第参話
「今年は私なの」
僕の瞳を真っ直ぐに見つめ、小咲は残酷な現実を突きつけてくる。その現実は名のある刀匠の打った刀よりも的確に心の臓を抉ってきて、僕はその鋭い痛みから逃れたいが為に話を聞かなかった事にしたいという衝動に甘く誘われる。
「あれ、聞こえていなかった?私、仁宮家に選ばれちゃったの」
布団に横になりながら器用に首をかしげる小咲の顔はいつも通りの笑顔だ。会ったばかりの頃は他人を警戒していて、笑顔の欠片も見せなかった少女が、今となってはその顔に笑みが張り付いて剥がれなくなってしまっている。
「……聞こえてるよ」
「じゃあどうして反応してくれないの?」
「…別に」
「……寂しい?」
「……うん」
「そっか……」
小咲は僕から目を逸らし、顔を伏せた。
こういう時、僕はどうしていいのかわからない。小さく震える華奢な肩を抱き寄せるべきなのか、何か耳心地の良い優しい言葉をかけてあげるべきなのか、あるいは何もせず間を置くべきなのか。
何をするべきかと悶々と悩み、結果として小咲の華奢な肩を抱き寄せようとした時、その首筋に僕の視線は吸い寄せられた。
小さく浮き出た鎖骨。その指2本分ほど上のあたりに、痛々しく花を描いた焼印があった。その焼印の花が何の花を表した物かはわからないが、何か意味があるに違い無いと僕は感じた。そうでなければ、こんな物を年端もいかない少女の首元に焼き付けるなどという行為はそうそうできるものでは無い。
「小咲…その首元……」
「……仁宮家の家紋…だってさ」
小咲は相変わらず顔を伏せたまま、鎖骨の上に焼きいれられた花の模様にそっと手で触れた。
「2月ほど前かな…。仁宮家の人たちがたくさん此処に来て、私に言ったの。『13歳になった翌日、迎えにくる』って。それが明日なの。それでね、この花の焼印は仁宮家の所有物だって事を示すものらしいの。だから、私は私の何一つをも仁宮家では無い人間にはあげる事ができないの…」
話す言葉が僅かに震え、涙声になっているのを見落とすような僕ではなかった。だけれど、この時の小咲にかけるべき言葉を僕は持っていなかった。
その時、僕が選び抜いた選択肢は−
「そうなんだ………」
「…うん」
「……頑張ってね」
ただそれだけを言い残し、いつも二人で寝転がる布団に愛しい女の子をただ一人置き去り、僕は見慣れた離れを後にした。
自宅までの帰り道。緩やかに空から雪が降りてきて、地面を弱々しく白色に染めようと奮闘している。神社の前に無数に並んでいる鳥居も頭に雪をかぶって洒落た姿になっている。
季節はすでに暑さを脱ぎ、どこかへと隠してしまった。再びその見えない羽衣が僕たちを覆い、暑すぎるほどに温めてくれるのは新たな春が来て、それが僕たちの暮らす世界を通り過ぎた後のことだ。
降る雪に触れた肌が冷たく感じるのは気のせいでは無いはずだ。冬というものは寒さに震えるものであるし、雪というものも冷たいものだ。きっと、僕が先ほど選び取った選択肢が関係しているわけでは無いだろう。
全ての鳥居をくぐり抜け、仁宮家へと続く道との分岐点に差し掛かった時、仁宮家側の道から誰かが歩いてくるのが見えた。雪の降る暗い冬の夜では輪郭すら明瞭に捉えることはできないが、積もった雪を踏みしめる音に続き、‘その人’が度々身につけている鈴の音が聞こえることから、僕はこちらへ向かって歩いてくる人影が誰のものかハッキリとわかった。
普段隠している狐の耳と尾をわかりやすく見せびらかし、絢爛な着物で着飾り、仁宮家にもらった簪で髪を留めているその人物。簪には花を象った鈴が2つ付いており、歩く際に歩調に合わせて音を奏でていたのはこの鈴だ。
