兄たる者
私はエミリ、芸能界ではエミリーの名を使っているそれなりに有名な歌手です。
そんな私はステージの上で歌っているはずなのに、なんて今は知らない人に拉致されて、車でどこかへ運ばれているの?
助けて、お父さん。
助けて、お嬢様。
…助けて、シンお兄さん!
ギアアアアアアアア
運転途中車が突然緊急停止のせいで、私は車の内部で転んでしまった。
でも既に起きている事がバレないように頑張って寝る振りを演じた。こう見ても数少なくないドラマを演出したよ。一番大好きのは歌だけど。
「な、何か…!」
運転者の前にはなにもないのに、車は前に行くことができない。
『車から降りろ!』
え?この声は、どこかで…
「クソ、なんてこんなところに!」
『車から降りろ!』
その声はもう一度宣言した同時に、車の前に巨大の金属人形が現れた。
それはPAWS、パーソナルアーマードウェパンシステム、今世界中でよく運用している陸戦兵器だ。
しかしなんてこんなところに?
「おい!降りるしかなさそうだ!」
「クソ!遅れたらあの方にどうすれば交代できるのかよ!」
私を拉致された二人は車から降りた瞬間、地面に倒れた、瞬間すぎるので悲鳴すら聞かなかった。
一体何が!
「エミリ!」
さっき聞いた声だ。そしてこの声は間違いなくシンお兄さんだ!
「エミリ、大丈夫か!」
シンお兄さんは私を軽く抱き上げて私の状況を確認してくれた。
『シン、もうすぐ他の車が来るぞ、急いで!』
聞いたことはない声だけど、シンお兄さんはその声とは知り合いのようだ。
「わかった!エミリ、ちょっと乱暴ですまん、しばらく我慢して」
その声に反応したシンお兄さんは少し強すぎる力で私を車から運び出した。どうやらとても緊急のようだ。
シンお兄さんは私をそのPAWSが装備している箱の中に連れて、私を椅子に固定した後、PAWSのコックピットに入った。
「よし、行動終了、撤収!」
激烈な行動をしているはずなのに、この箱はあんまり震動を感じていない。むしろ快適すぎるから、私は安心して寝た。
「この子は大した者だな、まさか病室まで起きてないとはな」
記憶が薄いけど、この声は聞いたことあるような気がする。
「いろいろがあったから、寝かせようぜ」
シンお兄さんの声だ!
この見知らぬ病室は目が覚めてからさっきまで怖かったけど、シンお兄さんの声を聞こえたから安心できた。
「起きたか?」
私が目覚めたと気付いたように、シンお兄さんは私の病室に入った。
「はい!」
シンお兄さんにはいろいろ話したいけど、実際会った時はなにも言えなかった。
「俺はいろいろ説明したい事があるけど、今はもう少し休んで」
シンお兄さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
そして今ははっきり見えてきた、シンお兄さんが着ている服は昔のような黒いスーツではない、今は灰色の軍服のような服だ。お父さんからシンお兄さんは他の組織に移籍したと聞いた、あれですか?
「先ずは君に紹介したい人がいる」
シンお兄さんが言った後にもう一人が病室に入った。
え!?シンお兄さんは二人がいるの!?違うのはもう一人のシンお兄さんは赤い軍服を着ている。そして同じ眼鏡を掛けているけど、この人はシンお兄さんと同じサングラスではありません。
私は思わず驚いたかもしれません、赤い服のシンお兄さんはやれやれっぽい表情をしました。
「この反応は久しぶりだな」
赤い服のシンお兄さんの声を聞いたら私は知った、この人はあの時灰色服のシンお兄さんに警告した人です。
「俺は赤城カミト、しばらくはこいつの上司の立場だ」
「君は知っていたと思うけど、俺が移籍した事をな。こいつは俺の移籍先の部隊の一人だ」
「は、はい!私、長嶋エミリです!」
慌てて自己紹介をしましたけど、シンお兄さんからそうやって緊張しなくていいと言われました。
「念のためもう少し身体検査をさせてもらおう、しばらくここで休んで」
「でもマネージャーにはー!」
私はカミトさんに抗議する言葉はシンお兄さんに中断された。
「綾崎家の調査によってわかっていた、あいつはお金の為に君を売ったぞ」
シンお兄さんは何を言ってるの?その残念そうな顔は一体…?
