4 のんびりライフオンライン閉鎖の真相
周りから既にGさんの呼び名で定着しているが一応初期設定では男でも女でも通用する名前ということで(はる)というプレイヤーネームにした。
Gさんから離れて分かりにくいという意見もあったけどGさんはゲームマスター達が影で呼んでた呼称なので知ったこっちゃない。
そして当然のように生産職を勧められたがぶっちゃけゲームのアシスト無いんだしわざわざ生産職にする必要はない。
魔力もだが妖力や気力も育てたいのといざという時に逃げるのにも有利な一般的に地雷職扱いの幻妖士にした。
何故地雷扱いなのかといえば妖力についてはシステムアシストが効かないというプレイヤーに避けられる要素とそもそももう1つの幻術は実装させていないことだ。せいぜいちょっと気配が薄い気がする程度なのだ。
ポチっとなとやった瞬間姉以外から落胆のため息が聞こえた。
こいつらGさんの正体知らなかったから妖力がどれ程すごいのか知らんやろ。。。
それに魔力も気力もそこそこ鍛えやすいのも良い。とはいえそれの真価が発揮できるのは当分先だけどな。
そして信仰は自然信仰。
てっきり生産職が拝める工芸信仰を勧められると思ったがなにやら工芸信仰は色々と地雷になってるらしい。
後でお姉ちゃんに色々教えてもらおう。
とりあえず移動中は石とかそこら辺に落ちてた腐りかけの木とかと店売りの布とか採取させてもらい刃物とか現状どうにもならん物はもろもろ買い集めてもらった。
無一文なのでガッツリヒモスタートである。
本当なら自分で素材を吟味したいところだけど、まだ見た目だけで男だとばれるうちは危なっかしくてそういうことはできない。
炉もないので最初に作るのは現状の刃物でも切れ味をごまかせる為の砥石からスタート。
といってもたまたま見つけた天然物なのでそこまでの事はしない。せいぜい研ぎやすいように平らになるまで石で削って形を整えるだけだ。
本当なら数種類欲しいが間に合わせだから今はこれで充分だ。
そしてとりあえずは石斧と石ハンマーは用意し、石針はさすがにめんどいから市販品でってないんかい。んじゃ炉ができるまでお預けだな。ノミも欲しいけどまだそこまでのもんはできねえからそれもパス。スコップどうすっかな~
最初の簡易炉の為に粘土層の採取までに欲しいぞ
まあその後は採掘の為にツルハシが欲しくなったり掘った鉱石で金属製に道具一新するところとできれば姉ちゃん達に間に合わせの武器を作ってあげたい。
更にもろもろが揃ったら。。。
おっとまずは現実に戻って最初の1歩からだな。
って牙あるやんけこれ頑張って加工したら何段階かすっ飛ばせるじゃないか。
え?それは分かってるけど加工する手段がないだって?
ダイヤモンドを研磨する時はダイヤモンドで削るんだよ?それ1本だけじゃないよね?(圧)
まあそのままの牙を研磨道具無しで牙で牙を研磨しようとしたら時間かかる訳で。。。
「はるさん、ちょっとこっちこよか?」
姉ちゃんめっちゃ怒ってらっしゃる!!
そういえばこういう所見せたことなかったけど普通のことだと分かってもらえる日がすぐきて欲しいなと思いながらしびれを我慢して謝り倒すのだった。
うん。いきなり予備含めて全員分の牙剣はやり過ぎた。
野生猪の特製牙剣
品質E++
切れ味E
耐久G+++
研いだ刀身から柄の部分まで1本の牙をひたすら磨くだけで作った武骨過ぎる武器
「あれ?思ってたより品質低い?」
「めちゃくちゃ高いわ!エクセレントダブルプラス品質に耐久がグッドスリープラスって今のトッププレイヤーとどっこいどっこいだかんな!」
「。。。表記紛らわしくない?」
「誰のせいじゃー!」
そうのんびりライフオンラインではある期間から最前線並みの高品質武器が流通しだしたのだ。ゲームマスター達がその存在に気づいた時にはほぼ全プレイヤーに広まった後で、バクとしてこっそり下方修正するという初期消火ができなかったのがあのゲームのバランス崩壊の始まりだったのだ。
これが後に言われる第1次Gショックである。
レイドボスを周回してかなり低確率で入手できる廃人プレイヤーが狙う激レアドロップよりも安価で大量に投げ売りされたバランスブレーカーと揶揄された武器の方が強かったのだ。
このゲームでは生産プレイヤーやNPCの作り出す武器はナマクラから名刀まで1本1本が丁寧に作られた逸品であり、同一規格品でも鍛冶匠によって癖があり、更に戦闘に無関係なNPCはプレイヤーとは違う時を生きるのだ。とある名刀を作った匠は1ヶ月たてばもう他界しておりプレイヤーが莫大な資金で買ったことでその工房の弟子が次回店売りの時に修正が入るのだ。
