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ラブリーファンタジー  作者: 由自不
デスゲームサーバー(仮タイトル)
27/83

閑話 忍び寄る悪意の陰

プレイヤーからの絶大なる信頼を寄せる都市サードここには堅牢なる強度を誇る城壁にはあらゆる魔法攻撃を反射したり無効化すら術式がびっちりと書き込まれておりそこを守るは特に防衛に特化している戦闘用NPC達が率いる騎士団そして彼らを支える同じく戦闘用NPCであり、回復に特化した聖女隊更にはここは随一の職人の名所であり、各都市が深刻な機能停止をしてもある程度の自力復活までの間、サードからの物資で持ち直した経緯もある。


オート生産が途切れたことで何も作れなくなった生産プレイヤー達にマニュアル制作のやり方を教えて今や中級品質までならサードの生産プレイヤー達でもオート生産ができるようになった。

食料備蓄も豊富で半年間なら持久戦でチクチクと攻め手の妨害と削りをすれば計算上100万の敵でも逆に返り討ちにできるとまで言われている。


そんなサードでは最近とある悩みを抱えていたのだ。


おかしい。生産品が全く売れない。


前までなら初級品質までしか作れなくても飛ぶように売れていた。ところがここ最近急激に売れ行きがにぶりだし、日に日に売れなくなっていく。もともと異常高騰だったのが解消されたから安くなったというならむしろ歓迎すべきじたいなのだがこちらでできる最高品質の商品を見ても微妙に残念な物を見るような視線を感じるのだ。

まあ、必要のない相手に無理に買えと言うのは流石に違うのでこれからはある程度の備蓄を蓄えた後に技術の継承を主軸にする程度の生産に切り替えるしかないと方針が変わるのだった。


そんな一見平和なサードの都市に水面下で絶望的な危機の足音がじわりじわりと近づきつつあった。

堅牢な守備を主軸に相手を長期戦で少しずつ削り取るサードの特徴は裏を返せば打って出て短期間に殲滅力が必要な敵とは壊滅的に相性が悪いことを意味する。

そしてその敵は本来フィフスを襲撃する嘆きの王とともにサードではなくフィフスを襲撃する予定だったのだ。

ところが嘆きの王が収集をかけたモンスターが集まり、統率をかける前に瞬殺されてしまったことで知能をもたないその魔物は嘆きの王が収集をかけた方向の延長線上のサード方面に向けてひたすら増殖を繰り返しながら進軍を続けるのだった。

このモンスターにはサードを攻撃しようという意思などない。ただ本能に従い収集がかけられた方向にその土地の養分を吸収しながら進むだけなのだから。。。

こうしてワールドアナウンスがかからないまま最悪の足音は静かに確実に近づいていくのだった。



ところ変わってここはファースト。物語の出発点にして今は多くのプレイヤーが引きこもる都市でもある、多くの女性プレイヤーは人生を諦めていた。

恋愛がテーマのこのゲームをする女性は若者が多く、特に学生は丸2年もの年月を失えばその影響は人生設計そのものの破綻すら意味する。彼女らはこの閉じられた世界と外の世界との時間差を知らないのだ。

いくらなんでも数ヶ月もすれば異常に気づく者が出てくる、1年以内経っても未だに救助が来ないのはおかしい。

外からの救助は不可能なのかもしれない。

又、学生でなくとも社会人であっても2年の歳月は深刻だ。

会社などとっくの昔にクビにされ、1人暮らしなら毎月引き下ろされる家賃や携帯代公共サービス料金契約してたもろもろの料金で貯金が尽き、未払いによりブラックリストに載ってしまった可能性もある。

主婦の暇潰しの方でも夫や子供に何も書き置きすら残さず失踪した母となってしまう。


よくて行方不明最悪は死亡扱い。

奇跡的可能性を信じるなら植物状態として病院で治療を受けつつもろもろの費用は援助されてるという状況だろうか?


イケメンNPC達との恋愛に逃げたくともいつまでも他人行儀でモチベーションも上がらない。


そんな鬱屈とした心を示すようにいつの頃からかファースト上空では黒い雲をよく見かけるようになった。



「H∧L様ファーストとサードに撒かれた種は順調です。しかし何故セカンドではなく堅牢なサードを標的になさるので?」


「セカンドにはお前らの知らない化物がおるのよ。そいつらと正面からぶつかるよりもその根元の生産活動に必須の素材の生産拠点を徹底的に汚染させた方が力が削げるのよ」



そう、いくらチートな装備を作れる生産プレイヤーでも素材が無くては何も作れない。

彼女達は敢えてこの現象に対しては特に大きなことはしていない。逸れようとしたのを集団に戻す位のことしかしてない。命令も与えなければ力を与えて強くする事も知能を与えて効率的に動くように仕向けることもそしてこのモンスターはサードの鉄壁な守りと障壁を避けるようにサードを城壁ぞいに迂回してそのまま進むだろう。結果的にサードへの進功はない。

それゆえこれはモンスターによる襲撃イベントにはならない。だからこそ効果的なのだ。



もし今もサードの生産が重要な立ち位置にあったならばこの作戦は行き来する商人の通報により失敗しただろう。フォースが今も上級プレイヤーの中心拠点だったならサードに感心を向けるプレイヤーもいただろう。

彼らは今、これからフィフス周辺でのエリアボス打倒に向けて動き出している。


フィフスと嘆きの王が落ちたのは痛手だったがそれを上回る絶望感があればそれで良い。


その絶望が無敵のモンスターを呼ぶ為のエネルギーになるのだから。。。




フフフはるくん君は我々を止められるかな?



G「弟子が多いと素材集め大変、ずっと買い漁ってるけど全員上級までの分確保するだけでヘトヘトだよ。」

深雪「もう集め終わってるんか~い!」



止める動機すらなかった。。。


こうしてGの一味を除き全プレイヤーを絶望に叩き込む最悪なニュースは全土に広がるのだった。



ギルド職員A「ところでなんでこのLポって素材無くなっても過剰供給されるんでしょうか?」

ギルド職員B「良く分からないけど肥やしだから売れる分には歓迎らしいわよ?」


絶望に叩き込む?あれ?


ポーションの買い占めに走る商人やプレイヤーの資金が尽きる方が早かった

買い占めても買い占めても顔色1つ変えずに希釈したLポを並べる職員に転売を目論んだ商人は確かに絶望したらしい(笑)


大樽1つはポーション瓶だと多分1000位作れますよね?1000万本位買い占められたとしても翌週には嬉々として補充されてる未来が見えますね

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