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ラブリーファンタジー  作者: 由自不
デスゲームサーバー(仮タイトル)
11/83

9 微笑み~のばく~DAN☆

肩慣らし生産デー


その日の訓練はいつもと様子が違ってた。


壁殴りはいつも通り、第2段階の筋肉トレーニングもいつも通り。


しかしながら用途不明な物が円状に沢山並べられていた。


そしていつもは見学者なんていない広場の一角に馬車が待機していた。

彼らは情報統制を受けた苦境へとじわじわ追い詰められてるギルドの職員達だ。

最近まで悪い噂が後を立たなかった調薬ギルド長からの密命で特命を受けた男職員達だ。

もっともどうしても人員が居なかった一部のギルドはぬいぐるみをかぶって静かにその時を待っていた。


「今日はいつかお前達ができるようになってもらう生産を見学してもらう。

イメージがあるかないかでは今後に大きく違ってくるから良く見ておくように。


って言ってもまだ準備不足で全部はできないんだけどな」


そう今日は到達点の頂の技術を見る大事な機会だ。生産訓練もまだやってなくて何も教えてないのにいきなり見稽古という若干理不尽な状況だがそれはあくまでも何もしてこなかった一般人の場合だ。

この子達は曲がりなりにも武器としての運用が絶対に間違ってる物を武器として壁殴りさせてきた子達だ。

壁殴りさせてきた生産道具の種類の数だけわずかずつだが着実に生産熟練度が上がってきてるのだ。

知識無しだがな。。。


最初は慣れてるポーション作成だ

「じゃあ一番簡単なポーション作るから見てろよ」

俺は円の12時の方向を向き道具の前に立つ

『クリーンウォーター、クリーンウォーター、クリーンウォーター、クリーンウォーター、クリーンウォーター』

『エアードライ、エアードライ、エアードライ』

『ピュアクリーン』

「まずは基本だが生産職は必ず手を洗え。そして器具を洗えそれから素材の状態を見極めろ。これは全ての生産の共通だ。今は理解できなくて問題ない。そういうもんだと聞き流せ。」


「それからこれはおれ独自の教えだが職人の手は極めれば奇跡を産みだす無限の可能性のある宝物だ。手をおろそかにするな。わずかにでも違和感があったら仕事を放棄してでもすぐに医者に行け。それから普段から手は労れ。可能なら全ての作業は手袋を通しても素手と同じ精度で読み取れる位に手に感覚を研ぎ澄ませろ。」


「じゃあポーションから始めるぞ

『クリエイトウォーター、ホーリーヒール』

まずポーションは水が命だ。これが悪いと品質が数段階落ちる。」


「魔法が使えない場合はこの器具を使う。これは1時間程前に酌んだ井戸水だ。通常そんなに前の時間に酌んだ水を使うなんてもっての他だが今回は(蒸留と濾過)の2つの技術を使うので問題ない。」


「これが濾過の簡単な仕組みだ仕組みそしてこれが蒸留の簡単な仕組みだ。


質問は今は受け付けない。


水の準備が一番大切だ。」


「次ポーションに溶かす薬剤つまり薬草だ。今回は薬草の特性については説明しないが加工方法については他の技術にも通じるので説明する。

1 細かく刻みつけてそれをすり鉢でごりごり潰したものを布にくるんで絞り出す圧搾。

2 切り口を数ヶ所つけてアルコール等の油で抽出するアルコール浸透

3 徹底的に乾燥させたもの

4 果物や麦等の酵母を利用して発酵させるもの

5 妖力を用いて余分な成分のみを取り除く邪法調薬

6 1~3に対して魔力で加工する魔法薬学

7 錬金釜を用いた錬金術これはこれまでのやり方の中で妖力以外を用いた方法

8 最後は仙術を用いた秘伝の方法


品質を上げるには適切な採取、適切な洗浄、適切な保管、適切な準備ここまでの段取りが8割だ。これができればどんなにくそみたいなやり方でもポーションはできる。


そして残り2割がうでの見せ所だ。


今回は一番オーソドックスなやり方で究極なポーションの見本を見せる。」


俺はそこから流れる動作で井戸水を濾過、沸騰さて、蒸留が始まると同時に冷却水を器具に差し込む。

水は一端放置し、薬草の悪くなった部分だけ素早く切り捨て、まな板の上でみじん切りにする。そのままそれを取り皿に入れ普通の鍋に反応を加速させる試薬を1滴加え、その間に薬草を切り刻むのに使ったまな板と包丁を洗浄する。


蒸留した水を鍋に入れ、必要ない工程だが子ども達に分かるようにあえて水温計を入れて温度を調整する。適温になったら素早く火から遠ざけ取り皿の薬草のそのまま鍋にぶちこむ。


