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ラブリーファンタジー  作者: 由自不
デスゲームサーバー(仮タイトル)
12/83

10 プロジェクトG始動

先日の肩慣らし生産デーではまだ準備不足で農業ギルドや漁業ギルドそれに狩猟ギルドといった生産職と言っても食を支える側のギルドやいつの間にかできなくなってしまった『料理』も対象外とされていた。


まあ先にあげた3つのギルドは何もない空き地から食料なんて産み出せる訳も無いので仕方のないことだったのかもしれない。


後は敢えて避けてやってないギルドもある。それは服飾ギルドだ。

これは前々から計画されていたこれから行うマル秘計画の為の布石なのだ。



この計画には姉ちゃんと深雪のみが情報を共有している。本当は姉ちゃんだけにする予定だったのだが姉ちゃんのアドバイスに従った結果だ。


先日のデモンストレーションのような生産に踏み切ったのはもう1つの側面があり、あのギルドの中にどうしても優先的に素材の優遇協定を結びたかったギルドがあったからだ。


とある計画に基づき俺は深雪を連れてギルドに訪問させて頂いた。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


不安に苛まれる俺の服の端をきゅっと掴むだけの深雪からの心遣いを感じる。

大丈夫うまくいってる。

自分にそう言い聞かせて今回はGの代理人としての訪問だ。


先日作り上げた魔道具はこの世界にはない概念で作り上げられた作品も多く、品質評価は素晴らしくとも何の為の魔道具なのか、またどうやって使えば良いのか、他の職人がこれを量産するために落としこめる妥協ライン等のアドバイザーとしてここに訪れている。


そしてここには俺の天敵である職人の女性プレイヤーが職員として在籍しているのだ。先日とは違い今はぬいぐるみをつけてない。

恐怖心に苛まれるたびな深雪は服をきゅっと掴んで引き戻してくれる。

今回の提案品は氷の装飾具をプレゼンさせてもらった。

本音では冷蔵庫やクーラーの方を優先したかったが流石に天敵の前でプレイヤーを匂わせることはしたくなかったのだ。


しかしながら氷の装飾具は実はプレイヤーの彼女にも突き刺さる自信作のつもりだったのだが。。。


まさかの敗北である。

想定と違うことに焦りながら説明を聞き、2年の歳月の残酷さを突きつけられた。

美に感心のない女性等もともと居なかったのだがこの閉じられた世界ではその努力するモチベーションの対象の男が居なかったのだ。


端的に言えばこの商品のコンセプトの日焼け止め効果でいけると思ってたのでこれは大誤算だ。


そっか。。。言われてみれば女性NPCに比べ出会った当初の姉ちゃんや深雪達はどこかお洒落とは縁遠いようなイメージがあった。

孤児院はともかく女性ウェイターや町中のNPCの着飾り方に比べて化粧等に全然力を入れてないのだ。


うーんこれは実用品主体でいくべきかと思案してた所で深雪からの助け船が入った。

深雪がバックから取り出したのは石鹸とシャンプーとリンスなのだ。

着飾ることや美を保つことへの重要性は確かにどうでも良くなっていたがまさかしたくても諦めざる得なかった物という絶妙なバランスの1品をここでアシストしてきたのだ。


そう、長い間できなければできない程恋い焦がれる気持ち良くお風呂に入りたいという欲求に、そしてどんなに着飾ろうがそもそも設定でキラキラしてる美女NPCの横で汚れが完璧な落ちきらない状態で着飾る方が虚しく最初からどうせ意味なんか見いだせなかったからと蓋をした問題部分の根底を覆す1手だった。


誰かの為じゃなく自分がそうしたいからするというこの気持ちを刺激する。


手札にあっても気づけなかった1手だった。


そこからはとんとん拍子に話しは進み、サンプルとして深雪が取り出したシンプルな3品と香りを楽しむことができる数種類のサンプルそして作っていたがここで出すとは思ってなかった石鹸製造キットと簡易版液体石鹸錬金セットもそのまま引き渡した。これは石鹸とシャンプーとリンスを誰でも作れる便利な魔道具だ。自分が育ててない生産スキルに対しての一定の品質を保証してくれるが、あるランクよりも上は作ることができないものなので俺の中では没作品の一部だったのだがここで出番があったとは。。。

交渉相手が少しでも早く使いたいということがひしひしと伝わってきたが更にだめ押しすることにした。


お風呂って準備がめんどくさいよな。。。って言えば伝わるかな?


