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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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100/101

100 777階層

 不死王とオクトレイでカミナのレベルが798まで戻った。

 その後、混雑してる中をもう一度オクトレイを倒すことに成功し、レベル801へ。


「サイコロだ、これはカミナの分」

「こうなるとミオコ達の分も取ってあげたいね」


 今日はもうだめだよ、MPポーション何本飲んだ?

 流星群使いすぎだ。見えない疲労が溜まってると思う。

 混雑してるしまた今後にしよう。


「2回で出たのはかなり運が良い方だ。レアなアイテムなんだからな」

「はぁい」


 まあレベルも戻ったしさ、明日からはミオコ達と回ればどうだろうか?

 あいつらが一緒にいてくれるなら他でも流星群試せるだろうし。

 楓は俺に任せておけ、溺愛するから。



 --------------



 カミナ邸に戻ってきた。ベビーシッタートモカにお土産のプリンを渡す。


「わ~、嬉しいけど毎回お土産買ってきてくれなくて良いんですよ?」

「どうせ自分の分を買うからな。俺達だけ食ってるのも気まずくないか?」

「そういう理由でしたか」


 太るようならやめておくぞ?

 痩せるの大変だって知ってるからな。


「いえ、貧乏学生なのでもちろんありがたいですよ」

「攻略サイトの広告とかはまだ来ないのか?」

「少しは来てますが、安いのばっかで…」


 ダンジョン誕生から40年、すでに情報は出尽くしてるから厳しいらしい。

 新しいダンジョンは出来たけど、あんなの登るのはほんの一部だもんな。

 閲覧は増えてはいるんだけど、収入につなげるのは難しいんだとか。


「今のところ攻略サイトの収入は月3万くらいですね」

「そんなに少ないのか…もし割に合わないようならやめても良いんだぞ?」

「いえ、頑張って大きくして見せますよ」


 そうか、やる気があるのなら止めはしないけど。

 まあ少しずつでも育っていくといいな。



 --------------



「カミナさん、バナナばっかり置かないでくださいよ。エッチですね」

「トモカこそキノコばっか使ってるでしょ。大人しそうな顔して」


 楓を抱きながら考える。レースゲームだと思っていたけど違ったのかな。

 楓に見せて良いものなのだろうか。


「トモカはゲームよくやるの?」

「やりますよ。本当はRPGが好きなんですけど、弟達に付き合ってこのゲームもやってますね」


 オンラインとかでやるのかな。

 俺も息子の時の知識でモン〇ンとかは多少ならわかる。


「あれは苦手ですね、やっぱり私冒険者向いてなかったんですよ」

「ゲームは関係ないんじゃないか?」

「いえ、倒すと可哀そうになっちゃうんですよね」


 ああなるほど、それは向いてないね。

 割り切らないといつか命を落とすと思う。


「なんかおっさんでも出来そうな優しいゲームないのか?」

「恋愛シュミレーションとかどうですか?」

「カミナが怒るやつじゃないかそれ?」

「トモカめ、バナナをくらえ」

「あ!もう~」


 楽しそうにじゃれあってるわ。

 楓、ゲームは一日一時間、パパとの約束だぞ。



 -----------------



 翌日、カミナはミオコ達とダンジョン潜るようだ。

 俺はもちろん留守番、楓の相手をする。


「ミオコ、今日はどこ潜るんだ?」

「連携の確認したいから500とかですかね」


 500ならミオコミヅキ二人でもいけたはずだ。

 程よい難易度、久々だから二人も気を使ってくれてるんだな。


「それよりおじさん、オクトレイでしたっけ?に行くならウチらも連れてってくれればいいのに」

「お前らはどうせ触手に捕まるぞ?そういう役回りだし」

「どういう意味ですかそれ」

「触手なら私を満足させてくれるの?」

「こいつ何言ってんの?」

「わかりません」


 錬金術が無ければ連れて行くんだけどな。

 でも全然でないみたいだから俺も心配しすぎかな?


