58 星砕き
その後、2日間は何も起きなかった。
そして土曜日になった。
「土日は三人の行動パターンも変わってくるだろうから、また注意が必要だな」
「学校で狙われることは無くなるね。そう考えると駅利用者を警戒したらいいのかな」
熊本の子は駅を使わない。神戸の子は家まで迎えが来て日曜はいつも休むらしい。
土日は高崎の子だけ警戒すればいいと思う。
「9時頃高崎駅に着き。9時半には湯沢のダンジョンに入ってる。帰りは16時頃にダンジョンから出てきて、16時半に高崎駅だ」
「湯沢駅は人少ないよね?高崎駅を徹底マークで良いのかな」
土日の朝の駅は混んでいない。
狙うとしたら土日の夕方が注意かな。
「夕方15時ごろから高崎駅に行ってくるよ。駅前のコーヒー店で時間つぶしてくる」
本命は明日なんだけどね。
新幹線がある駅は日曜日の夕方が混みやすい。
休みにどこかに出かけて戻ってくる客でごった返す。
そして15時、高崎駅に来た。
今からカナデちゃんが帰って来て、家に戻るまでこっそり見送るか。
あーコーヒーが美味い、ずずず。
「バク子、駅に冒険者はどれくらいいる?」
『レベルの高い者は五名ほどいますね。レベルの低い者は解りません』
五人か、それくらいいても全然おかしくはない。
どこかのダンジョンの行き帰りかも知れないし、プライベートでいるのかもしれない。
そしてしばらくして…
『主、二名ほど駅の中で気配が消えました』
「え?冒険者の気配が消えたって事か?」
バク子がおかしなことを言いだした。
消えたってまた外国の任務の時みたいに透明化の精霊じゃないだろうな?
消えたあたりをバク子に誘導してもらって調べてみるか。
「障害者用のトイレだな」
『おそらくテレポートを使ったのだと思います』
テレポート…駅に来る奴がテレポートなんか使うか?現地に直接飛べばいい。
駅に出現するなら解る、ここから行ったことのない場所へ行く為だ。
「テレポートポイントを作ったんだな」
消えた謎の二人、下見に来たのかもしれない。
この後すぐ来るのは考えにくい、では決行はやはり明日か?
その後、カナデちゃんを確認してこっそり家まで見届ける。
そして東京に戻った。
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「飛川さん、高崎駅に怪しい二人組がいたんだが」
ーえ?!どういう事ですか?ー
経緯を話す。飛川さんには精霊の事話してないんだよな。
バレてる気もするけど濁して話そう。
ーなるほど、消えた二人、怪しいですねー
「監視はつけてるんでしょ?そっちで何か気づいたことはないの?」
ーレベル900越えだった元冒険者が高崎駅にいたのは確認していますー
900越え?!やばいのが出てきたな。
でも元か、更に言うならたまたまその場にいただけかもしれない。
ー自宅は千葉のはずですが、今の段階では黒とも言えませんねー
「うーん、怪しいっちゃ怪しいけど」
ーどのみちテレポートポイントがトイレならその周りを固めれば良いだけです。出てきた瞬間確保できるかとー
「いや、駅構内を下見したのなら、他にも目立たないポイント見つけてるかもしれない。絶対トイレから出てくるとは言い切れないよ」
トイレからテレポートしたのもおかしいんだよな。
下見終わったらそのまま怪しまれない方法で帰れば良い。
なぜわざわざ姿を消すようなことしたんだ?
「それに下見は二人だけど仲間連れて飛んでこないとも限らない、敵が何人か解ってない以上、油断は出来ないよ」
ーそうですね、わざと痕跡を残して高崎に目を向けさせ、他の子に行くなんてことも…ー
無いとは言い切れない。
単純に高崎を諦めて代替え案としてそうなるかもしれない。
「過激派がたくさんいるなら三人同時襲撃なんて事も…」
ーすべての可能性を考えて対応を考えますー
俺としては警戒して諦めてくれることを望みたい。
怪しいレベル900をマークすれば何か手掛かりが出てくるかもしれないし。
ーレベル900の人はまだ家に戻っていませんー
もうマークしてたのか。やるな。
今出来る事はもうないか。電話を切り休もう。
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翌日、緊張しながら朝を迎える。
いつ呼び出されてもいいよう準備してたが朝は呼び出されなかった。
ではやはり夕方か、それとも諦めたか。
後者であってほしいなぁ。
「ミオコとミヅキが来るって」
「え?」
「こんちはー」
「何か大変なことになってるみたいですね」
お前らは何しに来た?ひょっとして手伝ってくれるのか?
