第28話 当日の移動
日が空いてしまいました。すみません!投稿時にエラーが発生してこの1話だけが都合よく消えてしまいました。
「今日はいよいよ神獣討伐の日よ。冒険者であるあなた達にこの国が守られるか掛かってるの。」
今、夜とティアと冒険者一行は王国の門の前に朝早くから集まっていた。
理由はもう言うまでもないが、神獣討伐の出発の日だからだ。
この日のために冒険者一行は一人一人色んな努力をしてきた。
それは夜もティアも一緒だった。
夜は知識はあってもそれを実行できるだけの力がなかったため、それを実行できるように力をつけていた。
もちろん、皆のために荷物をアイテムボックスに入れたりなど、自分のことだけを考えていたわけでもなかった。
(もう、この日が来たか。正直にいえば不安なことだらけだが、負けるわけにもいかないからな。)
流石の夜も不安に思っていた。
だがこの不安は夜だけではなかった。
夜のように声に出していないだけで、今にも逃げたいと思っている人は冒険者一行の大半を占めていた。
だが今更引く訳にもいかないために頑張ってこの場にいるのだ。
そんな雰囲気を感じ取っているルノアは今、冒険者達の前に立ち気合を入れさせようと演説のようなことをしていた。
出発前の気合入れだ。
「私たちは負けるわけには行かないわ!絶対に生き残り、残りの幸せな時を過ごすのよ!」
「「「「おおおおおーーー!!!!」」」」
ルノアからの言葉に冒険者達も気合を入れる。
夜とティアも叫ばなかったものの、内心ではしっかりと気合を入れていた
夜はティアと一緒にルノアの方に近づくと疑問に思ったことを聞く。
「ルノアは参加しいないのか?」
「えぇ、ギルドを空にすると王国にもしものことがあった時、対処できないでしょ?」
「……騎士団が動くと思うけど?」
「確かにそうなんだけどね。でも、何かと王国の上の人がうるさいのよ。何かある度にギルドは荒くれ者の集まりだからと責められるのよ。」
「王国の貴族様の中にはギルドを気に入らない奴らもいるだろうからな。」
「頭の回転が早くて助かるわね。心苦しいけど私はいけないわ。」
「俺達は攻めてるわけじゃない。ちゃんとした理由があってのことだ、しょうがないだろう。」
「そう言ってくれると助かるわ。」
ルノアはギルドマスターという上の立場がある為もいうことで今回神獣討伐に参加出来なかった。
だが夜達は決して攻めるようなことはしなかった。
確かに今は1人でも戦力が欲しいところだが、正当な理由があってのことだからと冒険者一同しょうがなく思っていた。
ルノアとの話が終わり振り返ってみると門のところで皆が馬車を用意して出発の準備をしていた。
夜もティアに準備をしようと一言呟いて予め用意していた馬車を整列させようとするが自分の馬車がないことに気づいた。
探してみると冒険者達の中に自分の馬車が並んでいることに気づく。
馬車の並び順というのは決して適当というわけではなかった。
夜とティアとユミルは主戦力ということで冒険者達の真ん中で道中の戦闘を避けるようにして移動してくれることになっていた。
馬車はしっかり真ん中に止められていた。
不思議に思い夜とティアは近づくと馬の手綱ユミルがいた。
「悪いな。馬車を動かしてくれて」
「いいよ。僕達はパーティーだろ?」
「……あくまで臨時」
「それを言われると痛いね」
夜はユミルに礼を言うがユミルから返ってきた返事にティアは厳しく答える。
それを聞いて夜は思う。
(ティアはユミルのこと嫌い過ぎやしないか?今回の討伐で支障が出ないといいけどな。)
夜は思うが、ティアとしては気に入らないものは気に入らないのだと前に相談した時に近しいことを言われたのだった。
ユミルとしてもここまで言われると傷つくが必死に近づこうとしていた。
夜もそれを助けようとも思うが本人が嫌がるのではしょうがないとティアの事なので積極的には出来なかった。
いつまで考えていても仕方が無いと思い夜は動くことにする。
すると1人の鎧を着た男がこちらに近づいてきた。
最初は誰かわからなかった夜とティアだが近づくにつれてこの国に来た時の記憶が蘇る。
「久しぶりだな!夜!」
「ガルムか、そうだな。懐かしいな」
「おう!夜もそっちのお嬢ちゃんも元気そうで何よりだ」
ティアは夜に馴れ馴れしくしているこの男が誰かわからず警戒し威圧していた。
それを察した夜はティアに話す。
「ティアが気絶している時にこの王国の門番をしていた人だ。ティアが知らないのも無理はないな。安心しろ、この人は大丈夫な人だ。」
「……そう」
ティアにそう言うと分かってくれたらしく、大人し
く威圧を解いてくれた。
ガルムは笑いながらティアに話しかける。
「ハッハッハ!ビックリだ!嬢ちゃんがこんな威圧を出来るなんて一瞬引いちまったぞ!」