「二人だけいつの間にかサイコロ手に入れてるし」

「お前らがいたらもめただろうなー」

「一人いくつまで?」


 一個で十分だぞこれ。

 売る気だな、今なら高く売れる。


「カミナは新しい魔法手に入れたって言うし」

「強力な魔法だから巻き込まれないよう注意だ」

「私も毒槍手に入れてから調子いいんだよ?おじさん興味ないみたいだけど」


 毒か、オクトレイにもティラノモドキにも試してない部類の属性だな。

 効くと楽になるんだけどな。いや、オクトはともかくティラノはそれくらいじゃ…


「まあ土日は俺も行けると思うから、新しい戦力も踏まえて色々攻略しようぜ」


 カミナ達を見送り一休み、楓は寝てるな。

 外は天気が良くないな、この時期は仕方ないけど。

 楓、暖かい部屋でゆっくりしようぜ。



 -------------------



「パイセン、なんでダンジョンに来てるんすか」

「潜る訳じゃないよ、たまにはこうやって息抜きを…」


 熱海ダンジョン前広場


「勉強どうなんすか?」

「順調、場所で選んだ大学だからレベル下げ過ぎたかも」

「国立とか受けないんすか?」

「受けないよ、どこも遠いし…ねえルシルは?」

「王女様のとこ行ってるっす。あのバスがそうっすよ」

「王女様?」


 ベルギーのフィオナ王女、育成を終え、立ち回りなども勉強し、現在は熱海を中心に冒険者生活を始めている。


「近くの空きビル買い取ってベルギーの政府施設に改修したんすよ」

「え?こっちに住んでるって事?」

「家庭教師もいるみたいなんでどこに住んでも一緒みたいっす」


 知らないうちにそんな事になってるの?

 というかなんでルシルが王女と知り合いなの?


「パイセンの勉強の邪魔したくなかったんで言ってないんすけど色々あったんすよ」

「ありすぎでしょ。私がいないうちになんでそんなに楽しそうなことに」

「そっすか?悪い人達じゃないんすけど、お上品すぎてうちはちょっと苦手なんす」


 それでここにいるの?

 王族か、確かに私も緊張するかも。

 あ、ルシルがバスから出てきた。


「あれ?クオンちゃん久しぶり」

「ルシル、えーと何から聞けばいいのやら」

「ルシル、何の話だったの?」

「クリスマスパーティやるからそのお誘い、エレナも来るでしょ?」

「う、うーん、マナーとかあるんじゃ?」

「カジュアルな会らしいよ?」


 そうは言っても王族だ。

 手ぶらで行っていいの?プレゼント交換とかあるんじゃ?いくらくらいのものを選べばいいの?高すぎても張り切りすぎだし安すぎても失礼になりそう。

 うーん、考えるだけで頭痛い。


「ベルギーのマナーわかんないよ」

「ここは日本なんだしこっちのマナーで良いんじゃない?餅つきとか豆まきとかやるらしいよ」

「なんか向こうも日本に合わせようと情報が錯綜してそうだね」

「クオンちゃんも来る?」

「面白そうだけど受験生だしなぁ」


 今回はやめておくよ、でもそのうち紹介はしてね。

 じゃあ私はそろそろ帰るよ、またね。


「うー、パイセン逃げたなー」

「エレナ、普通にしてれば良いと思うよ」

「どう見ても普通のパーティじゃないでしょ」


 サンタが餅をつかされ豆を投げられる悲しいパーティが頭に浮かぶ。

 うち、どんな顔をすればいいの…


 はあ、ダンジョン潜ろうよ。現実逃避したい。

 クリスマスなんて無くなれば良いんだ。



 ---------------



 由布院ダンジョン前広場


「ついにガルーダやっつけることが出来たわね!」

「でも、ビキニアーマーは出なかったわ」


 CIAエージェント ケイトリン・リリー・フィリップスとそのパーティ。

 レベル上げに尽力し、本日ガルーダ初討伐に成功した。


「石板も出なかったわね。由布院はビキニアーマー欲しさに挑戦してる人が多いはずなんだけど」

「もう誰かが出してるんじゃないの?国に報告してないとか」

「無い話じゃないわよね」


 奥飛騨にもブロンズダンジョンが誕生してしまった。

 私も頑張っているのにどんどん状況が変化してしまう。

 このままここにいていいのかしら?