あんまり報酬は出せないらしいぞ。
「ウチらも育成にはお付き合いしましたよね?」
「そんなに薄情だと思ってたの?」
「カミナが呼んでくれたのか?」
「うん、人手は多い方が良いと思って」
助かるよ、本当言うと何か胸騒ぎがしてたんだ。
得体の知れない不気味さを、いつからか解らないけど感じ始めていた。
「15時になったら高崎駅に行こう」
今はただ、不安が落ち着くのを待ちたい。
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高崎駅
人の波、とめどなく輩出されていく人間の群れ。
この時間から夜にかけ、高崎駅の混雑はピークを迎える。
「飛川さん、高崎駅の警備は何人いるの?」
ー12人です。すみません、他もマークしないといけないのでそれが限界でしたー
12人か。多いのか少ないのかも正直解らない。
「バク子、今駅の中に冒険者は何人いる?」
『高レベルは21人くらいいます』
政府の警備なのか、ただの通りすがりの冒険者か、それともすでに過激派が紛れ込んでいるのか。
通り過ぎる足音の波、この中にも敵が紛れ込んでいるのではないだろうか。
「ウチらはどこで待機します?」
「中央通路だな。どこへでもカバー出来る場所にいよう」
丁度構内図があるね、ここで待とう。
あくまで自然に、俺達は親子ほど年が離れている。
お前達は長女次女な。
「エロいおっさんと金目当ての港区女子で良いんじゃない?」
「グラサンかけとけ、お前らは一応動画サイトで顔出ししてんだから」
「もう忘れ去られていますけどね」
ネットは新陳代謝が激しいよな。今はこれから守る子が人気だ。
育成の三人の中でも頭一つ抜けて人気のカナデちゃん。
「やっぱみんな処女が好きなのかな?」
「おい、デリカシーやばいなミヅキは」
「おじさんもそうなんじゃないんですか?カミナも処女だったし」
べつにそうと知ってて手を出した訳では。
そりゃ奔放な子はあまり好きでは無いけど。
「そもそもカナデちゃんだって高校生、未経験かどうかは解らんでしょ」
「セクハラですね」
「セクハラだね」
女が言うのはオッケーでおっさんが言うとセクハラですか。
平等って何だろね。住みづらい世の中だ。
「おじさんの初体験はいつだったの?」
「それはセクハラにならんのか?つかお前らに言うとカミナに耳に入る恐れがあるから言わない」
「カミナが聞くと怒るんですか?」
「解らんけど元嫁に対する嫉妬は凄いぞ」
「可愛いねカミナは。過去なんて変えられないのに」
本当にな。俺だってカミナの理想でありたいけどそうもいかない。
息子の事は今も大事だし、無かったことには出来ない。
「つかおっさんの初体験に需要は無いだろ。今はこんなだけど一応若い頃はモテたんだぞ?」
「それは解りますよ。なんせ別府覇者だし」
「カミナに出会うまで何人抱いてきたの?」
…何人だろうな、覚えてないよ。
全国を旅する中では行きずりとかもあったし。
いちいち数えてなどいないし、記憶が古すぎてよく思い出せもしない。
「ミヅキは数えてるのか?」
「セクハラ」
「もういいよ、ばかばかしい」
「あはは、50くらいだと思うけど私もはっきりしないかな」
そんなもんだ。後生大事に数えてる奴はなんなんだろうな?
