新しい仲間
「ヴィクちゃん、これを見て!」
和歌奈お嬢様は僕と一緒に町を回している。
シンは長期任務に出たから、事前に僕を和歌奈お嬢様に任した。
和歌奈お嬢様は洋服屋の前で、綺麗な服を見ている。
そう言えば、今更だけど、和歌奈お嬢様は家にいる時はよく和服を着ているよね。
「お嬢様は綾崎家の一人娘、綾崎家のような名家の女が今は結婚したのも怪しくない。だからいつに来るわからないお見合いに備えて、お嬢様は家でよく和服を着ている故だ」
デゥカラガン様の説明でなんかやばい気が起こした。
「まあ、お嬢様の心は既に誰かさんに許したから、他人を受け入れることはないだろう」
えっと、デゥカラガン様、その誰かさんは誰の事ですか?
僕の疑問はデゥカラガン様にスルーされた。
「お嬢様!危ないです!」
綾崎の警備員二人は僕たちの周りにしっかり立っている、そして何かを警戒しているようだ。
デゥカラガン様も臨戦態勢に入った。まあ、どんな危険な奴でも、神龍のデゥカラガン様がいる限り、お嬢様の安全は大丈夫だろ。
六人が僕たちを包囲してしまった。
「どこの奴だ!」
「和歌奈、この俺様、あなたの未来の夫はあなたを迎えに来たぞ」
その一人たちの後ろに一人の金髪のヤンキーっぽい男が車の上に立って来た。しかしその宣言は一体?
「確かに、本流斗家の?名前は知らないんですが」
和歌奈お嬢様は冷静に言い返したけど、警備員たちの警戒は緩っていない。
「まさかこの俺様の名前を知らないと言った!」
その男は轟沈したようにダウンしていた。
「私を邪魔しないで、直ちに下がりなさい!」
うわ、今お嬢様の迫力があるすぎ!
「未来の夫に何かを言うの?あなたはきっと私の妻になるから」
うわ、さすがにこれも自惚れすぎだろ。僕はデゥカラガン様を見て、デゥカラガン様は目でお嬢様にどうするって聞いている。
しかしもしデゥカラガン様の力はここで解放すれば、きっと大変な事になるだろ。
警備員たちも先に行動しないのは、おそらくここで名家双方の衝突は良くないようだ。こちらは二人、相手は六人、こちらに不利な状況だ。
「やめとけ、彼女は困ってるでしょう?」
突然、ギターケースっぽいものを背負っている一人の男は双方の間に介入した。
身長はその本流斗の奴と同じくらいけど、華奢な本流斗と違う、腕の筋肉から見ると、相当な訓練を持つはずだ。それに彼からの匂いはどこかで…
「誰だきさまは!野郎どの、やれ!」
一般人なら構わない事か!その男の命令でそちらの警備員たちは同時にその男に掛かってきた。
「お二人!彼を助けてください!」
「これくらいは大丈夫ですよ」
あの男はこちらの援護を断ったけど、一人に素手であの本流斗家の警備員六人を全て倒した。
シンと剣成の動きが見た事あるから、それは明らかに武術の動作だとわかっている。
「ちっくしょう!覚えてやれ!」
その若い男はそれを言い残して恨んでながら離れた。
「助けてくれてありがとうございます。よかったらお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
お嬢様はその人に礼をしたから、あの男は慌ててポケットに何かを探している。
「自己紹介遅れてすみません。俺は龍宝寺国光と言います、ガーディアンス特殊陸戦部隊に編入予定の者です。あ、通信入りました、少々お待ちください」
まさか彼はガーディアンスの者だ。そして聞き捨てられない言葉を聞こえた。
「ガーディアンス特殊陸戦部隊は確かに…」
「はい、シンの部隊です」
和歌奈お嬢様の疑問にデゥカラガン様が答えた。つまりこの男はシンの仲間と言うのか?しかしなぜここに?