こちらへ歩いてくるにつれ、寒そうに尾を捩らすその女性は僕の存在に気がついた様子で首をかしげる。僕は人間味を感じさせない酷く美しいその女性に「お姉さん」と声をかけた。
声をかけられたその人影は不思議そうに口を開き、いつもと同じ声で言葉を放った—
___________________
「つまり、どういうこと?」
「どうもこうも、まんまの意味じゃよ」
話の真髄が理解できず顔をしかめる僕を見てお姉さんは心底バカバカ強いとでも言うようにため息をつく。
つい先日に寿命を使い果たした冬。その中の小咲がいなくなる前日と似た構図で僕たちは互いに向かい合っている。僕の表情はあの時と違ってより前向きなものであり、お姉さんの表情はあの時と変わらず全てを見透かしているかのような感情の薄い表情だ。
「そのまんまの意味を聞いてるんだよ」
「はぁ…」
今一度大きな溜息を何ともわざとらしく零すお姉さんは、「たったまま話すのは疲れる」と言った。
神社の離れに行くまでの間、お姉さんは少したりとも言葉を発しようとはしなかった。それは話す事をまとめていたのか、話すタイミングをうかがっていたのか、はたまた………。
「よっこいしょ」
可愛らしい声で年寄りのような事を言いながらお姉さんが開け放ったのは、小咲が使っていた扉とは反対側の端の扉。4っつ並んだ扉の一番右側の扉だ。この部屋は狐のお姉さんがいつも使っているらしい部屋なのだが、正直言ってあまりにも生活感がなさすぎる。
僕はこの部屋に入るのは人生で3度目だ。1度目が初めてお姉さんに出会った時。2度目が命からがら逃げてきた瀕死に近い状態の小咲と僕が出会った時。そして3度目が今だ。
「相変わらず何も無い部屋だね」
「まぁ人間では無いからのぉ。睡眠も本来必要なければ、食事や排泄も必要無い。何も必要では無いからこそ何も置いとらんのや」
確か、初めて僕がこの部屋に入った時も同じ言葉を聞いた。何一つ物が置かれていないこの空間を見て思わず困惑の色を顔に滲ませてしまった時、終えさんは当然だとでも言うように今と同じ言葉を言った。
「さて。お前さんも座りんさいな」
部屋に入るなりさっさと座ったお姉さんに促され、僕は向かい合うようにあぐらをかく。
いつの間にやら狐の耳と尻尾を取っ払ったお姉さんは改めて、重要な話をするように「そもそも…」と声を低くして話を切り出した。
「お前さんは疑問に思わなかったのかい?」
「何が?」
「何がって‘決め事のすべて’によ」
お姉さんはゆっくりと右腕を持ち上げ、親指と中指を擦り合わせてパチンと音を鳴らした。すると、額から汗が滲むように何も無い空間から霧のような雲のような靄がじわじわと湧いて出てきた。
そのよく分からないナニカにお姉さんは手を突っ込み、中から一枚の紙を取り出した。狂いなく綺麗に四辺を均等に切ることなど難しいはずなのに、その紙は一目見てわかるほどに完全に四辺が均等の長さで、四つの角が同じ角度になるように切られていた。一体どれほどの職人が作った紙ならそのようになるのだろうか。きっと、それは僕が想像できないほどに値が張るにちがい無い。
「ほれ」
その綺麗な紙を、お姉さんは僕に差し出した。受け取ったその紙には文字が羅列されているのだが、学び舎にもいくことができていない僕はその文字を読むことはできない。
「お姉さん。僕、文字はあまり得意じゃ無いよ」
「安心せい」