「失礼します。兵科長、ちょっといいですか?」
緑色軍服の女の子はカミトさんを呼び連れて行った。
「まあ、その、なんだ、君が拉致された原因は、君のマネージャーはある金持ちのお金に買収されて君をあの金持ちに送るつもりだったが、今でも俺と合作している人たちがクロエに通報したから、俺が君を救う事が間に合った」
そうか、そう言う事だったか…
「ありがとう、シンお兄さん!」
私は少し喜びすぎてシンお兄さんに飛んでしまった。
「おい、もう少し静かにしろよ」
シンお兄さんは優しく私をベッドに置いたから離れた。
翌日もシンお兄さんとカミトさんは私の見舞いに来たけど、シンお兄さんの顔はちょっと重くない?私は大丈夫だよ!マネージャーの事も気にしなくなったよ。
「エミリ、大事な話がある」
あの、シンお兄さん、いきなりそんな重い話をするのも困りますけど。
「はっきり言うと今のあなたには芸能界に復帰する可能性は低い。あなたを買った奴は芸能界に多く援助を与えた人、綾崎家ですら芸能界での対抗ができない」
カミトさんがシンお兄さんの代わりに説明してくれました。ちょっと難しいですけど、要するには私はもう歌えない事?
「俺とカミトは考えた。もし君を日本の芸能界に戻ったら、いつかあいつはまた君に手を出すことは知らない」
「それは私がもうステージの上で歌えない事ですね」
「いいや、方法は一つがある」
え?カミトさん?それは本当ですか?
「俺らガーディアンスは軍事組織とは言え、娯楽は兵士たちの心身の癒しには不可欠だ」
カミトさんはそこまで言いましたら、鈍い私でも理解できました。
「そのガーディアンスに参加すれば、私は昔のようにステージの上で歌える事?」
「その通りだ」
「カミト、やっぱり俺は心配になりそうだから、俺が面倒を見るになれないか?」
「お前の経歴が足りない、だから保証人は俺が登録した」
「なんかお前はちょっと強く推している、気のせいか?」
「でははっきり言わせてもらおう、エミリの適性は狙撃兵科だ」
「なに!」
「エミリは桜に劣れない空間認識能力を持っている事は確認した。昨日麻美が俺を呼ぶに来たのはこの件の通達だ」
「そうか…」
「もしそれは歌え続ける方法と言うなら、私やります!」
考えまでもない、私は決定した。そして今気付いた。あの時私を拉致された二人が倒れたのも誰かからの狙撃でしたよね。おそらくそれはカミトさんがやった狙撃だと思います。
「待ってよ、エミリ!もう少し考えべきだ!」
「シンお兄さんも言ったではありませんか、私はもう日本の芸能界に戻れないって!」
私はどうしても歌続きたいから、思わずシンお兄さんに良くない言い方を言ってしまいました。
「そうだけど、しかし」
「まあ、確かに俺は阻止すべきの立場だが」
「そう言えば私の時は阻止されたよね」
もう一人の女の子が入ってきた。少し長いテールをしている格好いい女の子です。しかしこの方は?
「初めまして、私はシンの元上司の藤原杏です」
「今日の本番はあなた二人の面会だ。杏もガーディアンスを入るに決めた」
「カミトさんに阻止されたんだけど」
「どうしてなの?きっと何か理由がありますよね」
カミトさんと杏さんの会話に聞きたい事がありましたから、私は疑問を口にしました。
「あなたたちのような若者を守る事は俺らガーディアンスの仕事だから」
「でも今それは私たちの夢になった」
「だから試練を与えよう。杏、あなたにはA組の隊長になってもらいたい、そして最終演習で勝利する事」
「待って、A組はみんなガーディアンスのメンバーの子供たちじゃねえか?杏は一般人だぞ」
「銀行救援成功十件、テロ鎮圧成功二十件、人員救出成功八件、これほどの戦歴を持つのに、一般人だと言えるのか?」
「藤原さん凄い…」
私は素直に藤原さんを讃えました。
「わかったわ、勝てば良いだろ」
「勝つだけではない、A組全員無事に卒業させられるのもあなたがこなすべき試練だ」
「ちなみに、A組のプレジャー対抗性はB組より低いぞ」
杏さんは舐めるなよ、任せろの顔を私たちに見せたけど、その後カミトさんの言葉でプレジャーを感じたそうになった。
「カミト、本当に大丈夫か?」
「杏の決心を認めた以上、全ての責任は俺が取る」