「失礼しました、こちらはシンさんに預けられた手紙です」
通信が終わった後、龍宝寺は手紙を警備員の一人に渡した。
「お嬢様、変なものが付いてないと思います。そして間違いなくシン様の字です」
「私に見せて」
「はい、こちらになります」
その手紙は無害と確認した後、警備員は手紙をお嬢様に渡した。
「なるほど、護衛試験ですね」
お嬢様がその手紙を読んだ後、納得したの表情を僕たちに見せた。
「はい、伝説と言える赤城さんの推薦があるとはいえ、シンさんは俺の実力を確認したい故、私はここに来ました」
あのカミトの推薦と言えば、凛はシンたちの為に狙撃兵科の人を探していると言った、それはこの龍宝寺の事か?
「そのおかげで助かりましたから、私からはシンにあなたを褒めますよ」
「それは大丈夫です、俺は最高級戦闘兵の一員ですから、実力には自信があります」
何!レッドだと!?
驚いたのは僕だけではないようだ。お嬢様やデゥカラガン様、そして真実を知っている警備員の二人も驚いた。
でもそれで納得できた。レッドなら、ただの一般警備員四人は相手になれるわけがないよね。
「それは心強いですね」
「あ、赤城さんからの通信です」
タイミングは丁度よすぎるだろ。
『無事に合流できたようだな』
「はい、赤城さん。今俺は綾崎様、デゥカラガン様、そして一匹のポメラニアンと一緒にいます」
『そのポメラニアンはシンの相棒だぞ、失礼しないように』
「あ、はい!」
ここにいないカミトに敬礼するなんて、少し滑稽だが、それもカミトの地位が高いからだろ。しかしまさか僕の事を特別強調するとは。
『和歌奈お嬢様』
「はい、なんてしょうか?」
カミトは通信の向こうからお嬢様に声を掛けた。
『国光は狙撃兵科だけど、俺たちとは少し違うから、あまり苛めないでね』
「それはどう言う?」
お嬢様は深く聞きたいつもりだけど、カミトは既に通信を切ってしまった。
本当に失礼な人だな。
「それは俺の空間認識能力はあまり優秀だと言えませんから」
龍宝寺はお嬢様の疑問な目に耐えられず、先に答えてくれた。
しかしそれはどう言う事だろ?狙撃兵科としては、空間認識能力は大切な能力ではないか?
「でもランクレッドに合格できたと言う事は、それもかなりの腕と言えますよね」
「赤城さんやスタウダマイヤさんと比べられませんけど」
「でもさっきあなたの動きを見ました、そのレッドの資格に相応しいと思いますよ。
カミトは既に人間離れたから仕方ない。ザッドでの実戦演習で見たロックオンもかなりの実力があると知っている、さすがカミトの弟子だ。
「ありがとうございます。そう言えば、綾崎様の空間認識能力は凄いって赤城さんが」
そこまで言ったのは一体どう言うつもりのかよ、カミトの奴は!
あ、いけないいけない、口調はもっと綾崎家に相応しくないと。
「これからあなたはどうします?」
「はい、シンさんの指令で綾崎様にお供します」
「わかりました。ではしばらくの護衛、頼みますよ」
「はい」
お嬢様は微笑んで龍宝寺に言ったけど、シンの時のようにではなかった。
「それは当然だろ、認めたくないが、お嬢様とあいつの絆は舐められないものだ」
おそらく余計な騒動を起こしたくないから、デゥカラガン様は直接僕の脳に話した。
突然すぎて驚いたけど。
その後も街を回し続いていた。さすがにレッド、綾崎家の警備員二人は龍宝寺からたくさん勉強できたようだ。
「シン様のやり方は一般人ができるわけがありませんから」
でも龍宝寺はレッドだぞ?
