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ラブリーファンタジー  作者: 由自不
デスゲームサーバー(仮タイトル)
19/83

16 オート調理とマニュアル調理

まだ生産の訓練は始まってないがあの料理騒動で弟子の皆が料理に強い興味を持ったので市場で売られてる材料のみの簡単な料理レシピを作成中だ。


俺が作る料理はのんライの材料で作れるレシピの方が圧倒的に多く、更に面倒くさがって、材料の下処理すら魔法でほぼ代用してしまうのでそのままだと何の役に立たない。


今はこうして魔法で代用してた工程を文字起こししたり、のんライの素材に近い物を探しだして置き換えたり、最終的にそれで本当に大丈夫なのかの確認等もしてるので時間がかかり気味だ。


「師匠、この1カップってどのくらいの量なんですか?」

「ああ200ccのことだな。」

「その200ccが分かりません後良く出てくる大匙と小匙とかも分かんないです。」


「もしかして料理に計量してないの?」

「え?料理って計量するもんなんですか?スキルアシストで作るんじゃなくて?」


あ、これは料理な測量セット作らんとだめなやつだ


「まあ実際にどう違うかは作って見せた方が分かりやすいか、まだ生産訓練には早いがこれも修行として全員集めてきてくれ。」



という訳でどうせなら難しい和菓子づくりをやってみせることにした。


高級ケーキとかに比べて和菓子はあまり繊細な技術をふんだんに用いるイメージなんてあまりもたれていないが欧米人の大味とは違い繊細な味覚を持つ日本人の甘味として人気のあった和菓子にはその銘菓の伝統技術が今でも根づいている。

とはいえ俺は直接そこに修行に行ったわけでもないので実際にそれを再現できるわけではないので大口かまして弟子達に繊細な技術うんぬんという理由を話さず、特に理由もなくチョイスした風に装ってのんライ風にかなり簡略化されたと思われる工程のマニュアル調理と生産アシストのオート調理にとりかかる。


生産アシストのオート調理は材料さえあれば設定した料理数の必要分だけ自動的に材料が減り、確かに自動で計測されるのだが。。。


見ての通り最小単位がインベントリーでの単位なのだ。オート調理をした場合使われたインベントリーの最小単位で使った食材は消えてしまう。

それがどういうことを示すかと言えば分かりやすく例を出して説明するなら例えば砂糖と小麦粉だけで作る料理があったとしよう。

この料理に使われるのは砂糖10gと小麦粉30gだったとする。そしてインベントリーの最小単位が砂糖が1キロ小麦粉が500gだった場合

砂糖を使いきる基準だとお菓子は100個作ることになるので砂糖は1個、小麦粉は三キロ分つまり6個必要になる。

もしここで50個だけの生産で良いと思った場合小麦粉は半分の3つ用意すれば良いが例え砂糖の使用量が半分の500gだったとしても残り半分は虚空に消えてしまうのだ。

つまりこの場合は100個単位で生産しないと一個あたりのコストが増えてしまい、店をやってるなら値段を上げないといけなくなってしまうという問題がある。

先ほどはたった2つの食材で例えたが大体の食材はそんな少しの食材では作れないこれが6つの場合、

きっちり無駄なく作ろうと思えば最小作成単位は更にはね上がるのだ。



なのでオート調理を利用する場合、基本的には大量に素材を用意し、大量生産するしかない。無駄を嫌う生産プレイヤーの場合は比率をきっちり計算して全ての素材が完璧に使用しきる最小公倍数に合わせて調理をするのだ。

俺の場合は面倒くさいので1番~3番目に惜しい素材以外はそこまで気にしない。

そしてオート調理は始まったら終わるまでの時間は何があっても動作キャンセルできない。そしてその速度はそのプレイヤーの器用ステータスや俊敏ステータスと料理熟練度に依存する。

普通のプレイヤーの場合生産技能は上げてせいぜい2~3種程度で道具からの使用熟練度ボーナスもせいぜい15種位あれば良い方なので大量の料理のオート調理を1度始めたら後は終わるまで淡々とボタン操作を8時間位繰り返すのだ。

まあおれの場合はそもそもインベントリーの最小単位を丸々使わなきゃもったいないという理由で大量生産なんてことするくらいならマニュアルでやるから比べることじたいナンセンスなのだが20倍以上速度差はあるんだ。何故なら普通の生産職プレイヤーは武術系の武器熟練度ボーナスなんてほとんど無い若しくは少しの種類か弓矢だけとか長剣だけとか決まったカテゴリーの武器熟練度ボーナスの恩恵しか得られてない。

つまり器用ステータスはそこそこあっても俊敏ステータスが貧弱なのだ。

実は弟子達にありとあらゆる道具や武器での壁殴り訓練をやらせてたのは身を守るだけでなくこの無意味に思えた下積みが生産系にも繋がるからだ


まあ和菓子の良いところはインベントリーの最小単位で作るアイテムがそこまで高価じゃないとこもあるがな。

大量の在庫はできてしまうが訓練の合間に出すとか差し入れに使ってけば消化できるだろうしまあ良いだろう。


という訳でオートスタート。

流れるような速度で淀みなく次々と完成してく饅頭の山だいたい2000個位でやっと止まった。

「オート調理は最小単位を消化しきるまで止まらん。まあだから計量は確かにしてくれるけど専門店じゃないとこうなった後の処理に困るんだ。」


「とりあえず次はマニュアルで作るから見ててくれ。」


軽い口調で言ってるがまさかの結果に唖然とする弟子達。

ちなみに有名な大量生産事故は初心者が高難易度をうっかり大量生産やるとSPが足りなくて途中で気絶し、睡眠による自然回復で起きてからも止めることができずにひたすら気絶を繰り返す。例のネタアイテムで町中に放送された気絶配信事故だな。1週間位ずっと続いて起きては作業して気絶する。