「サイコロとか流星群とか確かに気になるわよね。でも先に進むためにもビキニアーマーがあれば話は変わってくるわ」

「それは解るけど」

「どのみち手に入れるにはもっとレベルが必要だって言うわよ?焦ってもどうしようもないじゃない」

「………」


 エースが復帰してから目まぐるしく状況が動き出してる。

 絶対あの人が絡んでいるはずだわ。

 当局の警戒も真っ当なものだったのね。


 焦っても仕方が無いのは確かにその通りだ。

 レベルが一気に上がる訳ではない、どのみち地道にやるしかない。

 頭では解っているんだけど…


「明日も行くでしょ?ガルーダ討伐」

「お、やる気満々だね、ケイト」


 もっとレベルをあげなければ。

 今はただ、己を信じ邁進するしかない。



 ----------------



「おかえり、楓、ママが帰ってきたぞ~」

「良い子にしてた?」

「俺はもちろん良い子だよ」

「ふふ、パパ浮気してなかった?」

「うー」


 うーだそうだ。

 多分パパはママ一筋だよって言ってると思う。


「ほんとかな~」

「あー」

「ほんとだって言ってる」

「カエデ、小さいのに家庭を守るためにそんなウソを…」

「信じてやれよ、自分の子を」


 茶番が終わったところで風呂に入れよう。


「今日は私が入れるよ、汗かいちゃったし」

「無理してないよな?どこの500行ってきたんだ?」

「野沢だよ。あの町の雰囲気いいよね」


 野沢か、以前レベル上げにマラソンした場所、テレポートで行ける。

 東京から行くなら500は湯河原や熱海の方が近い。


「熱海は混むからね。今はベルギーの王女様がいるらしいし」


 ふーん、あの王女、今熱海にいるのか。

 湯河原は廃墟多いからな、女子にはあまり人気のない場所だ。


「ミオコは廃墟が好きみたいなんだけどね、私とミヅキはあんまり好きじゃない」

「廃墟ってはっきり好き嫌いが別れるよな」


 歴史を感じられる場所、だが同時に心霊スポットになりやすい場所。

 落書きも多く夜は治安も悪い。


「でもどこも廃墟増えてるよね。日本は大丈夫なのかな?」

「少子化進んでるからなー」


 これでも資源大国になったからまだマシらしいぞ?

 ダンジョンが誕生しなければ日本はもっと悲惨になってたとテレビで専門家が言ってた。



 楓の風呂が終わり、今は眠っている。

 ふう、しばらくはゆっくりできるかな。


「GOD、ダンジョン行って来たら?」

「今からか?」

「潜らないとレベル下がっちゃうよー」


 うーむ、ゆっくりしたい時間なのに。

 でもカミナの心配も解る、潜れるときに潜っておかなければ。


 ホゲーはまだ音沙汰無いな。

 さすがに心配だ。他の精霊たちよ。ホゲーの状況解らないか?


『ゆっくり療養中です。順調ですから安心してください』

「そうか、良かった」


 じゃあホゲー無しで行ける場所に行くか。



 ------------



 別府第一ダンジョン 777階層


 サイコロの効果を確かめるために来てみた。

 精霊無しでは厳しい階層だが俺には頼もしい精霊がまだ5体いる。


「おお、本当にレベル変動しない」


 当たり前だけど新鮮だ。じゃあ普通に戦ってみるかな。

 というか、俺はこの階層の敵を倒したことないんだよな。

 以前は接触しないで抜ける方法を選んでいた。


「他のダンジョンでも見た事のないモンスター、ひょっとしたら新しい素材もあるんじゃないか?」


 この階層の敵は武装した巨大なカバみたいな二足歩行のモンスターだ。

 目が悪い事は解ってる、結構近づいても気づかれないからね。

 ただし耳は良い、レオンの加護を使っていても近くで微かな足音がすれば気づかれる。


「密集度が高くて威圧感が凄いからみんなビビっちゃうんだろうな」


 過去にこの階層を抜けたのは俺だけらしい。

 まあそれはいい、今日はこの階層を気の済むまで探索してやるぜ。



 3時間後


「なるほど、あのカバ型モンスターはミスリルとオリハルコンを持っているんだな」


 新しい素材は無かったが、レア素材を保有してる事が解った。

 ゴーレムの素材にもなる貴重な金属。

 お前もゴーレム作れって誰かに言われてる気分になる。


 何体倒したか解らないけどミスリル3キロ、オリハルコン1キロくらい手に入った。

 かなり効率が良い、これならゴーレムに必要な重量くらいは頑張ればすぐに貯まりそう。


 ミスリルゴーレムが26キロ、オリハルコンが50キロだっけ?

 市場価格だとそれぞれ5億2千万と25億。

 こいつで集められるとしたらまたここも混雑することになりそう。


 俺は錬金術の本を持ってるわけじゃないし、ゴーレムを作る気もない。

 でも楓のボディーガードとして欲しい気もするんだよな。

 集めておいて損はないか?これからはしばらくここに来ることになりそう。

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