第11話 異世界侯爵令嬢が俺の彼女だが、何かおかしい?
今日俺は一人で以前薔薇子のロリータ服を撮りまくった川辺の公園周辺まで来ていた。
川辺に座ってペットボトルのコーヒーを飲んでいる。
人間にはいろんなタイプがいるが、俺は独りの時間が必要なタイプの人間だ。
コミュ障なのに人間は好きだ。ただ誰かと一緒にいるのは好きだけど疲れる。
それが親しい人間でもな。
だからこうしてたまには日向ぼっこをしなくてはならない。
俺は植物。
光合成必須だ。
日光を浴びて、セロトニンとビタミンDを作らなければ。あとメラニンも?
もう薔薇子がきて二カ月になる。
この二カ月精神的なストレスがやばい。
わかってる。
ただ俺が翔子のことが好きすぎた。
だから当たり前だが翔子に会えなくて辛い。
本当は死ぬほどつらくて、苦しくて、夜は眠れてない。
こんなことしてたら翔子に怒られるな。
という思考が推進力になってなんとかギリギリを保ってるのが現状だ。
まぁ実はもとからそんな感じで、俺の勝手なる翔子主体主義で生きてきたのだけれど、翔子はそれを知っていた。そして理解をしめしてくれていたように思う。
ただ陰で勝手に努力する俺を、何も言わず見てくれていた。
昔、自分がもっと子供のころは恋って何だろうって思ってた。
物語の主人公はどうしてヒロインのために必死になるのか。正直理解不能だった。
だってそうだろ。死んだら終わりなのに、なんで自分の命を懸けられる?
そう思ってたのに。
翔子に出会ったらそんな思考すぐ吹き飛んだ。
すぐわかった。
あ、こいつだわ。俺はこいつが好きだ。好きなんだ。
だからあとは単純な話だよ。素直な話だった。
翔子のためなんて言ってるけど、翔子のためなんて崇高なものじゃない。
俺がただ翔子が好きだから。
勝手にやりたいだけ。
俺が勝手に翔子に何かをしたいだけ。
これは愛じゃない。いつだって自分よがりな恋ってやつだと思う。
二か月前、翔子が車に轢かれたって聞いて、病院で意識のない翔子に付き添って。
こんな簡単に日常が消えるのかって絶望した。
本当に小説や映画の物語みたいに、幸せな日常が消え去るのかって思った。
なんで俺じゃなかったんだよって、代われないのかって、悲しむおばさんや両親見てもそう思った。苦しすぎた。
それでやっと意識が戻ったら人格喪失してて。
薔薇子の話を聞いてみたら、自分から死を選んだとか言われて、自分本位な俺がなんて思ったと思う?
そんな辛かったならなんで俺を頼ってくれなかったのか。
そんな辛い世界に俺を置いてくのか。
ごめんってなんだよ…。
クソッ
翔子がもし本当に消えたなら、努力する意味も、生きる意味さえない。
というか意味が分からない。
どうでもいいことだが、最近減量してないのに痩せてきてしまって、体脂肪率が減った関係で筋肉が浮き彫り気味になってきてしまい、細マッチョなのが友人にばれてしまった。辛い。
そしてなにより、翔子の身体は生きている。
それに翔子は死んだと薔薇子はずっと言ってるけど、俺はそれが信じられない。
身体が一緒、魂が一緒ならもう半分は翔子じゃん。
薔薇子は気が付いていないのだろうが、本当にふとしたところが翔子なのだ。
俺はそれは腑に落ちない。
俺には薔薇子も翔子だった。
そうもうこれがすべてだ。
二カ月で出した結論だ。
翔子は発揮していないだけで、実際賢い人間だった。
家での在庫管理もできてたし料理も美味かった。
中学の時、地味過ぎて学級委員長や生徒会役員を押し付けられてたが難なくこなしていた。
俺がいつも牽制していたが、翔子のことを好きな男は結構いた。
ってか今でもいる。
薔薇子になってからは牽制も忙しい。
薔薇子は目立つ。
地味ごっこしていて、薔薇子はあんなやつを彼氏になんて言われたらイラつくよなぁ!
翔子は変わった。
もう戻ってこないかもしれない。
俺も変わらないといけない。
俺が体育すわりでうつむきがちに陰キャ、ヤンデレ思考、日向ぼっこを開催してると
「あ~いたいた~、おーいやっぱり恭介ここにいるぞー」
ふと聞きなれた声がした。
顔を上げると、俺のイツメン、つまりいつも学校で絡むいつものメンバーがいた。
なんでここにいいんの?




