第30話 神獣現る
消えなくてよかったと心から安心しているにんしりです。
いよいよ熱くなってきましたね。自分も描きたい所がかけて嬉しいです!
夜とティア、ユミルは森へと一歩を踏み出すと、そこは一歩手前とは別世界のようになっており、草原と森の境界線では何かあるのではないかと思わせるほどに一歩ですべてが変わった。
そんな所がこの「魔の森」の怖いところだった。
魔物は草原で歩いている奴らとは種類は一緒でも戦闘力や頭の使い方がかなり違うのだ。
そんな場所なのにも関わらず、氷魔法で凍らせてしまっているため気温がかなり低く体力が奪われやすい。
だが凍らせて悪い事ばかりではなかった。
魔物の量がかなり減っていると報告が入っていた。
それは今回は良かったのだが、他の森や草原に散らばっているため何処で知能の高い魔物と合うかわからない状況でもあった。
「ここからは静かに行くぞ。話しても小声でな。」
「「……了解(了解)」」
そこからは周りを警戒して全員黙り込んでいた。
夜はこちらに近づいてきている、人型の魔物を感知し、みんなに知らせる。
「斜め右の方向からゴブリンと思われる魔物が10体かな?来るぞ。」
「疑問形なんだね……」
「……夜は大丈夫」
ティアからの謎の厚い信頼感に夜は緊張しながらも、ゴブリンが姿を現すのを隠れて待つことにする。
一分も経たないうちにゴブリン達は木の上と下から姿を現す。
数は上と下合わせて10体だった。
「当たりだな」
「何で安心してるの?」
「……だから言った。大丈夫って」
敵を前にして余裕の会話をする3人。
ほかの冒険者とは違いティア以外の2人はギルドランクが高ランク故にゴブリンなど眼中に無い存在でしかなかった。
ティアもゴブリン相手でも無双をしていたことを考えれば余裕だろう。
「3、2、1。行け!」
「……了解(了解)」
隠れていた場所から3人は一気にゴブリンたちへと詰め寄る。
ティアは糸に魔力を通して3体同時に頭を切り落とす。
ユミルは気の上の3体を風魔法を刃の形にした形状に変え胴体を真っ二つ。
残り4体を夜は魔法なしの抜刀だけで一瞬で全員斬る。
一瞬で片付いたゴブリンは回収すると思いきや、一切手をつけずにその場をあとにした。
今の夜たちにはその時間すら惜しいからである。
もし見つけた場合は無属性のライトを打ち上げるように言われているが、さっきから一向に打ち上がる気配がなかった。
「なぁ、神獣がでかいのは知っているがここまで分からないものなのか?」
「それが謎なんだよね……」
「……今回の調査はいる前提で行われていた。でも一瞬で消えたとなれば、いない可能性十分にもある。」
「ティアの言う通りだな。だがルノアは緊急招集をした時に俺達に、討伐をしてくれと言っていた。確実にいる前提なんだよな」
「あれこれ考えても分からないよ。探すのが一番!」
「いないことを祈るしかないよな……」
それから3人はどんどん奥へと突き進んでいった。
しばらくすると、本当なら奥へと進むほど暗くなっていく森なのにも関わらず、1箇所だけ光が大量に差し込んでいる場所があった。
「なぁ、あれが現れた場所じゃないか?」
「あそこにいたりするかな?」
「………それはぜひともやめて欲しい。」
3人は恐る恐る近づいていく。
足音を立てずに隠れながら近づいていくも、やがて開けた場所に出た。
その先で見たものに対して3人は驚きを隠せなかった。
「!!!!!なんだこれ……」
「え!?!?!?!?」
「!!!!!」
そこに広がっていたのは異様な後継だった。
そこには穴があった。ただし普通の穴とは比べ物にならないぐらいの穴だった。
深さは完全に奥が見えなかった。
奥は完全に闇の世界になっており、恐怖を感じさせるような穴だった。
「なぁ、この穴どう見る?」
「え〜と、神獣が出現した場所だということしか……」
「………私も同じ」
夜はその返答に困った。
夜の考えではこの下にいるのではと考えていた。
全く気配が感じられないのはかなり奥にいる可能性があること、何らかの妨害が張ってあることだった。
神獣が一瞬で消えたことを考えればその考えは不思議にはならなかった。
いつの間にか3人以外にもこちらに合流した冒険者達が集まってきており、不思議そうに下を見ていた。
(他に考えるべきことは、何で地面を掘るひつよ…)
ドンッ!!!!