不意にお姉さんの腕が僕の方へ伸びてくる。実際には伸びてなどいないのだけれど、遠くから近づいてくる感覚は伸びているように僕を錯覚させる。あまりにも突然のことであるためか僕はそれを避けることができない。お姉さんはそのまま指で僕の額を軽く弾く。
「もう一度紙を読んでみいな」
促されるままに再び文字へ視線を向けると、理屈は分からないが僕はその文字をすんなりと視界を経由して頭の臓器の奥底へと送り届け、その意味を理解することができた。
そこに書かれていたのは仁宮家の決め事。僕の前から姿を消す前日、小咲が笑いながら僕に話した残酷な話。村の人々なら誰もが知っている必ず従わなければならない決め事。
その文字列を見て、思わず嫌悪の表情を作ってしまったのが自分でもわかる。
「そう怖い顔をするで無い」
苦笑いするお姉さんは次いで僕に言った。背中を押すように。きっかけを与えるように。答えを僕に自分で気づかせようとするように。「なぜ、仁宮家に女子を送らねばならん?なぜ、13歳の少女でなければならぬ?不思議じゃのぉ」と悪い笑みでお姉さんは僕に言った。
「先ほども言うたがの、仁宮家の祖先は幼い少女しか愛せぬ偏癖を持っておったのじゃ。それこそ、13歳の少女のような…」
何も知らない僕を小馬鹿にしたような先ほどまでの態度とちがい、お姉さんは少しばかり細長の目を吊り上げ、真剣そのものの表情で言葉を紡ぐ。
「笑えるわの。たかだか数個の村を支配する地主ごときが神を名乗っており、皆がそれに従っておるのじゃ」
「…地主?」
僕は開いた口が塞がらない。
「あぁそうじゃ。なんだお前さん。あの神と13歳の少女の恋の物語が真のものだとでも思つとったんか?あんなもんは仁宮家の先祖が13歳の少女と淫に交わりたいがための理由付けでしか無いわさ」
お姉さんは声色に僅かな怒りを垂らしながら再び霧の中へと腕を入れる。
「あの家の先祖のことはよう知っておる。13の時、恋した相手が戦に巻き込まれて目の前で嬲り殺されたのじゃ。その反動でなのかのぉ。あの家の坊主は何人もの少女を抱いた。それが嬲り殺された初恋の少女を思い出すためなのか忘れるためなのかは知らんがの」
霧から取り出した煙草に火を付け、お姉さんは煙をスーッと吸い込み、ゆっくりと吐いた。
「話をまとめるとな、あの決め事は仁宮家が13歳の少女を抱きたいがために、その対象が自分の元に恒久的に訪れるように作ったなんともバカバカしい理想なんじゃよ」
お前さんはどう思う?とでも言うように、相変わらず鋭い目つきをしたお姉さんは肩をすくめながら煙草の先をこちらに向けてくる。
「その話は本当なの?」
「勿論。あんな決め事はただのまやかしで、実のところは仁宮家が専属の遊女を手に入れるための装置と言ったところじゃの」
先ほどまでは目尻を吊り上げる程度だったお姉さんが額や鼻の付け根にしわを無数に作り、分かりやすいほどに怒った表情になる。
「じゃあ…小咲はもう僕の知る小咲じゃ無いの?仁宮家の人間に抱かれ、伽をして、僕の知らない表情をするようになったの?」
「どうしてそんなことを知りたがる?お前さんは小咲のことを好いておるのか?」
「……そうだよ。だからこそ。小咲がいない時間に胸を締め付けられ、小咲と過ごす時間に心を痛め、近づいているとわかっていた決め事の実行日を前に僕は逃げ出したんだ」
「そうか……」
相変わらず顔に怒りの感情を貼り付けにしたまま、お姉さんは煙草を霧の中に片付け、「あの子はまだお前さんの知っているあの子のままじゃよ」と吐き捨てるように言った。
「今の仁宮家の人間は昔のように愚かな人間では無いからの。ちゃんと大人の女性と成るまで…15歳に成るまではかき集めた少女たちを決して抱きはしないと決めておる」