数を自慢したいのかな?自慢になる事でもないんだけどな。
「50?随分増えたねミヅキ」
「ミオコは増えてないの?」
「ウチは彼氏としかしない」
「じゃあ5のままか」
「ちょっと!言わないでよ!」
居心地悪い。なんでこんな話になったんだ。
つかそろそろ集中しようぜ。人の流れがどんどん増えてきた。
旅行帰りなのかスーツケース持ってる人も多い。走る展開になったら邪魔だな。
『主、3人ほど高レベルの冒険者が現れました』
「テレポートか?どこだ?」
『バラバラです、一人はトイレ、一人はベビー休憩室、一人はコインロッカーです』
バク子が構内図をみながら教えてくれた。
分散して来たか。それぞれがレベル500以上の冒険者だという事だ。よし、すぐに動き出そう。
「トイレとベビー休憩室は近い、お前らが行ってくれ。俺はコインロッカーに行く」
「どうすればいいですか?」
「テレポートで逃げられたら意味がない。間違ってたら後で謝るで良いから取り合えず有無を言わさず拘束」
「了解、謝るのはおじさんがやってね」
コインロッカーへ走る。
ああ、意識してると解るもんだな。怪しいやつが歩いてくる。
グレーの帽子を深くかぶり、黒いマスクをした男。
俺に気づき、身構える。アイテムボックスから武器を取り出そうとした。
「ちぃ太!頼む!」
『頑張って』
武器が見えたその刹那、怪しい男の額を掴む。
そのまま後ろに思い切り引き倒した。
構内に大きな音が響き渡る。
「うぐはっ!!」
まわりが何事かと振り返る。
取り合えず幻惑の魔法をかけて無力化。
レジストされなかった。良かった。
「な、なにしてんだアンタ?」
「ああ、先日の大阪の事件知ってるだろ?こいつはその仲間だ」
「ええ?!」
まわりが騒然とする。
出来ればひと気のない場所で始末したかったが仕方ない。
「一般人はここから退避してくれ。パニック起こすなよ」
そう言い終わる前に逃げ出す一般人の方々。
訳も解らずキョトンとしてる人達もいる。
人が多すぎるよな。状況を理解しきれないだろう。
だが説明してる暇もない。夢を見させてる奴を連れ、ミオコ達の元へ。
「そっちも片付いたか」
ミオコとミヅキが一人ずつ取り押さえている。
騒ぎを聞きつけたのだろう、他の警備っぽい人達も集まってた。
「この3人が急に現れたと?」
「ああ、こっちの奴は武器を出そうとしたから間違いなく黒だ」
「マスクを外させてくれ」
警備の一人がまじまじと顔を見つめる。
知ってる奴なのかな。
「こいつも違うな」
「何がだ?」
「聞いてないか?昨日元レベル900の目撃情報があった」
聞いてる。ここにいる3人共違うのか?
まだ他に仲間がいるという事だろうか。
「どんな奴なんだ?」
「名前は六馬、色白で190近い長身の40代前半の男」
そんなに目立つ奴なのか。間違いなくここに居る3人とは違うな。
だとするとまだ危機は去っていない可能性があるのか。
「バク子、この場にいない高レベルは何人だ?」
『12名ですが、数字は絶えず変わっています』
電車に乗って、去って行ったりやって来たり。
駅から去って行ったりやって来たり。
ただでさえ出入りの激しい駅という乗降空間。この時間帯では判別難しいか。
もうこうなったら目視するしかない。
さいわい190㎝という長身、でかいやつを見つけてバク子に冒険者かどうか聞けばいい。
俺が顔知ってれば早いんだけどね。飛川さんに資料貰っとけば良かった。
実際に襲撃が起きるかどうかも半信半疑だったからな。
今は何時だ?16時20分か。あと10分でカナデちゃんがこの駅に降り立つ。
その前に終わらせたいが、そう都合よくも行かないかな。
おや、飛川さんから電話だ。
―新幹線内で六馬の目撃情報がありましたー
「え?一緒に乗り込んでるのか?」
ー警備が近づこうとしたところ、テレポートで逃げたようでー
動いてる新幹線の中から?じゃあ諦めたのかな。
警備されてることに気づいたからもう無理はしないか。
というか、カナデちゃんをマークしている警備も居たんだな。手厚いね。
ーまだ安心はできません。過激派は自爆覚悟で作戦実行しかねない者達ですー
たしかに大阪の事を考えればそうかもな。
目的さえ達成できれば自分達の思想を世の中に伝えられる。
なんならカナデちゃん以外にも被害者をたくさん作った方がニュースになる。
「おじさん?六馬ってやつはいた?」
「ミヅキとミオコか。取り押さえた奴は大丈夫なのか?」
テレポートで連れていかれたって。
ここに居てもテレポートを使われると逃げられるのでその前に監禁するらしい。
あれか、額にポタポタ水滴落としてテレポート出来なくする処置をされるのだろう。
「六馬は新幹線の中で目撃情報があったらしい」
「まだ安心できないって事ですか?」
カナデちゃんが着くまであと3分、まだ安心はできないね。
集中してくれ。六馬以外にもまだ敵はいるかもしれない。
『主、ホームの中に大きな反応が現れました』
ホームかよ!一目散に走りだす。
人混みが邪魔だ!なかなか前に進めない!
