レイドの冒険(その四)
まさかエリカは心凌に対して、敵対的のような目で見ている。
「私は何か怒らせる事でも?」
心凌は恐れて俺を聞かれた。いや、それは俺もさっぱりだぞ。
「エリカ、どうしたか?」
「レイドは黙って、泥棒猫は早めに排除すべきだ!」
何の話のかよ?
「おいおい、今はパーティーだぜ、そんな重い顔をするじゃねえぞ」
グッドタイミングだ、ロックオン先輩!これでエリカの顔もようやく少し緩くなった。
「その目、俺は知っている。それは女が嫉妬するの目だ」
国光先輩が何を…?
「そうか、ここで女子たちと遊ぶか、どうやら回復したようだな」
「教官!」
カミトさんがここに来て俺に声を掛けてくれた。
「赤城さん!ずっと、会いたかったんです!」
「心凌か、昨日の演出、上手になったぞ」
「赤城さんのお蔭です!赤城さんに助けられなかったら、今の私はきっと…!」
「そうか、元気してるのは何よりだ」
カミト教官は心凌の頭を撫でた。それを見たエリカはさらに緩くなった。まさか国光先輩の話が当たったのか!?
「レイド、食べたらついて来い」
「はい!」
カミトさんに放映室まで連れられた。そこでまっているのはえりなさんと斎香先輩。
え?これなに?
「適当に座ろう」
「はい」
一体何を…?
その答えはすぐ知ってしまった。放映されたのは、俺が初めて雷光剣を乗って国光先輩に敗れされた記録だ。それを見て、俺の顔が重くなった。
「なに、お前を批判するために連れて来たではない。結論から言う、お前は初起動、相手はランクレッド、こうなるのは必然」
「でも私たちはあなたの可能性を見えました」
カミトさんの話を続いたのはえりなさん。
「これから行うのは、私たち通信兵科の訓練科目の一つ、前線に対しての分析です」
更に続いたのは斎香先輩。
「ではみんな、これから五分間、レイドが改善すべき点と、そしてあなたたちの感想、書いてあげなさい」
え?
俺は後ろを見て、いつの間にか沢山の人が座っている。さっきの話から判断すれば、ここ全員、通信兵科だよな。エリカの姿も見えた。
ど言うか通信兵科はこんな事もやるのかよ?
「ではこれからは順番に上がって自分が書いた事を言ってあげなさい」
えりなさんの一言、ここの空気を重くなって来た。もちろん俺の心も重くなった。一体何か言い出されるのか?
「楽にしろよ、敵と殴り合うより、これはなにもならないはずだ」
「そ、そうですね」
全くもってカミト教官の言う通りだ。では俺は一体何かを心配しているのか?
「レイドさんの動きは初操縦にはしっかりできていると思います。記録によって、ダイヴと伝統操縦は大きく違っていますから、初操縦の時は歩くすら出来なかった人もいます、だからレイドさんの操縦センスは悪くないと判断できます。相手は最高級戦闘兵の中でも屈指の実力者、龍宝寺さんですから、敗北の結果にならのは必然だと思われていますけど、みんなさん、映像の三分五十秒からのところに注目してください、この時龍宝寺さんからの攻撃に対して、レイドさんは素晴らしい回避動作をした、全く新人に見えないと思います」
「よくこんな細いところまで気づいましたね、OK。では次のどうぞ」
どこの部隊の人とは知らないが、こんなところまで観察されたとは…通信兵科、恐るべし。
そして国光先輩はそんなに強いのかよ?
「そうでないと、俺はあいつをシンの部隊に推薦したことをしないさ」
そ、そうか。でもロックオン先輩の方が強いんですね?
「ロックオンは俺の弟子とはいえ、才能がある事は間違わないが、己を過信すぎて、よく予想外の敗北を食った。桜に負けたのは何よりの証拠だ」
桜は…教官の娘ですよね、それは才能の差ではありませんか?
「才能はロックオンの方が上だ」
え?桜先輩、強過ぎない?ところで今桜先輩は剣心先輩の息子を育ちになってと聞きました。
「あの二人は幼馴染みにして、兄妹と同じだからな」
「次、エリカさん、どうぞ」
国光先輩の妻である彩子さんの報告が終わった後、やっとエリカの番になった。
それにしても彩子さんの報告は予想以上に良かった。俺の欠点を確実指摘してくれた。全く新人を見えない。
彩子さんがえりなさんからの評価を聞いた後ほっとした顔をした。隣りのは友人かな、安心したような顔している。
「最初から結論を言わせていただきます。レイドは初操縦なのに、ランクレッドと戦うなんて、無謀すぎます!更にそのせいで落ち込んでいた、性格が直すべきと思います」
おいおい!お前がさっきの映像からそんな事を見たのかよ!?
「エリカさん、質問させていただきます。レイドとあなたは同じ部隊からの仲ですが、実際の関係は?」
さすがえりなさん、さっきのエリカの発言だけで俺とエリカの関係を推測できたようだ。
「…」
「エリカさん」
「はい、小さい頃からよく一緒に遊んでいたの…幼馴染みです」
斎香先輩がエリカを迫って来たから、エリカは小さい声で答えた。
「そうでしたのか。では、続いてください」
てっきりえりなさんは何か言うと思ったのに、まさか興味だけで質問したじゃないよな。
「どうやら良いコンピになれそうだな、お前とあのエリカは」
えええ!?カミト教官は何を!一体何をもってそんな結論を!
「初めてダイヴで機体を操縦するのせいかもしれません、レイドは下意識で伝統操縦な感覚で機体を動かすと見えます、操縦の思考を根本から直すべきと」
「確かに、これは初めてダイヴを行うPAドライバーがよくある癖です。では報告会は以上となります。明日の講座までに『伝統からダイヴに』をお題としてリポートを提出してください。疑問があればいつでも私やこちらの斎香に聞いてください」
これでようやく解放されると思う時、カミト教官はえりなさんからさっきみんなが書いたものを貰った。
「では夜間訓練に行こうか」
え?休みは?
「俺はエミリの補習教育を行ったから、お前の訓練過程を見なかった。そして状況はここに書いているとはいえ、俺はこの目で実際見る方が好き。なに、既に奈美から使用許可を取っている。それにダイヴには体力の消耗が少ないはずだ」
この人の前には、何の嘘も通用できない。だって歴戦の最高級戦闘兵と、何度でも生と死の界線を越えたガーディアンスの英雄だから。
だから俺は素直にカミト教官について、再びダイヴの模擬訓練を始まった。
お待たせしました。