そう冷たい川や井戸水では感動は半減してしまうのだ。どうせなら完璧な状態で楽しんでもらいたい。

俺は川の近くで簡易的な入浴施設を手軽に作れる魔道具セットも無償で提供したのだ。

ここで後ろめたさを感じさせないようにもし良かったら感想を聞かせて下さい。Gが次の作品の参考にしたいそうです。

という言い訳も用意して。


そこからは自然な形でとある魔道具を作成する為に優遇して欲しい素材も伝えることができて大満足だ。



1日が終わって俺を支えてくれた深雪に感謝を伝える。

深雪はとても嬉しそうだった。

「あたふたしてる()()()()()も素敵でしたよ?」


そう変身ポーションで今日の俺は女性として交渉の場に挑んでいたのだ。

男の俺が日焼け止めをプレゼンするのは露骨に不自然だし、好感度システムが起動すれば危険が危ない。更に手札として出す予定のなかった入浴関係だとセクハラ扱いになるだろう。

想像して欲しい。

不可抗力でやむ得ず身だしなみどころかお風呂に入れずずっと冷たい川で寒さに耐えながら最低限の清潔感だけは保ってきた彼女の努力を踏みにじるように暗に『お前らくせえからちゃんと入浴せえや』と言わんがごとく異性から入浴セット渡されるのと同性からあくまでも開発の参考にしたいからこちらを試して感想を聞かせて下さい。とでは同じ建前があったとしてと素直に届くかどうかを。


そして何より重要なのは変身ポーションと変身の魔道具の使い勝手の違いなのだ。

変身ポーションは1度使うと効果が切れるまでずっとその姿のままやり過ごさなくてはならない。しかも1度使うと再使用までのクールタイムが発生してしまうのだ。

そうなると俺と私の切り替えで、アリバイつくりも難しいし、男に戻ってきた後に女性はるちゃんに客が来ても対応に不便なのだ。


これで変身の魔道具が作れる。

秘書はるちゃんと謎の生産者Gをこれから使い分けるのだ。

そしてこれは同時に男性ではない外の顔を持つことで今まで好感度システムの影響に怯え使用を避けてきた施設への進出が可能になることも意味する。


そしてこれは今まで生産活動に停滞してた細かい問題を一気に解決へと導く会心の1手になるのだ。


それにそろそろあの娘達にも第3段階の修行を教えてあげたいのだ。その為の素材は俺が直接見極めなければいけない。以前は粗悪品でもやむ無しと半ばあきらめていたが事故なんぞ起きて後悔なんかしたくない。あの娘達は可能性の塊なのだ。


あの娘達は自覚してないだろうが既に俺と深雪と姉ちゃんを除いたプレイヤーのほとんどを凌駕する実力者なのだ。

そして誰にも搾取されないという絶対の実力と自信を身につけてからあの娘達にどこでも通用する職人の神業を教えてやりたいのだ。


それにあの娘達だけでもこの閉じられた世界の不足するアイテムを支えられるようになれば俺は安心して強制ログアウトの過酷なイベントへの準備を始めることができる。


こんな事を考えてしまうと少しだけ寂しくなってしまうが向こうの状態が分からないいじょうタイムリミットがあるかもしれない。いつまでもこの生活を享受して停滞してる訳にはいかない問題なのだ。


その後帰宅した後すぐに師匠にとして活動できる変身薬の残り時間が少なくなるまで深雪と2人で時間をつぶしたのだった。



多くの人々は知らない。閉じられて停滞し続けたこの世界で救世主Gが大きく動き始めたことを



~システムメッセージ~

プレイヤーはる、プレイヤー深雪への好感度上昇

プレイヤー深雪、プレイヤーはるへの好感度上昇

反映しました。

プレイヤーはるにかけられた呪いのひとつが解除されました

プレイヤーはるは師弟愛を、取り戻しました。

プレイヤーはるは、呪いの影響でプレイヤー深雪との絆システムの解放に失敗しました。

プレイヤー深雪はプレイヤーはるとの絆システムが解放されました。


師弟愛を取り戻したことにより、封印されてた好感度が一部のNPCに対して正常に働くようになりました。


プレイヤーはるはNPC孤児院の娘達への好感度が上昇しました。

NPC孤児院の娘達の好感度が規定値以上の為プレイヤーはるのステータスに反映されます。

NPC孤児院の娘達はプレイヤーはるからの好感度システムを受け強化されました。



このログは削除されます。


※直弟子の孤児院の少女達への『あの子達』から『あの娘達』への変化は誤字ではありません。

また孤児院の年長達が比較的ちょろかったのに比べて弟子達の好感度がMAXではないのは村を襲った盗賊の事件が原因です。


この作品のコンセプトは好感度で強化される世界で誰も愛せなくなった主人公が愛を取り戻す物語です。

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