「あ!ちょっと!!」
改札を飛び越える。駅員が何か言ってるが無視だ。
何番ホームだ?14番か。邪魔だ!どいてくれ!
ー14番線に16時32分発、東京行き…
構内アナウンスが流れる。気持ちが焦る。
エスカレーターを登り切り、遠くから新幹線が近づいてくるのが見えた。
「…あいつか!!」
ホームの先で手を広げる長身の男が見える。
あ、あいつ!メテオを撃とうとしてる!
上空に大きな隕石が出来上がっていく。
あれで新幹線を攻撃する気か?いや、駅もろともか?
「やめろ!」
走りながら大声で叫ぶ。
男が振り向き、にやりと笑うのが見えた。
そして、広げていた手を下ろすのが見えた。
「発動した!ミオコ達はあいつを取り押さえてくれ!!」
「おじさんはどうするの?!」
答えてる暇は無い。ちぃ太の加護を借り走る。
ホームの屋根に飛び乗り、メテオに向かって走る。
落ちてきている。スピードを緩めホームに入ってくる新幹線に直撃コースだ。
間に合うか?アイテムボックスの中から剣を取り出す。
『星砕き』、念のために保管庫まで取りに行った俺が持ってる一番の剣。
この剣ならあるいは…名前に恥じない効果を期待したい。
新幹線にメテオが迫ってくる。
ホームの屋根から新幹線に飛び移り、メテオに向かって大きくジャンプ。
体を捻りながら下から上へ斬り上げる。
「うおおおおおお!!!」
メテオの熱が迫ってくる。
近づいただけで大火傷だ。だが構ってられない。
迫りくる巨大な隕石に星砕きでアッパーカット。
衝撃で腕がもげそうだ。熱と相まって俺の体を蝕んでくる。
「くそおおおおおお!」
割るだけじゃ駄目だ。二次被害が出てしまう。
消滅させるのが理想だが、そううまくいくだろうか?
砕け!砕け!粉々になれ!
剣を両手で持ち、さらに力を入れる。
熱い、指がちぎれそう、体が押し返されそう。
「うらあああああああああ!!」
メテオが崩れ始めた。ゴムボールが潰れるような形になる。
細かく亀裂が入り、急速に熱を失っていくように見える。
真っ赤な火の玉が黒い塊へと変わり、そして砕け散っていく。
星砕きを振りぬき、メテオを粉砕する。
細かくなったメテオの残骸があたりに降り注ぐ。
俺の体は新幹線の上に、いてっ、大きくバウンドしたが凹んでないよな?
被害はないか?パラパラと欠片が新幹線に当たる音がするが、大きなものではない。
な、なんとかなったか?