なので武器は魂のひかれた1本を選び命を預ける大切な相棒として毎日欠かさず手入れをし、今より強い武器が入手できても大事に使うのが当たり前で武器の乗り換えはあくまでもその武器の寿命を迎えた時にというのがセオリーだったのだが、バランスブレーカーは大量に投げ売りされたのでその性能に目を付けた転売勢が当初買い占めてまくってたのだが日に日に上がっていく生産速度にギブアップし、ある日を境に一気に広まってしまったのだ。
バランスブレーカーは文字通りの意味でゲームシステムを崩壊させた。
バランスブレーカーを入手できたプレイヤーは刃にさえ当てれば簡単にスパスパ切り裂いた。
戦闘時は通常の単調な戦闘モードとスペシャルモードのどちらもプレイでき、そのスペシャルモードでは敵の攻撃をどのタイミング、どの角度でさばくかによって敵の攻撃の力のかかり方が変わりそれを利用すればプレイヤースキルさえあれば弱い力でも打ち勝てる玄人好みの戦いや対魔法使いでもアクロバティックな動きで逃げながら魔法を打ち込んでくるのを武器に魔法をコーティングすることで武器の性能に応じて限られた回数だけ魔法を切り裂くことができ、避けるかガードするか切り裂くか構わず突っ込むかとかマトリックス避けプレイなんかの遊びもできるのだが強すぎた武器は駆け引きも何もなくなってしまうのだ。
しまいにはチート武器が大量かつ安価なことを利用した攻略法が発見され、ボス戦での開幕大量の武器をバンパンに詰めた袋をぶん投げ秒殺するプレーが動画拡散されてからはスペシャルモードで鍛えてプレイヤースキルを駆使してボスと渡り合う緊張感あふれる戦いを魅せるゲームスタイルで人気を確立してたプレイヤーを馬鹿にするようにボスをお手軽に倒してしまうのだ。
廃人御用達のコンテンツはとたんにヌルゲーをこえて作業ゲーと化し、しかもそんなぞんざいな扱いをしても高すぎる耐久性から劣化が全くなく、ゲーム上からその存在は減らなかったのだ。
勿論それを良しとしないプレイヤーは旧来通りのスタイルでゲームを楽しもうとしたが、難易度の高さから討伐には時間がかかり、通りがかった迷惑プレイヤーが横殴りで秒殺してしまうのだ。
その後はなぜか生産量がガクッと落ちてバランスブレーカーのみを狙う武器破壊モンスターを導入する事で徐々に落ち着きを取り戻せそうだったのだが今度はマニュアルで作成された開発陣の想定を越える神装備や神道具が少量ずつ流れ出したのだ存在しだしたのだ。
第2次Gショックの到来である。
まだ混迷の話しは続くのだが、ともかくバランスブレーカーが大量に出回る前のゲームが好きだった者は大量引退し、過疎化が過疎化を呼び、結果的に激減したプレイヤーの為に採算が合わなくなり、人気をはくしたビックコンテンツは早々に閉鎖が決まり、現在のラブリーファンタジーへとシフトされたのだが前のシステムはGさえ現れなければ神システムだったので踏襲しつつももしGが作った装備が出回ってもその品質が低く見えるように敢えてややこしい表記にしたのだ。大量に広まってしまえばゲームマスターが対処するのは難しいが少量なら混乱が起きる前に、なんとかできるように。。。
「んー?1つだけ言って良い?」
「どうぞ」
「ぶっちゃけシステムの欠陥だよね?なんでゲームアシスト有りだと1つだけとことん極めた職人技よりあれこれ浅く浮気しまくってたほうが品質とか生産速度早いの?途中でマニュアルに変えたのもその違和感があったからなんだけどさ?」
「は?お前武器だけじゃなかったのか?」
「色々作ったよ?ポーションでしょ?魔道具でしょ?からくりでしょ?後装飾品とか服とか料理とか。。。あれ?どったの?」
「あれもお前か~‼」
「え?だって1つだけだと飽きるじゃん」
「突如現れた謎の職人集団Gってお前1人だったんかい!ちなみにどこまでマニュアルできるので?」
「1通りSSS出したかな?ポーションと建築以外」
「ちなみにその2つは?」
「いくら練習してもSになんなかったんだよねL止まりだよ。才能ないよね」
「レジェンドだよ!把握してなかったけど売りに出さなかったのか?」
「建築は時間縛られるからね。後品質悪いのは売れないと思って全部インペントリーの肥やしにしてました。まあほかのアイテムは1%位しか放出してないけど」
「悲報あの大惨事でも本人が自重してた件」
「あー、でも建物は使えないよ?あれ建てると魔物寄ってこなくなって素材収集できんくなるもん」
「それ多分聖域化しとる。。。」
そんなこんなで牙剣は無事に引き渡されましたとさめでたし♪めでたし♪
後程今までのトラブルの向こう側の真相を聞いた他のゲームマスター達はショックの余りあちこちで発狂してたのを目撃されたとか(大惨事Gショック)