普通は高難易度食材を入手できる頃にはSPも器用も俊敏もある程度育ってるからこんな事は起きないんだがタイアップアイドルをわざわざ専用アバターまで用意して起きた事故で、必要以上にその場に材料を積み上げてしまったスタッフが悪い。

大量生産モードの設定時にアイドルは言われた通り1を選んだだけなのだ。

単位がK(1000)がだっただけで。。。

あれ、遠目に見てる分には笑いごとで許されるが本人や所属事務所からしたらたまったものではない。

一週間ゲームの中で拘束されるということは仕事のスケジュールも全てそのアイドル都合でのキャンセルとなり、経歴に傷がつくのもあるが、そのアイドルじたい、本人はどうすることもできないので一週間強制介護生活になるのだ。食事は点滴すれば良いがしもの世話とかお風呂とか色々とヤバいのだ。

まさか30分企画の為にそんなことになるとは思いもせずこの事件により運営に通報すれば強制ログアウトできるような機能がつくようになったのだ。そしてデスゲームではそんなアイドルの悲劇のおかげでゴールがあると思えばこのデスゲームが終わったらオワコン扱いされたアイドルが救世主として再び返り咲くことになるだろう



お菓子は作った事がない人が想像する以上に砂糖を使う。

餡を作る過程でも同様だ。

しかしながらマニュアルには決められた計量をした通常化バージョンの他にも作ってる工程で味変をその場で数種類仕込む事が可能だ。やり方によってはその砂糖を他の物に代用したり、疑似糖に変えることも可能だ。まあしないけどな。

つぶ餡、こし餡、つぶし餡、小倉餡まあこれはただの処理の違いでその材料を変えたり抹茶を加えたりでその種類は膨大だ。まあ結局どれも1人あたり1種類に20個位ずつ作っておく、20人に一種20なら400個だなそれをざっと20種位もあれば色々と食べ比べの発見もあるだろう。


結果的に一種あたり400個それが20種で8000個の饅頭を弟子達の前に見せた。


凄い手間隙かけて作ったのを見たのは初めてなのだろうからこれを物凄い速度でこともなげにやってみせればちょっと圧巻させられるだろう。


まあそんなおちゃめなイタズラは置いといてとりあえずオート生産の饅頭と同じマニュアルの饅頭だけを味比べしてもらう。

こういうのは下手にうんちく語るよりも実際に食べた方が分かるからだ。


そして弟子達はオートの方を1口食べて固まった。



ん?



んん?




あ、神(運営)のイタズラか晩餐演出無駄に長いよな。。。


そんな益体もないことを思いながらどうせ余るオートの饅頭を口に放りこんで再起動するのを待つのだった。


やっぱ和菓子面倒くさいから何度もやりたくなくてついつい大量に作ってしまう。

1個作るのも400個作る手間も変わらないと思う位には工程での区切りがめんどくさい。。。


まあ1個だけ作ることもできたけどこの後絶対おかわりするからな。。。


あ、孤児院に夕食の調整連絡入れてないわ。。。

オート饅頭貢いで機嫌とっとこう。


その後予想通りマニュアルの方が美味くておかわりの要望をかわして「夕食後に他の種類食べてみたくないか?」という言葉を多分邪悪な笑みで唆してなんとかごまかしたのだった。


ってかマニュアルじゃなくてオートで作ってもあれ(神の晩餐)出るんだな



生産修行が始まった後、オート調理で作ってからマニュアルでも作る為、定期的に弟子達の作った自分達で処理できない美味すぎる料理やスイーツが今まで従業員の斡旋とか以外ではあまり見向きもされてなかった調理ギルドから販売されることになる。


あれ?計量の重要性教えるつもりだったのにどうしてこうなった?



ちなみに後日この日伝え忘れたオートとマニュアルでなんであそこまで味が違うのかの疑問の答えとして毎日温度、湿度で変わる調理の加工時間や分量を細かく調整できるマニュアルの方が美味くて当然でマニュアルで作るには計量がかなり重要なのだと伝えた。

(うっかりしてたがお菓子よりも料理の方が説明としては適切な例を出せたが黙っておいた。

オート調理の特性として塩一つまみの調整とかこしょう少々とかまでやっちゃうととんでもない量の料理を作らないといけない設定上その繊細な調整なんてできないよなwww)


逆に言えば毎日同じ最高の環境を与えてやればオート調理の方が均一に美味いんだがそれ言うと後の影響が怖いので敢えて黙っておいた。


うん、一定の環境で作られる工場生産も美味いよな。。。

なんで不味いとこもあるのかって所突っ込まれると指示されてた温度や湿度管理を怠ったり、材料のコスト削減とか混ざり物とか添加物とか闇が出てくるから絶対に言わないけど。。。


筆者からの一言

これはあくまでもゲーム内での設定です。

職人さんの作る料理も大量生産される料理も最高です。


ごめんなさい。

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