「決めているでしょ?じゃあ本当に小咲が昔と変わって無いだなんていう確証は無いじゃないか」
「そう喚くな。そんなことを嘯いてなんの得がある?」
「それは……」
「答えれんじゃろ?こんなもんを嘯いたところでなんの得もせんのや」
だるそうに腰を持ちあげ、お姉さんは僕にも立ち上がるように指示する。そのまま部屋を出て行くお姉さんに連れられ、僕は再び神社を後にした。
「続きを話すがの。あいつは15になるまでは少女を寝室に招くことはせん」
あいつと言う言葉が仁宮家の今の頭首を指す言葉であることは話の流れからなんとなく分かった。
「じゃがの。15になる当日、その少女を派手に着飾って盛大に儀式を催し、その晩にあいつは少女を抱く。この習慣は絶対に変えない。あいつはそういう人間じゃ」
雲間から顔を出す月を眺めながら、僕とお姉さんは少しだけ間を空けて村のある方へと歩いていく。理由はわからないけれど、お姉さんが田畑の間にまっすぐと伸びる道をゆっくりと歩き始めたのだ。僕はただそれについていくだけ。
見える姿は優遊と歩いているだけのお姉さんの表情はわからない。今、一体この人は何を考えてどんな表情でいるのだろうか。僕にわかるのは月明かりに照らされ伸びるお姉さんの影が人間のものではなく、複数の尾を持つ大狐の形をしていると言うことだけだ。
「ねぇ」
「………」
お姉さんは僕のかけた声に応じてくれない。なんだろう。聞こえていないのだろうか。
「仁宮家の話、どうして今ぼくに話したの?」
「どうして?」
お姉さんが足を止めた。その瞬刻を狙ってか否か、思わず瞳を閉じてしまうほどの強い風が僕たちに打ち付けられた。ほんの数秒にも満たない間、風から逃れるようにぼくは固く目を瞑った。そして、再び瞼を上げると、そこには見慣れたお姉さんの姿はなく、お姉さんの声を使う不思議な生き物がいた。
朧月のようにその姿を正確に捉えることはできず、ぼくの瞳はその生き物の姿をぼやけた形で捉え、ぼくの頭はその生き物の存在を霞んだ状態で認識する。
「どうしてなんて簡単な理由じゃよ。我は仁宮家に飽いただけよ。これまでは面白いものを見せてくれとったから見逃しとったものの、今のあの家の頭は何一つ面白いことをせんで挙句には我を捕えて我が物にしようと試みた。あれはもうダメだ。だから我は壊すことにしたのじゃ」
「壊す?」
「そう。そして、あの家を壊すのは我ではない。お前だ。小作」
その言葉は耳からぼくの体に入り込んだというよりは、ぼくの頭の中に直接浮かび上がってきた。それがぼくの勝手な想像の言葉なのかお姉さんがぼくの頭に直接言葉を送り込んだのかはわからないが、ぼくはその言葉で心の臓が大きく跳ねるのを感じた。
「だからこそ、我はお前さんに話をしたのじゃ」
ひどく美しい化物は、熟れた無花果を思わせる甘い声で僕を誘った。ぼくはその誘いを素直に受け入れることにした。
山に囲まれるように存在する一つの集落。誰の家であるのかを家先に置いてある石の数で判断するその村に、1匹の化物と一人の人間が現れた。化物はガラス窓を釘で引っ掻いたような声で気味悪く咆え、その口から劫火を吐き捨てた。其れと並んで歩く人間は怒り狂ったように野太い声で叫び声をあげた。
村の住民はその二人から逃げるように村を捨て、走り去る。その様子を見て人間は涙声でつぶやいた。
「みんなごめんね……僕は小咲と生きていくよ」
村の皆を救うにはこの方法しかないのだとその言葉は決して口にすることはしなかった。もし誰かが聞いていたのなら、その人は僕に対して的外れの罪悪感を抱いてしまうかもしれない。この村の皆は優しすぎるから…。