「まぁ、結構な威圧だったのに、ちょっとだけ引いたで終わるガルムも相当なものだな。」
「お前さんのは多分耐えられんが、嬢ちゃんには負けてられないな。」
ガルムの発言に呆れてため息をこぼす。
さっきからガルムは完全にこの場にいる者の強さを測っているのだ。
そんなことが出来るのはある程度強くなければならないのだが、それが出来るということは相当な手練だと夜は考えてため息をこぼした。
どうやらティアには勝てるということだったが、夜も正直ティアに勝てるならなんで門番をやっているんだと考えていた。
そんな質問をしていれば時間を食ってしまいそうなので、その質問はまたの機会にした。
「夜とティアちゃん、どうやら僕達待ちみたいだ」
ユミルが突然口を開く。
その発言を聞いて夜とティアはあたりを見回すと準備を完了した冒険者達がこちらを見ていた。
「おっと、悪いな!門開けてやるからな!負けんじゃねぇぞ!」
「言われなくても負けるつもりは無い」
「そりゃ、頼もしいな」
そう言ってガルムは振り返り門へと歩いていった。
夜とティアもそれを見届けると荷台へと乗り込む。
いつの間にか周りには街の人たちが集まってきており、門がゆっくりと開き始めると同時にいろんな声援があちこちで飛び交い始める。
「頑張れよ!」
「負けんじゃねぇぞ!」
「王国を守ってね!」
そんな心地よい声援と共に冒険者一行は門の外へと出ていった。
「暇だな」
「……コク」
今夜とティアは王国を出てから数10分が経っていた。
定かではないのは時計がないからだ。
雑魚魔物は周りがすべて倒してくれているため、夜とティアは何もしなくていいという状況なのだが、それがかえって暇になっていた。
前線で戦うための皆の計らいなので大人しくしているが娯楽がないこの世界ではこんな時にやる遊びがない。
「ユミル、お前は風魔法はかなり使えるほうなのか?」
前で馬車を運転しているユミルに聞いてみる。
ユミルの魔法をしっかりとは把握していなかったことに今更ながら気づいた夜だが今は暇なため色々と作戦をねることにした。
「僕かい?僕の魔法は一般の人たちよりは上位だよ。魔力保有量がかなりあるんだ。それでも君には程遠いけどね。」
「正直俺と比べることはやめた方がいいと思うが…まぁ、そんな事はいい。広範囲の魔法は何発打てる?」
「超広範囲なら2発、広範囲なら6発だ。」
「結構な魔力量だな。驚いたぞ、サードなだけはあるな。」
「ありがとうね。夜は超広範囲は何発?」
「正確にやったことがないんだが、10発はいくぐらいはあるな。」
「と、とんでもないね」
「……すごい」
夜の発言にティアとユミルが少し引いていた。
超広範囲魔法は実践ではあまり使えないのだが気になるため魔法使い同士は聞いたりするのだ。
実践で使うとなると一国軍隊対一人で軍隊にぶっぱなす感じになるのだ。
味方がいるとその人たちまで巻き込む形になるため、今回は使うことはないと考えていた。
「そう言えば、夜は魔力が見えたりするのかい?」
「魔力を見ることは出来ないな。そんなことが出来る奴がいるのか?」
「いるらしいんだよ。もしかしたらと思ったけど流石にないか。」
「魔力が見えたら魔法の攻撃パターンがすべて丸見えだな。」
「その人は魔法は使えなかったけど魔力を見る力で剣だけでのし上がった人らしいんだ。」
「ぜひ欲しい能力だな。」
魔力保有量の話をしているとふと夜がまだティアに聞いていなかったと思いつき聞いてみることにした。
「そう言えばティアの魔力保有量を知らないな。広範囲魔法は何発打てるんだ?」
「……私は超広範囲は打てない。広範囲は2発」
「意外だね。多分僕よりも強いだろうけど魔法の使い方、戦い方が上手なんだろう」
「前にゴブリンと戦った時も上手い戦い方をしていたな。俺も学ぶものがあった。」
「へぇ〜、夜も学ぶことがあったのか僕もぜひ見ていたいな。」
そんな他愛のない会話をしていると直に「魔の森」が見えてきた。
周りの空気が途端に張り詰めたような感じになる。
「さて、着いたな」
「こんな近くに来ると威圧感が半端ないな」
「……頑張らないと」
とりあえずは森の前で一晩明かすことになっているため、次の日から調査に乗り出すことになる。
明日は命運をかけた激しい戦いになることはこの時はまだ知るよしもなかった。
同じ話を書くというのは意外とつまらなかったです。更新ペースをちゃんと戻していきます!
次は神獣とのご対面です!
明後日に更新します。
作者)やっとかけた……
夜)俺達がドキドキしてるってのに進めないなんて最悪だぞ
作者)本当にごめん
ティア)……許す
作者)ティアちゃん!
夜)近づくなよ?
作者)(またこのパターンか…)