夜が考えている時にそんな激しい音とともに地面が激しく揺れる。
皆がその現象に動揺しあちらこちらで声が上がる。
「何が起きてる?」
「さぁね、でもやばそうな事はわかるよ」
「………コク」
夜は揺れに耐えながらも下を見てみることにした。
夜が顔を覗き込んだ次の瞬間、下から紫色の目をした何かが動いた。
キュオオオオオオオオ!!!!
穴の底から発せられた声はとても甲高い声だった。
だが冒険者達を動揺し恐怖させるには十分な声だった。
夜はまずいと思い頭を引こうとするも下から、六角形を描くように6個の大きな火の玉が突如現れ、その一つが夜目掛けて襲ってくる。
既に誰も下を見ておらず、夜に火が来ていることは誰も知らなかった。
つまりは1人で、でかい火の玉を避けるしかなかった。
「全員下がれ!!!!」
夜に放った火の玉だろうが、もしも周りに行ってはと思い、声を張り上げて忠告する。
殆どのものがしっかり背中を見せずバックステップで気を避けつつ下がっていく。
一部の者が背中丸出しだが、まだ未熟だとすぐにわかる。
ティアとユミルも同様に下がるも夜が一向に下がらないことに疑問を持つ。
「夜!何してる!一緒に下がれ!」
「決まってる!対処だよ」
ユミルは下がれと叫ぶが夜は1人でなにかするつもりらしい。
ユミルは怖いが夜の元へと走っていくことにした。
だがユミルが決断している間にティアはとっくに駆けており、その瞳には一切の迷いがなかった。
だがふたりは間に合わなかった。
それ故に夜は1人で対処をした。
夜に向かってやってくる火は、だんだん速度を増していた。
「とりあえずは冷却だな。」
夜は火の玉目掛けて氷魔法を使い、一気に冷ますことにした。
だが
(……っ!!消えた無いだと!?)
消えるどころか火の玉は物凄い速度となり、それが夜にぶつかる。
いくら夜でも大きさを考えれば、避けれるはずも無かったため、周りだけ退避させた。
目の前にかなりの魔力を圧縮した氷のバリアを張るが……
「ぐッ!!!」
そのあまりの力の大きさに火と共々空へと上がる。
それは止まることを知らなかった。
(これは不味い!何処かでここから離れないとやられる!)
そう思っていた次の瞬間、火が一瞬だけ膨らむ。
(爆はっ!………)
ドン!!!!!!!
そんな大音量の爆発音が上空で鳴り響く。
「夜!!!!!」
ティアが心配の気持ちを一心に込めて叫ぶ。
だがその心配も必要はなかった。
何かがユミルとティアの後ろにドサッと落ちると、そこからは慣れ親しんだ声が聞こえてくる。
「ぐッ!!くっそ、腕と足と胴体の一部が火傷してるな。体動かすと痛いな。やってくれたな……」
「夜?」
「ん?ティアとユミルか、心配かけたなってティア……今は泣いてる暇ないぞ?」
夜は目の前を見るとティアとユミルがおり丁度よく後ろへと落とされたのだと知った。
夜は気軽に声をかけるもティアの目は今にも涙が溢れだそうとしていた。
今にも抱きしめてやりたい所だったがあえて冷たくするという選択肢をとった。
その意図をわからないユミルとティアではなかった。
「無事で良かったよ。」
「すまないな。だがそれは終わったあとのセリフだな。」
「そんだね。もう出てくるんじゃないか?」
ユミルがそう言うと地面がまたもや揺れる。
次の瞬間、穴から巨大な黒い狐が現れた。
所々に紫色のラインが入っており、夜の知識にある神獣とは比べ物にならないぐらいの大きさだった。
キュオオオオオ!!!!!
その鳴き声は大地をも揺るがす鳴き声だった。
その姿に冒険者一同が恐怖し固まる。
だが3人だけは違った。
「出てきたな。想像以上のでかい。まぁ、そんなことはどうだっていい。この傷の仮しっかりと返させてもらう。」
「僕もかなり怒れてるんだよね。仲間を傷つけたこと後悔させてやる!」
「……夜を傷つけたこと、その身で償うがいい」
この3人だけは戦意喪失は全くなく、寧ろ姿を見た瞬間に殺す気満々だった。
「さて行くぞ!!」
夜の掛け声とともに3人は飛び出した。
今回は本格バトル前で終わりましたが、しっかりと日にちを守って明後日に更新します。
作者)え、えーと、今回は殺意満点の3人をお呼びしました
夜)早く殺らせろ
ユミル)夜、怖いことをコーナーで言っちゃダメだよ。思ってることは僕も一緒なんだから
ティア)……はやく
作者)(やってられるか!怖いわ!)以上、後書きコーナーでした!