「おじさん!大丈夫ですか?」
「あ、ああ。六馬は?」
「他の冒険者が来てくれて」
拘束されたようだ。
ホームで3人に組み伏され、身動きが取れなくなっていた。
あの状態ならテレポートしても組み伏せてる冒険者を一緒に連れて行ってしまう。
無力化することが出来たか。
ヒーラーが来てくれて俺のケガを治してくれた。
服はボロボロだな。でも仕方ないか。
新幹線は止まってる。事故が起きた扱いなのか扉は開かない。
ダイヤには影響を与えてしまったか。
六馬がこちらを睨んでいる。
お前の計画は失敗だ。もう諦めろ。
「おい、なんでこんな事をした?」
「不公平だからだよ。国の為に資源を集めてるのに少しの間違いで死刑だぞ?おかしいと思わないのか?」
確かにな。罪の重さが違うのは思うところがないと言えば嘘になる。
だがそもそも犯罪を犯さなければ良いだけだ。
「俺の弟も飲み屋で殴りかかってきた奴を誤って殺してしまって死刑にされた。弟は自分を守る為に抵抗しただけなのに」
「それは…情状酌量は無かったのか?」
「なかったよ。弟も少し酒が入っていたせいでな」
酔ったうえでの過剰防衛と判断されたのか。
それが本当なら確かにやりきれないな。
でも国だって馬鹿じゃない。身内のひいき目でそう見えてるんじゃないだろうか?
「今日も女の子を守る為にたくさんの冒険者が駆り出されてる。国で育てた子は特別扱いか」
「それはさすがに逆恨みだろ。罪の無い子を狙っておいて、守ったらおかしいとか言われてもな」
「い、一億も税金をかけてもらってるじゃないか。不公平だろう」
「当然お前みたいに不公平だと言う奴は他にもいる。ネットの中じゃひどいもんだ。未成年でそれを背負ってるんだぞ?良い事ばかりじゃないんだよ」
「それでも最初から有利な立場で始められる。何の支援も無く死ぬ奴もいるのに」
「国とのしがらみもあるし幸せかどうかはまた別だと思うけどな。注目されるし羽目も外せない。常に理想を求められる」
アイドル視してる奴もいるから彼氏作るのだって色々配慮が必要になってくる。
俺は羨ましい立場だとは思わないけどな。
お前達も憤りも解るが罪の無い者を襲ったところで事態が好転するとも思えないよ。
むしろ冒険者の立場を余計悪くしてると思うぞ。
六馬が連れていかれる。こいつも極刑だろうな。
冒険者特別法か…いろいろ歪が産まれてるんだろうな。
「あの、何かあったんですか?」
新幹線のドアが開き、乗客たちが下りて来た。
皆、何が起こったかいまいち解ってないようだ。混乱が無いのは良かったけど。
その中の一人、カナデちゃんに話しかけられた。
「またテロですか?大阪の時みたいな」
「ああ、だけど未然に防ぐことが出来て良かった」
「なぜ高崎を?狙うならもっと大都市の方が効果があるような」
「……」
「それに、未然に防げたという事は、何か事前に情報があったということですか?」
カナデちゃんは鋭いな。高校生とは思えない。
でも君は知らなくていいんだ。いつもと同じ日常を過ごせばいい。
「でもまたおじさんが守ってくれたんですね。大阪の時の動画もかっこよかったです」
「大阪も動画撮ってる奴いたのか」
「海外の動画も凄かったけど今回の高崎の動画も誰か上げてくれないかな」
あらら、それだと危機一髪だったことがバレてしまうな。
SNS全盛時代、情報統制もままならない。
…カナデちゃん、自分が狙われたことに気づいちゃうかもな。
「危機は去ったけど気をつけて帰るんだぞ」
「はい、お疲れさまでした」
カナデちゃんが帰っていく。ミオコ、こっそり家まで送ってやって貰えないか?
もう過激派はいないと思うけど念の為。
俺はどうせこの後事情徴収だろうし。
その後は夜遅くまで関係機関をまわり説明に追われる。
家に戻ったら服が変わってるからカミナに浮気を疑われた。
ボロボロになったんだよね。心配するから言いたくなかったんだけどな。
「め、メテオを粉々って、そんな事が可能なの?」
「星砕きは前に見せたろ?名前に恥じない剣だったよ」
眠気が来る。今回はとんでもなく疲れた。
カミナ、まだまだ聞きたいことがあるみたいに見えるけど、話は明日にしてくれないか?
「うん、お疲れ様。とにかく無事でよかったよ」
そうだな、被害もほとんどなかったし良かったよ。
ベッドに入るとすぐに眠りに落ちた。




