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レイドの失敗

お待たせしました。

セラフィーブリンガースに来たから、間もなく一ヶ月ほどになった。


俺も来る前により、かなり強くなった気がする。雷光剣の操縦も上手くなった。


ちょっと確かめたいから、俺はロックオン先輩に演習を申し込んだ。


「もちろんそれは問題ない」


「ロックオン、それは私にやらせて頂戴」


見たことのない女性はロックオン先輩に声を掛けた。


とは言え、彼女は誰かとそっくり気がするけど。


「大丈夫か?」


「私にはちょうどいいと思うの」


「それもそうだ。では頼む」


その女性の制服は緑色、つまり彼女は俺と同じ一般兵だ。


しかしここにいる一般兵は一般なわけがない。なぜなら、ここはセラフィーブリンガースの基地だから。


「演習はお互いも雷光剣で行う」


ロックオン先輩の指示で、この演習が成立できた。そしてほら、やっぱり彼女は雷光剣の操縦資格を持っている。舐めてないでよかった。


「ちょっと待って」


「えりなさん?」


「これは通信兵科にもいい機会です。エリカさん、レイドのバックアップをお願い」


「桜ちゃんのバックアップはもちろん私が担当します」


『斎香ちゃん、久しぶりによろしく』


やっとわかった、その女性の身分。そうか、彼女は赤城教官とえりなさんの娘、あの赤城桜か。


モニターから見たロックオン先輩は俺に向いて肩を竦めた。うん、仕方ない。


『レイド!私たちも頑張ってね!』


「おう」


正直、相手はラックレッドのロックオン先輩にも勝てる桜先輩とえりなさんの後継者のポジションである斎香先輩、こちらは半端な雷光剣ドライバーと普通な通信兵科だけ、どう見ても勝算があまり高くない。しかし桜先輩は前線から離れたブランクがあるはずだ、そこを狙えばきっと!


『双方、準備』


技工兵科長の奈美さんの許可を取った後、ロックオン先輩は指示を出してくれた。


その予備の構えから見ればわかった。それは最初から射撃戦の態勢。あくまで演習だから、模擬用PAWS用拳銃なはずだけど、この伝われた恐怖さは一体…!


『では、始め!』


ロックオン先輩の指令が出した。そして俺はすぐ命中されてしまった。


そんなばかなと叫んでしまうほどの速さだ。


演習用模擬拳銃とは言え、命中されたら、機体はその反応も模擬する。つまり今の震動から見ると、俺は既に十発以上に命中された。即ちこれは実戦だったら、俺はもう死んだ。


すぐに演習終了の信号が出した。


『桜、聞こえる?』


『お母さん?じゃなくて、長門兵科長?』


『やる気があるのはいいだけど、これはあくまで訓練、その点でもう一度やり直しなさい』


『…はい』


『レイド、お前もだ。原地に止まる事じゃねえ、それはすぐ死んだぞ』


ロックオン先輩からの指摘は全くだ。


『では双方、準備』


俺はもう一度準備ラインに立った。そう言いたいけど、俺はそのまま原地にいる。


『始め!』


今度俺はすぐ移動した。それを見た桜先輩は手銃ではない、PAWS用戦闘ナイフで俺に接近戦を挑んでくれた。


『桜ちゃん、相手の足を注意して、足技が来る!』


俺の動きは斎香先輩に予測された。


『ならこれでいいんだよね』


桜先輩は俺の腰を攻めに来た。


『左太腿、損傷』


斎香先輩の話を聞いた桜先輩の瞬間の対応、俺の全ての足技は封印されてしまっただけではない、立つ事だけで精一杯。


『エリカ!』


そうだ。何か助言してくれ!俺のバックアップだろ!


『レイド…これもう射撃戦しか…』


機動性が封じられたら確かにそれしかなさそうだけど、こんな弱気なバックアップでどうするんだよ!


『これでトドメをする』


『桜ちゃん、最後まで油断しないで』


『それはもちろん』


桜先輩の言う通り、俺との距離を取った後、拳銃で俺を射撃した。


『右手、損傷。左手、損傷。頭部、機能停止。右足、機能停止』


俺のAIは損傷を連続報告してくれた。そうか、これは実力の差なのか。クソ、何かブランクがあるはずのかよ!俺のバカ。


「剣心の機体から降りなさいと言いたいけど、お父さんたちが決めた事に文句を言う立場ではないから。ならせめてあの機体に相応しくように頑張りなさい」


演習後の検討会で桜先輩は俺に声を掛けてくれた。


「…はい」


俺はそれしか返答できない。


己の弱点をそんなに容易い晒すことじゃねえってロックオン先輩から責められた。


同時にエリカは斎香先輩にたくさんの欠点を指摘してあげた。俺を指摘した後、桜先輩はえりなさんと子供の育つ方法について相談したいる。子育ちにはいろいろ大変だそうだ。


「桜に敗れたか」


赤城教官。はい、そうでした。


「そう言えば、俺が自らお前の相手をした事ないよな」


え?それはつまり…


「明日、俺が演習相手で行こう」


あ、はい。


「その前に、お父さん、私の演習相手もしてくれるんだよね」


「はいはい」


その勢いに任せた結果、あの親子二人は今すぐ演習を始めた。久しぶりに桜先輩のデータを取れるから、奈美さんも反対しなかった。


『ちょうどいい、そちらは斎香がバックアップ、俺はえりながバックアップ、いいよな』


おい、それはつまり…!


