第48話「市街地戦闘」
カーンカーンカーン!!
カーンカーンカーン!!
『至急、至急!』
『ギルド住宅地にてモンスター被害発生!』
『繰り返す、ギルド住宅地にてモンスター現出!』
──衛兵各隊は、完全武装の上集合されたし!!
「いくぞ! A分隊、レッツゴー!」
「レッツゴーレッツゴー!!」
わーわーわーわー!
にわかに騒がしくなった町をみて、藤堂は空を仰ぐ。
「あーもー、めちゃくちゃじゃねーか」
「め、めちゃくちゃやったのはてめぇじゃねーか!!」
的確な突っ込みをするのは、ギルドマスター。
「たすけてくだせぇ! 俺はまだ死にたくねー!」
それに救助を求めるのは、ミールちゃんに首根っこを掴まれた山賊の親分だった。
「し、知るか! あっさりと捕まりやがって──いっそ、死ね!」
「そんなぁ!」
一応の保険としてコイツを捕えておいたが、どうやら町の様子を見る限り悪党となったのは藤堂のほうらしい。
うーん、まだ住民には被害はでてないはずなんだけどなー。
空き家を壊したのはギルドマスターだし(鍵は藤堂が壊したけど)。
燃えているのは、ことの発端のギルドマスターの屋敷のみ。
……うん。藤堂さん悪くない。
「悪いわ!! 見ろ、俺の屋敷がぁぁぁああ!」
「いや、お前が悪いんだろ? 人を嵌めやがって──おまけに裏で色々やらかしているだろうが!」
「知らん! 知るか!……おぉ、衛兵隊!」
わーわーわー!
「ちっ。もう来やがった!」
ギルドマスターの言う通り、衛兵隊がわらわらと。
「み、見ろ! あれだ! あれが元凶だ!」
誰が元凶じゃ!!
「あれを退治しろー!」
言われるなり、包囲される藤堂。
町の衛兵の装備をした兵隊がひーふーみーのいっぱいいっぱい。
「な、なんだこれは!?」
「こ、これは町の外にあらわれた鉄の亀か?!」
「いや、馬車じゃないのか? これ? どうやって動いてるんだ?!」
知るか。
鉄の亀でも、馬車でもじゃねーよ。
シャーマンだっつーの!
「むぅ、まさか町中で暴れるとは────ええい、ひっとらえろ!」
「「「おう!」」」
隊長らしき命令に従い、衛兵が次々にシャーマンを包囲する。
「あーもう。死んでも知らねーぞ!」
さすがに衛兵に発砲するのははばかられる。
なので、盗賊をふん縛って戦車の中に適応に転がしておき──、
「ミール、発煙弾装填」
「あーい!」
おれは逃げる!!
「引き潰しても責任取らねーぞ!!」
シャーマン、微速前進!
「な! こ、コイツ動くぞ!」
「へ、へへ。怯えてやがるぜこいつぁよぉ!」
怯えてねーよ!
そして、お前らはこれから怯えろッ!!
「目標! 隊長の正面──」
ガコンッ!
「装填よーし!」
75mm砲に装填し、尾栓を閉塞したミールが拳で合図する。
ガッテン承知──!!
「悪いけど…………」
ウィィィィイイイン!!
「な、抵抗する気か! ええい、構わん! 切れきれぇぇ! 切ってでも、止めろぉぉ!」
そうはさせるか!
ここは────!!
「押し通る!」
FIRE
バクンッ!
ボーーーーーーーーーーン!!
「「「ぐわぁっぁあああああああ!!」」」
隊長の真正面に発煙弾が命中し、衛兵隊が怯む!
そこを一気に突っ切る藤堂。
「げほげほっ!……ほ、補給からガスマスクを」
慌ててマスクを購入し、つけると、ハッチをあけたまましっかりと進路を見定めて前進。
慌てると衛兵を轢き殺しそうだ。
「トードー次は?」
「照明弾!!」
暗くて見えねぇ!
「あーい!!」
ガコンッ!
「装填よし!」
「てぇl!!」
ボンッ!!
主砲の仰角を最大にして夜空に照明弾を打ち上げる!
その瞬間、真昼のように照らし出されるビルボアの街。
「ひゅー! こりゃ、花火だぜぇ!」
次も照明弾!!
「あーい!」
今度は真正面!!
暗がりを全部照らす!
「装填よし!」
「発射ぁ!」
ボンッ!!
今度は俯角を最大!
地面に向けて発射し、照明弾をバウンドさせる!!
「火事になったら勘弁してくれ!」
跳ねた照明弾が、マグネシウム光をまき散らし、地面の道と路地に至るまで明々と!!
これで上空から照らす照明弾が作る暗がりを払うのだ!
「よーし! 進路確認────ここは、一旦、町から逃げるぞ!!」
「はーい!」
主砲装填!
「次は演習弾!」
「あーい!」
ガコンッ!
慣れた手つきで、ミールが演習弾を装填する。
これは、ダミー弾を発射する奴だ。
命中すれば危ないが鋼鉄を貫通もしないし、爆発もしない。
かわりに──。
「目標! 町の正面の城門!」
木の扉くらいなら破れるぞ!
「うわー! なんか来たぞー!」
「衛兵隊ここに集結しろぉぉ!」
残りの衛兵が城門の守備に集まり始めた。
それを見て覚悟をきめる藤堂!!
「頼むぞ、シャーマン!!」
キュラキュラキュラキュラキュラ!!
速力最大戦速!!
「ミール! 順次装填頼む!」
「あいあーい!」
主砲用意!!
「てッ!」
バクンッ!
ぼーーん!!
「うわぁ!」
「ひ、火をふきやがった!」
衛兵隊の頭を飛び越えて、城門に命中する演習弾!
だが、一発ではさすがに破壊不可能!
「再装填!」
「かんりょー!」
いい子だ!
FIRE!
バクンッ!────……ぼんっ!
「ひぃぃ!」
「な、何か飛んできてるぞぉぉお!」
城門に穴が開いていることにようやく気付いた衛兵隊が腰を抜かす。
「どけ! 腰抜かしてると死ぬぞぉぉ!」
あと、最低3発くらいはいるか?!
間に合えよぉぉおおお!
キュラキュラキュラキュラキュラ!!
「FIRE!」
「装填よし!」
FIRE!!
FIRE!
「「ファイヤー!!」」
どっかんっ!!
ドカンドカンドカーーーーーン!!
「う、うわぁぁあ! 突っ込んでくるぞぉぉお!」
「と、止めろ!! 絶対に停めろ! ビルボア衛兵隊の意地を見せろぉぉ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
キュラキュラキュラキュラキュラ──────!!
んんんん……!
「「「「「た、退避ぃぃぃいいい」」」」」」
ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
「はっはっは! そりゃ逃げるわなぁぁあ!」
なにせこっちはシャーマンだ!
そのまま、演習弾でボロボロになった城門を突破すると町の外へを飛び出していく藤堂とミール一行なので、あった。
「あーばよ、とっつあーーーーん!」
「とっつぁーん」
わっはっはっはっは!
そうして、こうして、町で大暴れをして、脱出したのはいいが、背後の街は、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていたのは言うまでもない……。




