第47話「町蹂躙」
ズズゥゥゥゥウウン!!
地響きとともに、再召喚されたM4シャーマンが戦場と化した住宅街に現出。
ギルドマスター、Bランクパーティ、住人……そして、
「あ、あいつだぁぁぁああ!」
山賊の親分がそれを見て腰をぬかした。
「はっはっは! しばらくぶりだなぁ!」
そして、まったくの悪人の笑顔を浮かべた藤堂が、ミールと手をつないで悠々とシャーマンに乗り込んでみせた。
「ひ、ひぃぃいい! 俺は降りる!! 降りさせてもらうぜえっぇえ!」
今更ながら相手が悪かったことを思い知ったのか、逃げ惑う山賊の親分。
だが、逃がさん!!
奴が貴重な生き証人だ。
いま、カミラが城塞に山賊を討伐に言っていると聞くが、そんな雑魚より重要な奴が目の間にいる。
逃がすわけねーだろうが!
「ミール、中に入って榴弾を装填してくれ!」
「あーい!」
装填手になったミールが榴弾を装填。
ステータス画面越しで装填するよりも、視線を外さずにすむ専門要員に頼んだほうが効率がいいのだ。
「装填よーし!」
「あぃよ!」
主砲回頭!
ウィィィイイイイイイン!!
ゆっくりと動く主砲。
その正面にはギルドマスターの屋敷があり、逃げる山賊の親分の背中がある。
「な?! 何の真似だ!!」
そこにようやく正気を取り戻したギルドマスターとBランクパーティが動き出すが、もう遅い!!
とっくに照準はつけている!
「ひぃぃぃいい! 俺は雇われてただけなんだよぉぉ!」
山賊の親分が背後を振り返り命乞い。
だが、
「逃がさん!」
発射よーい!!
「な、なんだか知らんが! やれ! 奴等は二人だ!」
「「「お、おう!!」」」
住民が見守る中、ギルドマスターがシャーマンに攻撃を指示する!
だが、今更何ができる。
「こっちはシャーマンだぞ!」
FIRE!!
バクンッ!!
猛烈な発砲炎と衝撃波が、今まさに飛びかからんとしたBランクパーティを吹っ飛ばす!!
「「「ぎゃぁぁぁああ!」」」
至近距離で75mm砲の砲煙を浴びたのだ、無事でいられるはずもない。
数名は鼓膜の破裂で昏倒。
数名はまともに砲煙を浴びて大やけど。
一人、後方で指揮をしていたゴードンは衝撃は、鼻血を吹いて膝をつく。
そして────。
「ぎゃぁぁぁあああああああああああああああ!」
逃走した山賊の親分は頭上を75mm榴弾が駆け抜けていき腰を抜かしたところで、屋敷に命中!!
チュバーーーーーーーーーーーーン!!
猛烈にギルドマスターの家がぶっ飛んだ!!
それはもう、豪快に、派手に、格別に!!
「NOぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
それをみて、頭を抱えたギルドマスター。
そして、爆発した屋敷を見て住人は悲鳴を上げる!
「「「きゃぁぁぁああああああああああ!」」」
ドラゴンだー!!
化け物だあぁっぁああ!
「はっはっは……!」
あー、
やっちまった。
「初めの街くらい平穏に行きたかったんだけどなー」
そのつもりでおとなしくしていたんだけど、しょうがない。
(※注:大人しくしていたの定義は諸説あります)
逃げ惑う住民に、頭を抱えて泣き叫ぶギルドマスター。
そして、放心した山賊の親分に、ピクリともしない死屍累々のBランクパーティー。
そこに、立ちはだかるは緑の鋼鉄の鎧をまといし、ダークエルフをつれた男──藤堂誠。
「はは……」
まるで、魔王じゃねーかよ。