『よろしくお願いします、お父さん、お母さん』


『よろしくお願いします、赤城さん、えりな教官』


桜先輩と斎香先輩はカミト教官とえりなさんに敬礼した後、演習を始めた。


「間に合わなかったか」


時雨さん?


「俺は最初から見たかった。そしておそらくここにいる誰もだ」


時雨さんの話に従って周りを見た、確かに誰も期待しているようだ。特にロックオン先輩と後に来た国光先輩。


「桜はある意味で、最もカミトに近く人だ」


「時雨兵科長、俺は反対したいけど、桜に負けた俺にはそんな事を言えないよな」


「その点で反省しなさい、カミト直伝弟子はお前だけだろ」


「はい、反省しています」


さっきの話によると、これは才能の差ですか?


「お前に言ったはずだ。才能はロックオンの方が上だ」


それから時雨さんは俺を見てない、演習しているあの親子を見ることに専念した。


「それは、本当に何かを守りたいを見つけられたの強さだ。俺も最近ようやくそれを理解できた」


ロックオン先輩、それは斎香先輩の事だよな。


「もちろん斎香の事は言うまでもない。そしてカミト教官は俺にとっては父親と同じだから、桜も自然俺の妹だろ」


え?それは一体?


「俺はアメリカのどあるスラム出身で、両親は俺が小さい頃既に他界した。そんな俺を見つけて拾いだのはカミト教官。彼は俺に全てを教えてくれた。戦闘の方法はもちろん、人としての生き様も」


そ、そうだったのか…


「だから俺はあの二人を守らなきゃ」


今ロックオン先輩と演習したら、きっと俺の完敗だろ。そんな強い意志を感じた。


『桜ちゃん、右、左、上、射撃注意!』


『…カミト』


一つ一つ言葉が短いとは言え、たくさん言葉でバックアップした斎香先輩と比べて、えりなさんはかなり静かに、いや、むしろ一言もなかった。本当にこれは支援してるのか?


「指輪と言う絆を舐めないでね」


俺の隣、いや、時雨さんの隣にやって来た一人の女性は俺に声を掛けてくれた。


銀白色のロングヘア、とても美しい顔。そして体も…


「おい、スケベヤロ、俺の妻にそんなエロい目で見るじゃねえ」


どうやら俺の視線を塞いだのは時雨さんだった。それより、妻だと!?


「あなたはレイドさんですね、剣成さんからあなたの事を教えていただきました。初めまして、私は時雨剣成の妻のシルベリア=ヴァン=ハッサンと申しますけど、ここでの名前は時雨(しぐれ)(つぐみ)です。よろしくお願いします」


よ、よろしく…


さすが時雨さん。えりなさんは鶫さんと比べたら少し地味になるけど、優しさはえりなさんの方が上だって気がする。


「カミトさんは手加減しているんですね。それはえりなさんの指示ですか?」


「おそらくあの二人は共に桜と斎香の能力を限界まで引き出させたいようだ」


「さすが指輪の絆ですね」


「確かに」


え?一体どう言う事?


「簡単といえば、これのことだ」


時雨さんは左手の薬指を俺に見せてくれた。


そうか。そう言う事か。


「おお!」


桜先輩は赤城教官の攻撃を見事に反撃させできた。


「そんな…反応速度は前より早くなっているのはどう言う事?」


奈美さんはモニターを見て信じられない言葉を吐いた。


「おそらく守りたいものを見つけた、覚悟ができたから」


この声は…誰?


「凛、あなたも来たか」


剣成さんの話に驚いた。凛?まさかこの女性はこのセラフィーブリンガースの総隊長、大和凛か!?


十数年前全ガーディアンスを導く、勝利までたどり着いた指揮官、それは大和凛。軍士訓練学校が使用した教材も、よく彼女が指揮した戦いが書いている。今でもガーディアンスの才女と言われている。


「レイド、女だからってそんな目で見るのは極めて失礼な事だよ」


え?今なんて?


心凌さん?


「本当にスケベだね」


え?エリカ?


斎香先輩と桜先輩はよく頑張った、機体から降りたカミト教官はとても満足気分のようだ。


「お父さん、少し質問してもいい?」


「えりな教官、私もいくつか質問したいです」


「ではみんな一緒にしましょう、この演習はあなた二人だけではなく、見たみんなにもいい教材になれるよ。よく頑張ったよ、お二人」


「總、総隊長…」


凛さんからの評価、桜先輩と斎香先輩はちょっと照れになった。ちょっと可愛いと思う時、俺はエリカに連れて行かれた。


おい!


「いつからこんなスケベな奴になったの?これは私が直しないと」


「私も同意見ですから、手伝いさせてください」


「ありがとう、心凌さん」


この前は敵視していたことはまるで存在しなかった、今この二人は変なコンビを結成したのは一体…!


「彼をちゃんと教育してあげなさいね、エリカ、心凌」


凛さんまで…!


「はい!」


いつのまにか俺の前一匹のポメラニアンがいた。言語は通うはずがないけど、その顔から俺がそうなるのは当然だと感じられる。


「ヴィク、俺も桜と斎香の反省会に行くつもりが」


シンさんのペットだったか?シンさんがそうやって言った後、そのポメラニアンは喜んでシンさんの肩に登った。


「レイド、私たちの反省会も始めましょうか」


「そうですね。そろそろいきましょう」


おいおい!

赤城桜=カミトとえりなの娘、ある原因で仮離隊中。

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