第21話 乙女ゲームの世界に転生してしまったかのようです 1
間違えて作品の投稿を前後させてしまいました。
申し訳ありませんでした。
本日修正しました。
冬休みなんやかんや、友人たちの突撃や年末年始初詣イベントを通り過ぎ、早くも新学期である。
俺と薔薇子は、毎日俺が寝坊しなければだが一緒に登校している。
もちろん腕を組んで…、いない。
腕を組むのが一般的でないと薔薇子に知られてしまって以降、腕を組んだり手をつないだりして歩く機会が減ってしまった。悲しい。
だが今日からは違う。
「おはようございます。恭介。今日は早いのですわね。」
そう声をかけてきた、薔薇子は今日も可愛い。
俺たちが通う高校は拘束が緩い。カバンも、バックチャームも、コートも髪型も自由だ。髪色も式がある日以外は自由。
今日は始業式があるから俺もしっかりブレザーにネクタイをしてきている。
薔薇子はいつも通りのふわふわのついた白いコートを着ていたが、白タイツは校章入りの指定黒靴下を履いていた。白いカーディガンもブレザーと同じ生地のベストへ代わっている。最近は冬仕様で大きいポンポンのついた髪飾りをつけていたが、今日は黒いゴムに代わっていた。はい、なんでもかわいい。
「あぁ、おはよ。」
そういいながら自然に手をさしだす。
薔薇子は俺の顔と俺の差し出した手を交互に見た後、そっと俺の手をとった。俺はその手をぎゅっと握り返す。
薔薇子のすべすべで細くて小さな手が、冷えているのが分かる。そのうち俺の手の体温であったまるだろう。
この前から思ってたことだ。
今学期から毎日手をつないで登校する。
これが今学期の俺の目標だ。
「最近、恭介がおかしいのです。」
それが最近のわたくしの悩みでした。
「いや、あれはおかしいって。」
そう同意したのは、翔子の友人の三島燈花さんです。
「やっぱり燈花さんもそう思いますか。」
「あれはかっこよすぎ。どういうこと?」
そう、恭介がかっこよすぎるのです。
というのも、新学期からおかしくなったのです。
冬休みがあける直前まで、わたくしが見る限りでは、相変わらず家でダラダラ。時にはご友人の皆さんと動画作成など趣味に専念して過ごしていたようですが、新学期に入ってというか学校での生活態度がおかしいのです。以前とは別人ですわ!
まず身なりですが、髪の毛がしゃんとしています。
以前はぼさぼさで、デートの時にしかしっかり整えてこなかったのに、今では毎日しっかり整えてきています。
制服も以前はだらしなく着崩しがちで、ワイシャツもシワシワ、伸びきった紺のセーター。スラックスからワイシャツがはみ出しているなんてこともありました。
しかしながら今はラインの入った白いカーディガンにしっかりとネクタイをしており、デートでしかしていなかったのに、学校でもシンプルな黒いピアスをつけています。
そして何より、授業中も起きていて、発言発表をしてるんです。先生方も恭介がここまで優秀とは把握していなかったという顔をするほどでした。
初めは誰もわかる人がいないのかというところでさっと手を挙げる形でしたが、今や誰もわからずしーんとなるとじゃあ大崎解けるかと先生から振られるようになっています。
恭介はそれを全教科で行い、急に当てられた問題もスラスラと解いてしまっているのです。
体育の授業でも今学期はバスケットボールというスポーツをたしなんでおりますが、今まで積極的に参加しておらず、パスが回ってきたら仕方なく動く程度でしたのに、積極的にボールに触れるといった様子です。
休み時間もいつも突っ伏して寝ていましたが、クラスメイトと話したり、勉強を教えたり、何かを手伝ったりと活動的です。
この恭介の変化に、一瞬にしてクラス中、いえ、学年中の女子が恭介のファンになりました。もしかしたら学校中かも…。
わたくしもよく恭介のことで知らない女子生徒に声をかけられるようになり、正直理解が追い付きません。
三年になるので内申点のために更生しただとか、遅い高校生デビューとか、別れたとか、付き合ったとか様々なことが噂されるようになりました。
ただわたくしの見解としましては、学校ではだらけていただけで、家での恭介だなという印象なのでした。
ですが、どうしてこのように真面目に学校生活に向き合うよう心変わりしたのかわからないのでした。
以前の恭介のだらけにはある意味、確固たる意志と言いますか、狙いがあってわざとそのように振る舞っているというような印象がありました。これは恭介のことを知れば知るほど、学校では無気力であるさまに誰もが違和感を持つはずです。それほどまでに私生活での彼はストイックであると言わざる終えません。
家族の間ではよくわかりませんが、思春期とか中二病?というもので、ある種の精神的なティーン特有の病気だという見解でした。
ですので、その確固たる意志を急に手のひらを反すように曲げたきっかけはなんだったのでしょうか。わたくしの気が付かない間に、恭介に何かあったのか、どんな心境の変化があったのか。
本人に聞いてもみましたが、ただなんとなくとしか言わないのですわ。
そして以前は学校ではわたくしたちが付き合っていることを公言してはいましたが、お互い必要最低限な会話のみで、ほとんど接触はしていませんでした。
しかし今は学校でも手をつないだり、一緒に週二回ほど昼食をとるようになりました。
昼食は図書館に行かない日に一緒に取ることにし、誘われればお互いの友人も一緒にということで二人っきりでということはほぼありませんがこれはわたくしたちの関係には大きな変化です。
わたくしは毎日燈花さんと一緒に昼食をとっていますが、燈花さんにだって委員会や部活の予定がありますもの。毎日必ず一緒にというわけにはゆきません。
そして恭介もいつもご友人お二人と一緒に昼食をとっているようですが、私と昼食をとるときは二回に一回は断っているようですわ。
そう、私たちは今学期から、毎日手をつないで下校し、放課後にデートをしない日は一緒に昼食をとっています。
そしてだらだらしていた目立たなかった彼氏は実は優しくて勉強もスポーツもできるさわやか男子。
「わたくし、どうやら乙女ゲームの世界に転生してしまったようですわ!!」
「翔子もそういう冗談言えるようになってきたんだね!」