「今回は完全に魔法や便利道具を使わないやり方だから普通はこんなふうに鍋の側面にくっつかないように気をつけるが道具や魔法を使うなら混ぜたりしない。」


「何をやってるか分からなかったと思うがこのままフィルターでポーションに成分が移った薬草の残骸をこしながら保存容器に入れたら完成だ。」


「うん。分かってたが市販品より品質が高すぎるな。。。まあ今日だけは特別だから良いだろう」


「次は俺が本気で魔法ありでやるからまばたきすんなよ」


『クリエイトウォータークリエイトウォータークリエイトウォーターエアードライエアードライエアードライピュアクリーン』


『マジックウォーター、ウォーム』

ここまで一気に器具の洗浄と水の準備

『マジッククリエイト、ミックススラッシュ』


『ミックス、フィルターオン』

完成ここまで10秒もかかってない

「ふむ。品質が良すぎて失明治るレベルだな。性能良すぎて店に出せねえ。。。」


まあ今日は特別出血大サービスだからこれでちょっとだけ量産すっか


それから約20分間

今度は魔法で区切るのではなく設置した魔法に薬草だけを移動させて器具すら使わずにどんどん量産してく。


ふむやっぱり日に日に性能上がっちゃうな。。。手加減難しいわ


「お~い調薬ギルド講義終わったから取りにこい普段の3倍だ。持ってけ。後、いつもより性能良すぎるから少量ずつ使うよう言っとけよ。いつもとラベル違うからよろしくな」


んじゃ次は魔法付与だけで済む魔道具ギルド片付けちゃうか

「おーい魔道具ギルド~悪いが付与するもん全部近くに出してくれ。」


「悪いが魔法はまだ教えると危ないからこれは解説抜きな。とりあえずさくっと終わらせるから見とけよ」

流れ作業で手をかざしては「はい次」「はい次」「はい次」「はい次」と消化されてく。

余りにも早すぎる速度に鑑定が追い付かず他のギルド職員も手伝ってあちこちからその鑑定結果に悲鳴があがった。

全て終わった10分後には全員放心してた。


「んじゃ次は魔剣付与すっから火属性並べてくれ

終わった?ほい一括付与終わり

次水属性よろしく

ほい一括付与

ほい終わり

ほい終わり

雷「ちょっww雷だって」

そだよ早くせい!

俊敏

癒し

怪力

一回使い捨て消滅

雷以降の未知の付与に回せる剣が無くて自分たちの護身用の剣や売り先が決まってた剣すら全部出してとりあえず付与に出せ的な空気ができてしまってた

「あ、危ないから試しうちは町から遠くで町がない方向に向かってやってね。」


その日一発だけ空に試し打ちした馬鹿はその恐ろしさに魔剣が怖くなったらしい。


「次鍛冶やるかちょっと魔法の炉だから出来悪いけど、どんどん打ってくんで鉄よろ」

その後も次々と生産ギルドの面々は性能悪いってなんだっけ?と首をかしげながらそれぞれの分野での爆弾を抱えて帰ってくのだった。


「ほいお疲れさん。中途半端な時間だけどたまには買い物行くぞ~。まずはバックだ次は服だ。後はおもちゃでも欲しいものでもどんどん持ってこい。それが終わったら孤児院の皆誘って食い倒れだ~

最高レベル見たからってびびんなよ。俺は片手間だけどお前らだってあれくらいなら真面目にやりゃ~作れるようになっからな。」


調薬ギルド視点

まさか前半の丁寧な講義が終わったと思ったらあっという間に普段の3日分を半刻足らずで完成させてみせた。

しかも聞き違いでないならいつもより手加減が難しくて品質が良すぎて売れないという言葉が聞こえた。

きっと聞き違いだろう。


なんか瓶に詰める作業に一番てこずってるように見えた。(それでも1度に20本ずつ瓶詰めしてるようだったが)


その日出されたラベル付きポーションは保存期限切れで最前線から再起不能として後送された退役予定の軍人への最後の選別として使われ、軽い痛み止めのつもりで服用されたのだが損失した四肢どころか古傷果ては不治の病でやけになって戦場で暴れまわっていた者の癒せぬはずの病さえも消し去ってしまった。


救世主がこの世界を去ってから数年たつが人々が忘れた頃にやってくる微笑みを産む爆弾が今日もどこかで奇跡を炸裂させるのだった。



そしてどこかで今日も誰かの悲鳴が聞こえる


あれくらい作れるようになるって師匠の嘘つき~四肢欠損は治せても不治の病なんて無理だよ~


孤児院に隠された生産秘伝書抜粋

調薬に妖力か仙術使えば疑似エリクサー作れるから大抵の病治せるよ。ちなみに魔法での別解は聖女様にホーリーヒールの付与を協力してもらわないと無理だから諦めろ☆

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