「では私は何をすれば良いですか?」
杏さんのことばっかりだから私は質問しました。
「先ずはあなたの望みを確認したい。主要目的は歌いたいとは言え、狙撃兵科に合わせる成績も必要だと言う」
「はい、やります!」
「ではあなたには卒業できるようにしよう」
「あの、カミトさん、なんか私より軽すぎない?」
「いつかその理由を知られるはずだ」
カミトさんは軽くスルーしたのせいで、杏さんは少し不満そうな顔をしています。
「本当に大丈夫か?」
「俺を舐めんなよ、これでもちゃんと教官資格を持っているぞ」
「あ、そう言えばそうだな」
シンお兄さんは文句を言ったけど、カミトさんの返事で頷いた。
「あ、あの…失礼します…」
「あ、憐、来たか」
さらにもう一人の女の子が入ってきた、そして杏さんと似てますよね。
「紹介しましょう、この子はは私の双子の妹、憐です」
「初めまして、藤原憐です、よろしくお願いします」
「はい!私は長嶋エミリです、よろしくお願いします!」
「失礼ですが、あなたは歌手のエミリーですか?」
「そうだ」
私が答える前にカミトさんが憐さんに答えました。
「よろしければサインしてください!ファンです!」
「いいですよ」
まさかこんなところにファンと出会うなんて、私はすぐ了承しました。
「あ、サインできる物は持っていません!今度はちゃんと持ってきます!お願いします!」
「大丈夫ですよ」
憐さんの少し残念そうな顔を見て、私は頷いた。
「はいはい、休み時間ですよ」
突然看護師っぽい人が入ってきて、シンお兄さんとカミトさんを含めて全員病室から追い立てた。
また聞きたいことがあるのに…仕方ありません。
「何か悩むことがあるの?」
「え?」
看護師さんは私のベッドを整理できた後、私に向いて言われた。
「いきなり見知らぬところに来た、誰も困っているだろ。それにあなたは狙撃兵科の適性を持つと聞いている」
「はい」
この看護師さんは狙撃兵科を言った時、少し懐かしそうな顔をしていたのはなんてだろ。
「失礼、自己紹介は未だよね。私は赤城レイコ、この部隊の支援兵科に所属している」
「赤城?」
聞き捨てられない言葉を聞きましたから、私は素直に疑問を口にしました。
「そうよ。君が既に知っている赤城カミトは私の兄さんよ」
そうですか、だからシンお兄さんとカミトさんは素直に出ていましたね。
「私はカミトさんから兄っぽい気がしていたのはカミトさんは本当にお兄さんですか」
「どんな感覚はわからないけど、兄さんがあなたを認めたのはきっとあなたから何かを感じたと思う」
「私はただ歌続きたいです」
「だから容易い騙されたではないか?」
「あ」
確かにあの時マネージャーも私を招いて歌う機会があって…
「シンさんと兄さんが助けられてよかったね」
「はい」
自分の愚かさを知ってしまいました。
「でもここなら大丈夫ですよね!」
シンお兄さんまでいるならきっと大丈夫と思うけど、私は思わず目の前のレイコさんに聞きました。
「当然よ」
「ではレイコさん、少し伺ってもよろしいでしょうか?」
「敬語は不要よ、ガーディアンスは軍事組織だけど、みんなは自らの心からこの世界の為に頑張りたいから階級はないよ」
え?想像とは大きく違っています。てっきりこんな組織には階級制度が必要だと思いました。
「最初の私もあなたと同じ考えた。兄さんと再会できたから初めて知った、自らの心から誰かを守りたいと言うこと。みんなは一心だから、自然に階級制度は不要になった」
「そう言う事ですか」
「ではもう遅くなったから、休みましょう」
レイコさんの話に従って、私はベッドに入った。
門の外。
「いつのまにか面倒見るがいい人になった?」
「兄さんこそ、本当の妹がいるのに、他人に兄っぽい振る舞いをしたのはどうです?」
「はっはっはっ。そうか、やきもちか?」
「そんなことより、兄さんは教官資格を持ってるとは言え、誰にも教官のように責任を取るのは辞めて欲しいだけど」
「時機だったら他人に任せるようにするよ、俺がやるのはあくまで最初のケアだけ」
「本当にお人好しだね、兄さんは」
「それはどうかな」
レイコ:カミトの妹で、支援兵科所属。
お待たせしました。




