけなら下道で行かないっすか?高速は避けたいっす」
「下道で3時間か…まあいいかな」
「ホテルも今のうち決めちゃおう」
一緒の部屋にする?それともシングル三つ?
三人部屋ってなかなか無いみたいだね。
二人はあたしの前で裸になるの少し気にするよね?あたしの事何だと思ってるのかな。
勝手に富良野で評価の良さそうなツインの部屋+エキストラベッドの部屋を探す。
「あらら、カード決済のみか。こういう時カードを持てない学生は不便だね」
「ウチ家族カードなら持ってるけど」
それはお父さんの口座から引き落とされるんでしょ?
駄目だよ、あたし達は自分の稼ぎで今回の旅行を成立させないと。
仕方が無いので直接電話をかけて予約を取る。現地で現金会計だ。
「じゃあゆっくり行きますか」
苫小牧の街を出て、すぐに景色に変化が訪れる。
「わー、ずっと直線だ」
「広大な大地って感じだね」
真っすぐな道路。どこまで続いてるのか先が見えない。
本州とは規模が違う。不思議な気分だね。
「土地余ってんすかね」
「人口減ってるみたいだからね。あと高齢化が進んでるんだって」
若者は便利な場所に行ってしまうのだろう。
雪も多いだろうし大変なのかな。
「熱海に住んでると雪は羨ましいけどな」
「他所は温泉あって熱海良いなって思ってんじゃない?」
なるほど、無いものねだりって事か。
温泉なんて当たり前すぎて何の魅力も感じなくなってる。
北海道にとっては雪なんてうんざりするだけの邪魔な代物か。
4時間後
「暗くなる前に着いてよかった」
「あ!ルシルナイス!このホテル充電スポットがあるよ!」
調べてなかったけど充電設備があったみたい。
良かったね、クオンちゃん。でもやっぱり電気は旅行に不向きじゃないかな?
「夕飯どうする?」
「昼遅かったんでまだお腹空いてないっす」
あたしもだ。夕飯は軽いもので良いかな。
「じゃあ後で師匠が言ってたコンビニ行こっか」
「そこらじゅうにあるよね」
「散財してるから節約飯っすね」
なんだかんだ言ってたのにもう頼っちゃった。
この旅行で何度も頼る事になるとはこの時は思わなかった。
※未成年だけでホテルに泊まるには、親の同意書がいります。
フィクションなので大目に見てね




