覚醒の力
「シンさん、ちょっといいでしょうか?」
「レイドか、何かあった?」
「はい、拳術ならシンさんに
問うべきってカミトさんが」
「そう言う事か」
「はい、俺に拳術の要を教えていただけないでしょうか?」
「そうなに謙遜しなくていい、同じ世界のために戦う仲間だから、もっと親しくてもいいだぞ」
「いいえ、自分の実力の無さを知ってしまいましたから」
どうやらこのレイドが教導の時と全く違う態度になった。いい子だな。
「では練習場へ行こう」
「はい」
興味があるから、僕もシンについて行こうとした。
トリーは僕を止まれたけど。
なんても興味があるのは良くない事って…
「参考になるかどうか分からねえけど、とりあえず見本をしよう」
「よろしくお願いします」
シンは木の的を適当な場所に置いて、構えた。
正拳の構え。
そしてその一撃だけで、的が細いかけらになって散らした。
「これは力ばっかりに任せる事ではないと言う事ですか?」
レイドは何か悟ったようなはっきりな顔をしていた。
「技と言いたいところが、俺も詳しい原理を知ってない」
「それでも勉強になります、ありがとうございます」
レイドはシンに敬礼したから離れた。
シンでも原理を知ってないって事は、本能的にできた事だよね。正直、これはその企業とは無関係とは思えない。
「シン兄、ここにいたんだ」
和歌奈お嬢様だ!どうやらシンを探しに来たそうだ。
「お嬢様、総隊長との会談は終わりましたんですか?」
「こっちにも異常を注意してほしいと言われただけ」
お嬢様は軽く言ったけど、それだけの事で凛から呼ばれたのは想像できない。きっともっと大事な話があったはずだ。
「わかった」
シンもきっとそう思っていたけど、お嬢様に軽く頷いただけ。
「そう言えば、奈美さんがシン兄を探しているようだよ」
「そうか、ご一緒に行きませんか?」
シンは珍しいお嬢様にそんな言葉を言い出した。
「喜んで」
お嬢様は少し嬉しそうな顔で答えた。
「格納庫をデートの場所にしないでもらえるかしら」
奈美さんが僕たちを見て、嘆いて喋った。
後で来たクロエさんと理江さんもお嬢様にシンの隣を譲った。
実の妻とはいえ、和歌奈お嬢様の方が上だそうだ。
「って、用事は?俺を探していると聞いた」
「そうそう、原型機、完成したよ」
「原型機…あれか!」
「元々お前に合わせて開発したから、テストパイロットもお前しかやれない」
「何の原型機ですか?」
和歌奈お嬢様も興味満々のようだ。おそらくそれは機体への方が薄い、シンが喜んでいるからだろ。
「シンの専用PAWSよ」
「ガーディアンスに入ったばっかりなのに専用機を開発してもらえるなんてよろしいのですか?」
和歌奈お嬢様は心配しそうな顔で奈美さんに質問した。
「伝統操作はシンにとって不向きすぎる。そしてシンのその身体能力も活用したいってみんなと相談した結果、それはシンの専用機を開発することよ」
「大変になりそう、迷惑かけてしまってごめんなさい」
お嬢様は頭を低くとした。
「聖女様、大丈夫ですよ!ここのみんなは仕事大好き馬鹿ばっかりですから、この子の性能を証明してもらえること、誰も期待しているんですよ!」
麻美さんの彼氏のグレイドだ!そう言えば彼も技工兵科だよね。
確かに誰もワクワクしているそうだ。
心の中にいる「男の子」が騒いでいると言う事か?
「それほどみんながお前を期待している事ね。頼んだぞ、シン」
奈美さんがシンの肩を軽く叩いた。
「わかった」
シンはパイロットスーツに着替えて、その機体のコックピットに入った。
ベースにしたのは雷光剣の上位機、月光剣ど言う機体のようだが、差別は全くわからない。
「月光剣は雷光剣より上級者向けの機体だ、セラフィーブリンガースの中でも俺とカミトが操縦権を持っている」
剣、剣成…!?どうしてここに?
「こんな面白そうな事、欠席するわけがないだろ、ほら」
剣成の指し方向に、カミトと凛だけでなく、桜とロックオンもやって来た。
『俺にプレジャーをかけてくれないてほしいけど』
起動する前に、シンがちょっと苦笑しているような声を出していた。
「各部、機体状況は!」
「ツイン動力源稼働中、動力輸出正常!」
「フレーム部位光子分布正常!」
「シン、今整備架を解除する、あとは頼んだぞ」
『了解した』
セラフィーブリンガースのみんなだけでなく、和歌奈お嬢様とクロエたちも現場の雰囲気に染まれてワクワクなっている。
「初起動、スタンバイ!」
「Go!」
奈美さんは指で前を指して、それは「いけ!」の信号。シンが乗った機体は動き出した。
おおおおおおおおお
予想通り良く動いているようだから、この計画を参加した技工兵科のみんなが大歓声を上げた。
「シン、お前が得意してる武術、少し試してもらいたい」
奈美さんはイヤホンとマイクに通って、シンに指令を出した。
『了解』
機体は指令通りに武術の型をしている、まるで武神がそこで立っているようだ。
『それだけで面白くなくと思わない?』
いつのまにか隣りから消えた剣成の声、それはシンの対面にある銀白色機体から出てきた。
見覚えがある、それはあの時カミトと演習したの雷光剣だ。しかしそのやる気はどうなんだよ?まさかこのまま演習をするじゃないよね!
