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桜の悩み

お父さんとお母さんが新しい部隊を成立したなんて、娘の私に一言でもよかったのに。


きっとこれもまたお父さんのいきなりだろ。昔からお父さんはいつもそうやってお母さんに迷惑かけてしまっていた。私はまだ小さい頃、お母さんに質問した事があった。どうしてそんなお父さんを選んだの?あの時未だ真世界を知ってなかった私に、お母さんはこうやって答えてくれた。


「お父さんはいつも頑張っているから、彼を支持するのは妻である私の役目だよ」


その時のお母さんは眩しすぎて、私は思わず心の中で絶対お母さんのような母親になると決めた。


しかしお父さんの偉大さを知ってしまった私には、それは叶えるはずもない夢になった。


私の感覚でこいつだ!って人はいないから。


え?剣心?幼馴染だから、相手になれるだろって?


ないないない。あいつはあくまで弟に過ぎない。だから無理。


剣輝の事に戻ろ。この子が学校でも行けない。それはこの子は祖父の剣成と同じ熾紅の瞳を持っているから。


おそらくこれも剣心が亡くなった後、マリヴィアが剣輝を放棄した原因の一つだろ。


私と剣心は遺伝子を操作されたデザイナーベビーだったの事を知ってしまったマリヴィアは自分の感情を疑い始めた。


遺伝子で一番剣心とピッタリの人だからって、赤ちゃんを育つにいい子宮を持つからって、マリヴィアと剣心が出会った。


だからマリヴィアは自分と剣心を恨んでいる、もちろん二人の子である剣輝にも恨んでいる。


それを見た私は剣成おじさんの許可を取って、剣輝の義母になった。こうしないと、剣輝は可哀想すぎるから。


そしてあの日の異変。


あの空の彼方まで伸び 続けていた光の真実を知った今、私もお父さんが新しい部隊を成立する意図を理解できないわけがない。


ただ新部隊の事を知ったのは、あの光を見た半年後の今であった。


「つまり私の推測によると、私たちはえりな教官とカミトさんが私たちを育てたように、自分の後継者を育たなければならない」


「でないとセラフィーブリンガースの戦力に大きな影響が起こすだろ」


私の家のリビングルームで私に説明してくれたのはお母さんの弟子である斎香ちゃんとお父さんの弟子のロックオンだ。


斎香は推測だと言ったけど、おそらくそれは真実だろ。だって斎香ちゃんはあの長門えりなに選ばれた後継者だよ。


今剣輝は寝ていてよかった。彼に私の実際の仕事を知らせたくない事を知っているから、斎香ちゃんは事前に私に確認してからここに来た。ロックオンと一緒にのは想像できているけど…


「今は試煉を挑戦している同士だから、そんな目で俺を見なくてもいいじゃない?」


「待って、私はまた試煉を挑戦するなんて言ってないよね」


「お前の事だから、挑戦しないわけがない」


さすが私の兄と言える人だな。


認めたくないけど、ロックオンはお父さんにとってはおそらく息子に扱っているだろ。そしてロックオンもお父さんの事を自分の父親と見ているだろ。そして私に負けたとは言えば、あの時のロックオンは本気かどうかわからない。


「これから俺たちは軍士訓練学校へ行くつもりだが、お前も来るのか?」


もちろんだと言いたいところだが、今の私には剣輝がいる。


剣心とマリヴィアが生まれた子だけど、今剣輝は私の息子だ。


まだ小学校も入ってない歳だから、今の私は斎香ちゃんたちと一緒に試煉を挑戦するなんて事ができない。


ようやく当初のお父さんの気持ちを理解できた。


そう、私は剣輝にこちらの世界を知らせたくない。


「やっぱり桜ちゃんはそう思っているよね、剣輝の事」


さすがお母さんの一番弟子、私の悩みを見抜かれた。


「でもお前がいないと、ちっとも面白くない」


「国光もいるじゃない?」


「この俺はロックオン先輩に及ばないから」


うん、多分私を勧誘するためだから、国光と妻の彩子さんもロックオンたちと一緒に来た。


「さっき聞いた通りこいつは歯応えのないやつだからうわ!」


多分無礼すぎるから、斎香ちゃんはロックオンの頭を叩いた。


グッジョブだよ、斎香ちゃん。


私は斎香ちゃんに親指を立った。


「でもロックオン先輩の話には理解できる」


私だって理解できるのよ。


お互い競い合ったから、さらなる高みへ行けた。


「桜ちゃんの本心は?できるかどうかじゃなくて、やりたいかどうかと聞いてる」


もちろんやりたいと決まっているじゃないか!


狙撃兵科の目標だけではない、理解したから憧れになったお父さんの部隊、行きたくないわけがないだろ。


「では、これから一挙両全の方法を考えよう」


だから私が悩んでるのよ!


「桜ちゃん、何を勘違いしている?私はここのみんなで一緒に考えようと言ったのよ」


え?


「でないと、俺とこいつが来る必要が無かろう」


「確かにロックオン先輩の言う通り」


ロックオンと国光まで…


「もちろん私も協力しますよ」


彩子さんありがとう。


「やっぱり一番簡単なのは、剣輝をガーディアンスの学校に入らせることだな」


「それはだめだからここでみんなと相談するじゃない?」


「しかしここから光神信使(ルーズブリュナーク)の基地までヘリを乗らないと無理だろ。普通のサラリーマンに偽装しても無理だそうだ」


「カミトさんとえりな教官は桜ちゃんに何かの方便をあげるかもしれないけど、私たちはともあれ、他の部隊から来た者がいれば、それは不公平になる」


「今のように非常勤では?」


「その前に後継者をどうやって育てるの?」


「それならこの家に一緒に住めば?」


ロックオン!まさかお前も時々いいアイデアがあるじゃない?


「でもうまく剣輝くんに黙れるのか?」


「それも桜ちゃんの試煉だね」


「みんなありがとう!」


「では軍士訓練学校へ行こうか、カミト教官のように、適当にその辺りで才能を持つやつを見つけるわけがないだろ」


それ、ロックオン、お前の事じゃないか。


「ねえ、お母さん、どこ…?」


「剣輝!起きたの?」


まさか剣輝がやって来たとは、私はすぐ彼のところへ行った。


「うん、悪い夢を見たから」


「悪い夢?」


「うん、お母さんが何処かへ行って消えた夢」


……


「大丈夫よ、お母さんはここにいるよ。明日からはちょっと用事で出かけるけど、剣輝も一緒に来る?」


「うん!」


「おい、こっちのことを知らせたくないじゃなかったのか?」


「ライラさんに頼んで、しばらくの間に幼稚園の先生に仮装してください」


「バレたらどうするのかよ」


「今はこれしかなかろう」


「まあ、お前が決めたから俺も援護するけど」


ロックオンは少しため息をした後、AIに通ってライラさんと連絡を取った。


「大教官、今大丈夫ですか?少し頼みたい事があって。はい、この前の件ですが」


しばらくの会話の後、ロックオンは私にOKのジェスチャーを出してくれた。


ありがとう。

お待たせしました。

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