「それでも化け物ほどのシン様より一般人の私たちに近いますから」
お嬢様も同じ疑問があったようだから、警備員たちはそうやって答えた。
「俺がしたのはあくまで普通に過ぎない現場と周りの検査だけですけど」
「助けてください!」
少し遠いところ、たくさんの男は一人の女の子を追いかけている。
「お嬢様!どうかお帰ってください!」
そちらの双方の会話はなんか変の気がしているけど。
「龍宝寺さん、少し状況を見に行ってください」
「はい!」
本流斗の時のように、龍宝寺は風のように女の子と男たちの間に介入した。その行為は男たちに怒られたかもしれない、男全員は問答無用龍宝寺に攻撃をかかってきた。
そして龍宝寺はまさに無双と言えるほどの動きで男達全員を倒した。狙撃の実力はまだわからないけど、素手格闘の実力はさすがガーディアンスのレッドに相応しい。
こんな大きな騒動を起こしてしまったせいで、これは警察が出てこないわけがないから、今三人の警察官は龍宝寺とその女の子を包囲してしまって調査しているようだ。
しかし警察官たちは和歌奈お嬢様を見た後、すぐ調査を終わって離れた。
「さすが綾崎様、助かります」
「大丈夫ですか?」
和歌奈お嬢様は床に座ってしまった女の子を手で引き上げた。
「はい、大丈夫です、助けていただいたありがとうございます」
「私は綾崎和歌奈、こちらは龍宝寺国光、よろしければあなたの目的地まで送りましょうか?」
「あ、はい、私は桜翔彩子と言います、よろしくお願いします」
桜翔?偶然か?まさか。
「そう言えばお二人は恋人ですか?」
しばらく一緒に街を回した後、桜翔さんはお嬢様に質問した。しかしどうやってそう見えるのかよ?
「違いますよ」
「私はただの護衛です、そんな僭越な事は」
お嬢様の即答と共に、龍宝寺も一歩下がってそんな関係ではないと示してくれた。
「では龍宝寺さん、私はそろそろ帰らないと、これから私一人でも大丈夫ですから、桜翔さんの護衛を頼みます」
「はい、わかりました」
そう言えば最初から龍宝寺はデゥカラガン様を様付けで呼んだよね、つまりそれは彼が既に真実を知っていることか?
「では私たちも帰りましょう」
「はい」
お嬢様は歩き出したから、僕たちも自然に追いついた。
ワーッ
助けて
え?突然空気からのは誰かの声?
ワーッ
お願い、誰かが!
「デゥカラガン様、さっきの声…」
「私も聞こえた。お嬢様!」
「どうしたの?」
「私とヴィクは誰かが助けを求めている声を聞こえました」
「では案内して、行こう!」
ワーッ!
さすがお嬢様!
お嬢様の同意をもらったから、僕はまっすぐに声の方向へ走り出した。
「やる気があるのは結構だが、少しお嬢様を考えなさい。まあ、今の君は聞き入れられないんだろ、先に行け、私はお嬢様と」
僕が勢いでうっかり走り早すぎるかもしれないから、デゥカラガン様に責められた。しかし急がないとまずい事デゥカラガン様もわかっているから、僕に先行する許可を許してくれた。
ありがとう!デゥカラガン様!
僕は声の方向へさらに加速した。同時に少し紫色の淡い光が僕を包まれてきた。紫色…わかった、これはデゥカラガン様の加護ですよね!ありがとうございます!
今まで感じたことない全能感が溢れて来た。そしてようやくあの時のシンを理解しててしまった。あの時の暴走もきっと今の僕と同じだろ。そして僕は気づいた、このままだと僕も暴走してしまうだろ。
走りながら、できる限り己の冷静さを取り戻した。そして道の果て、僕が見たのは、僕と同じ姿の女の子が三匹のドーベルマンに包囲している場面だ。
ワーッ!
大丈夫か!?
思わず僕は龍宝寺のように介入した。格好付けるなと言われてもいい、救いたい気持ちは僕だって!