「総隊長の権限で演習を許可する」
おい!総隊長さん!シンはまた起動試験中だぞ!
僕の心の声を注意されるはずがない。凛のその言葉が開始の信号になって、両機のPAWSは接近戦を始まった。
さすが最強と言われている剣成、速さは明らかにシンより上だ。そしてシンと違うけど、武術でシンを押し返している。
「シン、手部装備は光子グローブに展開できる、思い切りやっちまえ!」
奈美さんのテンションも高く上がってきたようだ。おい!この部隊本当に大丈夫か?
『これか?これなら!』
シンの機体の手は薄い光が包まれていた。そして、シンの動きが変わった。
近くになって思った瞬間、両機の距離は遠くなった。そう見えた瞬間、シンは剣成を接近して腹の部位に拳が命中した。
『そうか、覚醒したか』
剣成の話はどう言う意味だろ、僕にはさっぱりわからない。
「シンの体の部件が重すぎるせいで、攻撃力と防御力があっても、速さが欠かせている。ダイヴの操縦によってその重さから解放されたから、今のように剣成と対等な戦えるようになった事だ」
同じ疑問があるクロエさんと理江さんは丁度ここにいるカミトに聞いてもらった。そうか、シンの体にはそんな事があるんだ。
シンはもう一度接近戦を挑んだ、今度は頭の上から下に手の斬撃、光子グローブがあってからできる攻撃のようだ。
しかしさすが剣成ど言うべきかな?剣成は光子グローブにないところを狙って、右腕で頭の上に横になって、その力が溢れていた手の斬撃をガードできた。
そしてそのまま反撃、シンの機体の両手は固定技に固定された。
そんな事までできるの?やっぱり剣成はが凄いな。
「今よ、シン、爆熱動力炉を起動して!」
はい?
おそらくここにいる全ての人も僕と同じ顔をしているだろ。そんな凄い固定技に固定されたのに、また何か策があると言うのか?
『爆熱モード起動、エンジンオーバーヒートまで120秒』
シンのAIの声だ。
「おい、さすがにそれはダメだろ、そのネムイングセンスは」
「仮の、仮」
カミトのツッコミに慌て否定する奈美さんがいた。
同時にシンの機体のパワーが一気にアップして、剣成の固定から離脱できた。機体の性能がさらに上がったから、シンは更に積極で剣成を接近戦を攻めて行った。
無数の攻防の後、シンは構えた。
出したのはシンプルな正拳だ。
そんな簡単な攻撃、剣成に命中できるはずがないはずだ。
ほら、予想通り剣成が避けられた。
しかしカミトの目線は厳しくなった。
「まさかシンの拳をここまで再現出来たとは…」
カミトの視線の先には、剣成の雷光剣の左肩装甲。直接命中ではなかったけど、ほんの少し擦りのようだ。
その証は、その左肩装甲が割いていた。
「はいはい、そこまで、お疲れ!」
終わりと宣言したのは奈美さん、顔色は良くなさそうだ。
「予想以上のできているじゃない?」
凛は顔が良くない奈美の肩を軽く叩いて、讃えた。
「ツイン動力炉の輸出が予測以上になって、これでフレームの耐久性は考え直すべきだ…」
奈美さんが悩んでる時、シンと剣成が帰って来た。
「良くやったぞ」
「シンは格好いい!」
「お疲れ、シン兄」
「まさかここまでできると思わなかった」
「接近戦で俺から一本を取った、お前が初めてだぞ」
剣成の顔が悔しそうで、声もちょっと変わった。
「シン、お疲れ、こちらが機体を調整した後、また頼んだぞ」
奈美さんの声もちょっと渋くなって来た。
「予想以上の成果が出って来た事だけ、気にしなくていい」
カミトの一言で、この場の解散シグナルになった。
シンの実力は本当に凄い。
もしかして守護聖剣とでも戦えるかな。
「それは無理。一時優勢を取られても、聖剣の光子フィールドを突破できるはずがない。それほどの差がある。サターンの科技を舐めるなよ」
僕の考えが見抜かれたように、カミトがこっそり僕に答えてくれた。
まあ、そうだね。
お待たせしました