逃げ惑う人影が一つとして見えなくなった頃、僕はお姉さんに問いた。
「これで良かったの?」
「あぁ」
「お姉さん。皆の中では化物になっちゃったよ?」
「お前さんも我を化物と思っとるではないか」
なんとも意地悪で僕にとって都合の悪い苦言だ。
僕はお姉さんの吐き捨てた棘のある言葉を聞かなかったことにして、月夜に在るその姿をまじまじと見つめた。
流体であるかのように輪郭はぼんやりとしているが、大雑把な形は尾が7つ生えた大きな狐だ。だが、その姿は物理的な姿ではなく、轟々と燃え盛る青緑色の焔だ。目も口もなく、どうやって風景を見ているのかはわからないけれど、ここに来るまで道をまっすぐに歩けていたことからも視界に不自由はないということがわかる。
さらに言えば、燃える焔が形を作って姿を為しているのだが、その体が触れた場所は燃えることはない。逆に何か良いことが起きるわけでもないが、お姉さんの歩いた場所は人が歩いたように足跡が僅かに出来る程度だ。
現に僕がお姉さんに触れたところで僕は燃えやしないし、僕自身は別段熱さを感じるわけでもない。なんというか、本当に不思議な感覚だ。
僕は次に訪れる冬の日の真っ只中。小咲の生まれた日付に、僕一人で仁宮家へと足を運ぶ。理由は明確であり、仁宮家に連れて行かれた小咲を助けるためだ。
その日、お姉さんは仁宮家の儀式に来賓として参加しなければならない。だからこそ、僕がひとりきりで仁宮家へと乗り込み、襲撃する。
お姉さんの話を聞く限りでは、少女たちが大人に成ったとして祝われる儀式は仁宮家の屋敷の広い庭で行われるそうだ。お披露目をするように。見せびらかすように。わざと開けた場所で堂々と行うそうなのだ。
だから僕は仁宮家へ侵入し、小咲を連れ去って逃げる。そのために村の皆を仁宮家の領地から‘逃がした’のだ。
成功しようと失敗しようと、僕が仁宮家から小咲を連れ去ってしまえば、このあたりの地域で僕は重罪人になってしまう。それこそ、神に反逆した愚か者と言う扱いになってしまい、その罪を償うために僕かその家族を仁宮家は殺そうとするだろう。だから僕はそうならないように家族を逃がした。その次に大切な村の人たちを逃がした。
「お前さんこそ、これで良かったのかえ?」
焼けこげる家々を眺める僕にお姉さんは歪な声で問う。もちろん。僕はそれにすぐに答えられる。
「これで良かったよ。僕は小咲さえいればそれでいい。それが、あの子と初めて会った時に僕が感じた僕自身の素直な感情だから」
「そうか」
神社で話した時とは違い、怒りの色がすっかり抜けた調子でお姉さんは優しく言う。その声が聞き慣れた声にいつしか戻っていたのだと気づき、お姉さんの方を見ると、その姿は僕の見慣れた巫女服姿の綺麗なお姉さんに戻っていた。
「これでワシが神だと信じることができたけぇ?」
コロコロと言葉遣いの変わるお姉さんに僕は素直に「うん」と返しておいた。
乳白色に輝く月はいつしか雲にぼやかされ、薄墨色の夏の夜は気づけば朧月夜へとその姿を変えていた。きっと、暗い夜を照らすあの月もお姉さんと同様に神様か何かなんだ。だからこそ、お姉さんのように月は姿を変えるんだ。
僕らの元に届く月の明かりが少なくなり、辺りは燃え盛る家々の周辺を除き、僕が神社に向かう時に比べるとより多くの墨を塗り広げたような暗さになっていた。煌煌と輝く焔をお姉さんは小さな笑みを顔に浮かべて眺めている。
その笑みの意味はきっと……お姉さんにしか分からなかった………。