ワーッ
ポメラニアンのくせに、英雄気取りか?笑わせるな!
ワーッ
ハハハハ!
中の奴はリーダーのようだ、他の二人は笑うだけしている。
ワーッ…
逃げ…て
そんな見捨てるような事はできるか!僕は威嚇のつもりで怒りの顔を相手に見せたけど、笑わせた結果だけ。もちろんのことだ。相手はドーベルマン、僕はポメラニアン、勝敗自体は明白だ。
しかしあなたの声を聞こえたから、逃げるわけがないだろ!
ワーッ!
「まあ、一緒にやればいい事だ!」
リーダーの命令が下したと、隣の二匹がこちに飛び出した。
怖い。
怖いけど逃げる事ができない。それに今の僕はデゥカラガン様の加護がある!
相手の動きは緩いと見える。そこか!
僕は相手の攻撃を避けられた後、反撃しに相手の後ろ足を噛み付いた。
おそらくデゥカラガン様の加護のお陰で、相手に相当な痛みを与えられた。あの二匹は疑いの目で僕を見て動きが止まった。
相手を代価に合わないと感じさせる、それは自己防衛にも有効な戦術であることはシンが教えてくれた。
だから僕は依然彼女の前に立っている。
「ヴィク!」
お嬢様だ!
デゥカラガン様は僕の隣に来た同時に、相手三匹がすぐ逃げた。
しかし彼女はデゥカラガン様を見た後、さらに恐怖を感じてしまった。
「大丈夫です、この方はデゥカラガン様、僕の仲間です」
僕はブルブルしている彼女に説明したから、彼女はようやく冷静になった。
「大丈夫?」
和歌奈お嬢様は彼女を軽く抱き上げて状況を見ている。
ワーッ…
おそらくお嬢様の優しさを感じたから、或いはもう体力が限界だ、彼女は何の抵抗もしなかった。
「傷だらけ…早く治療しないと」
お嬢様は警備員の二人に少し頷いた後、警備員はスマホで車を呼んできた。
動物医者に診断してもらって、治療した後、一応大丈夫だと言われたから、お嬢様は長考に入った。
「この子を連れて帰りましょう」
長考の結果、お嬢様は彼女を持ち帰ると決めた。
「いいのか?当主様には…」
デゥカラガン様はこっそりお嬢様に確認した。
「ここまで世話をしたら、さすがに野生の環境に返す事ができないわ」
「そこは同感ですが」
「大丈夫、ヴィクちゃんに救われたとお爺様に説明すれば、きっと」
「確かに。そしてヴィクよ、この私からも褒めてあげるよ、まさか私の力に酔わなかったとはさすがだな」
デゥカラガン様、僕はただあの時のシンを思い出しただけです。
「そうか、ヴィクか。それは仕方ないんだな」
綾崎家に戻ったからすぐ当主様と遭遇してしまったから、お嬢様は本当に僕を理由として言い出した。
それを聞いた当主様は僕を抱き上げて撫でてくれた。そして笑ってお嬢様のお願いを許した。
「では名前はどうします?」
当主様の許可をもらった後、彼女もようやく冷静になった時、デゥカラガン様はお嬢様に聞いた。
「ヴィクちゃんが救ったから、この子の名前はトリーにしましょう。ヴィクと組み合わせば、完全なる勝利になるから」
お嬢様はその子にトリーの名前を付けさせた。
彼女も嫌いではないようだ。そして僕も悪くないと思う。
ワーッ
とりあえずこれからよろしく。
ワーッ
こちらこそよろしくお願いします。そしてまだ言ってませんよね。
ワーッ
なんの事か?
ワーッ
私を救ってくれた事、ありがとうございます。
彼女は僕の頬をキスしてくれた。
それは感謝の挨拶だとわかっているのに、赤くなるな僕!
本当に事情が多い一日だった。
お待たせしました。




