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ラブリーファンタジー  作者: 由自不
アナザーライン(仮タイトル)
73/83

25 魔都イーストクラン

突然に訪れてきたラスボスH∧LからのSOS魔都を救って欲しいという依頼に思わずプライベートクエストをチラ見すると。。。



娘達の連続クエスト③故郷を救え


が他のクエストの上に重なってデカデカとそれだけが表示されていた。


つまりこっちの神様的にも無視したらアカンという意思表示であることは間違いないだろう。無駄に文字がピカピカと点滅してるどころか一定のリズムで回転してるし、クエスト画面から謎の音楽が聞こえてくるのだ。


重要さも分かったし、娘の為ならばという動機も有る。断る理由等無さそうだ。


問題があるとしたら娘達の訓練の為にわざわざクエストに来訪してくれてるプレイヤーの扱いだ。


着いてきてもらうべきか否か。。。


まあそこの判断材料としてはH∧Lから直接話しを聞いてから判断すべきだろう。


「その依頼は受ける。問題はその対処にどこまで巻き込むべきかなんだ。詳しく教えてくれないだろうか?」


ラブリーファンタジー屈指の美少女アバターを使うラスボスH∧Lは少しだけはにかみながら困ったように話しだした。


ことの発端は俺がフィフスの守護者と都市が復活した時に起こるはずだったイベント『嘆きの王の襲撃』のワールドクエストの発生とほぼ同時に瞬殺してしまったことがそもそもの原因らしい。


その襲撃時に本来なら嘆きの王と雑魚モンスターのスライムがおよそ数千がフィフスに同時に攻めるはずだった。しかしながら隠れ潜んでいたスライム達に命令を下せる嘆きの王が瞬殺されたことによりスライムは攻撃の意思を持たぬままそのままフィフスを掠めるようにそのままサード方向へと進軍を続けた。この時に騒ぎにならなかったのはフィフスがどうしようもないほどに滅んでしまっていたからそもそも異変に気づける者が居なかったのだ


スライムは馬鹿なのでまともに思考を持たない。本能のままに栄養を蓄えると増殖し、本能的な脅威を感じるとそこから離れようとする安全に栄養が得られるというなら栄養に向けてひたむきに進む。

その先が誰の縄張りとかまともに考えずに。

だから本来なら破壊と再生の幻王(豊穣の大精霊)とぶつかってサードの資源地に大打撃を与えてサード周辺に少数だけ居着いてほぼ散るはずだった。


ところがそのまま居着くことを良しとしなかった豊穣の大精霊が西の海へと自らの力の大部分を失ってまで誘導してしまったのだ。



大精霊の力を取り込んだスライムは進化した。進化してしまった。本来ならそのまま進んだ先の海に潜む怪物に負けるはずだったのだが余裕で打ち勝つ怪物にそれどころか敵の魔物の特性すらそのまま取り込み強化と増殖され続けた。


そしてスライムは侵入不可領域にぶつかり。。。


マップ真東の魔都イーストクランからはるか東の魔境に侵略を開始した。


このまま魔都イーストクランを呑み込んだ場合その数は今の比べ物にならない程に増殖し、データの山となって世界の処理落ちつまり世界の滅亡を引き起こす大災厄になるらしい。


H∧Lに対して範囲攻撃とかで一掃できないのか?と聞くと目を反らしながら言いにくそうに言葉を選びながら言った。


「私悪くないと思うんだ。最初は炎でガンガン減らしてたけど倒せるのは集団の前面に出てたやつだけで倒しても倒してもすぐに倒したスライムが吸収されて数が全然減ってなかったんだよね。。。それどころか倒した後ろのスライムが間接的に熱耐性獲得しちゃって倒せなくなって他の属性でも同じ事したんだけど結果が同じだったんだ。頑張れば頑張る程ゴキブリのようにしぶとくなっていってどんどん増殖してくんだ。まさにGだよGなんて世界に必要ないから滅びれば良いんだよ」


無自覚に、ディスってくるH∧Lにコメカミをピクピクさせながら考える今回はむしろプレイヤー以外危険なんじゃないだろうか?

データ体のNPCの場合情報の海である増えすぎたスライムは危険過ぎる存在のはずだ。


厄介な特性は数の暴力と倒した相手の持つ耐性の獲得、中途半端に殺すとその死骸で数も変わらず女性プレイヤーは正直者連れていくべきか悩むところだが足手まといになられても困るので今回は深雪だけ連れて魔都イーストクランに到着した。


ラスボスH∧Lから話しが通ってるようでそのままイーストクランを治める王様との面会となった。


王一族の顔の特徴には見覚えがあった一見人そのものに見えるけど娘のアリスと同じような顔が沢山控えていたのだ。


あーアリス連れてくるべきだったか?

でも情報の洪水は危ないんだよな。。。


イーストクランの王はその対策は既に用意していて保護の耐性服をそれなりの数用意して何度も遠征を仕掛けては少しでも遅滞作戦をしてるらしい。

数着耐性服を借りてそのままイーストクランを散策する。峠の西の7都市とは違い建築様式も異なるようだし。道行く人々は王一族とは違い様々な亜人族の楽園のようだった。


種族戦争のつもりはないけどこれ下手に攻略戦仕掛けたら火種が燃え広がりそうだな。


確か峠のフラグを踏み込むまで敵側は攻撃のみの配置という設定だったはずだ。

あくまでも2人の神が設定をいじらない限りは、なのでここに居る人達は非戦闘要員でありただの都民Aってところだな。


ちなみにイーストクランに到着する前に見えた他の魔都については濃い霧で覆われていて飛行しながらでは様子は一切分からなかった。


魔都イーストクランだけが今回普通に訪問できたのは敵側の領域でありながらもラスボスであるH∧Lが直々に許可したからだろう。


それにしても何故こんな形に支配してるのだろう。神様が空白だったのだから魔都のように7都市だって直接支配下にできたはずなのにわざわざ回りくどい事をする合理性がどこにもない。



それにしてもH∧Lって精霊祭の準備中に襲撃してきて散々手を尽くしました感がすごいのだが()()()()()()()()()()のに諦めるの早くないだろうか?



その時の俺はその意味も絶望も理解できてなかったのである。


俺の思考は迫りくる数の暴力がどんなものなのかとアリスをここに連れてきてどうしたいのかに思考がシフトしていったのだった。



作者の一言

そろそろH∧Lが何故こうなってしまったのかのカラクリに気づいてる方居ると思います。

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