表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の彼女が急に異世界令嬢になってしまいました。俺ってこのまま彼氏でいいの?  作者: 長嶺暦


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/17

第10話 異世界侯爵令嬢の現代彼氏がおかしいですわ

 元の世界では、侯爵令嬢として、そして皇太子妃として学び生活していたわたくしも、翔子さんの記憶と身体を引き継いでもう二か月になるところです。

 

 初めのころは少しストレスもありましたが、やっと庶民の暮らし、そして現代社会での生活にも慣れてきました。

 

 ここまでスムーズにこの生活に馴染めたのは、やはり恭介の存在が大きかったように思います。


 同世代の見本となる存在。翔子さんだけではなく身近にいる現代学生としての見本且つ良識ある存在の導きでなんとかうまくやれております。


 しかしながらそれは学生として、中野家の娘としてということですわ!


 先程も申し上げた通り、わたくしは皇太子、要は次の王になる第一継承者たる王子の嫁。そのために幼いころから様々な英才教育を受けてまいりました。


 そしてそうでなくとも、貴族とは幼いころから婚約者がいることも多く、優秀な人材、良き家柄の人間ほど青田買いというのでしょうか。早く婚約者を持つものでした。

 わたくしの婚約も、婚約自体は8歳の時に決まりました。


 ですので元の世界のわたくしは、お年頃の殿方とお話しすることもあまりなく、親族、先生、皇太子様以外の男性とは接したこともありませんでした。


 

 それが!なんと!こちらの世界でわたくしは共学に通い、そして彼氏なるものもいる。

 なんということでしょうか。

 こちらの世界では、好きな方と結婚し、しかも別れてもよい。

 そして付き合うのも本当に自由なのですね。親の了承も不必要とは。


 それでも翔子さんはもう恭介に決めていた。

わたくしは初め、それこそ許嫁や婚約のような感覚でそういうものかという認識でした。

 この世界で、そしてこの年齢で、絶対にこの殿方!という心持ちの女子も珍しいということが、この世界を理解すればするほどわかってきましたの。


 初めは翔子さんの記憶で恭介の良い部分垣間見たといったものでした。

 でもやっぱり、恭介はおかしいですわ!


 わたくしは翔子さんの記憶があるのでわかっていますの。


 中野家と大崎家は大変仲が良いですからお母様経由で恭介の近況や内情が嫌でも翔子さんには筒抜けだったのですわ!

 ちなみに今もで、この前のデートでドレスを着た際に、デート中はあれだけむつかしい顔をしていて、帰り際にやっと褒めていたくせに、家ではご両親に自慢しまくっていたなんて。あの方は二重人格か何かでしょうか?


 今も続けている、毎日朝にランニングに行くのも、筋トレも、陰で勉強しているのも、アルバイトしているのも、翔子さんに見合う人間になるためだって聞いているのです。

 学校の成績は抑えめにしているだけで、全国模試ではかなり成績が良いようです。

 髪もセットしてから最後にぐしゃっとさせているなどよくわからないことをしているそうです。

 

 実はデートの際は髪をしっかり整えてきてくれますが、普段と違い格好よいのです。服のセンスもあとで調べましたら若い男性に流行りのものでした。それこそ今時の女子高校生が、こんな彼氏が欲しいというネット記事から出てきたかのような格好の良さ。

 普段学校でや図書館ではだらけキャラを演じていますが、休日は全く異なります。

 

 そしてそれこそ貴族令息!というようなレディーファーストができる細やかな心遣い。

 女性に気を遣わせない、隅々まで気遣いがいきわたるのは賢い男性の証。


 正直記憶がおかしくなってしまった、全く別人のわたくしにあれだけ良くしてくださる意味もわからないくらいですし、デートにドレスで行ってしまった件に関しても付き合いが良すぎます。


 何故今まで恭介が他の女性にモテなかったのか全く意味が分かりませんわ。


 こうやって良い男にはもう学生の時からの彼女がいて、社会人になってからこんなスペックが高い男子が放流されることなどないということが目の前で起きていますわ。

 そういうまともな男子はたいてい一途で彼女がちょっと不出来でも、自分がなんでもできるからオッケーって感じなのですわよね。

 ネットで学びましたの。


 でも私たちの場合は特殊。


 恭介が今まで努力し、守り続けていたのはわたくしではありません。

 翔子さんですわ。


 時折、ガラス窓の向こうを眺める恭介の顔が苦痛にゆがむのをわたくしは見かけるのです。


 きっと恭介はこれからも翔子さんが好きなのですわ。


 わたくしが奪ってしまった席です。


 時折、わたくしの頭がただただおかしくなってしまっただけで、わたくしは翔子さんであってほしかったと思うことがあります。

 

 恭介のあの傷ついた顔を思い返すたびにそう思うのです。


 わたくしはこの苦しみから解き放たれるために、この関係を一度解消した方が良いのではと思ったこともあるのです。しかし突き放してしまえば、恭介はきっと立ち直れない気がします。


 いつか恭介の気持ちの整理が付いたとき…。

 きっとわたくしもその時までにはこの気持ちを整理すべきでしょう。

 

 いつか恭介を開放しなければ。

 わたくしがいつまでも恭介の隣に居座っては、恭介は翔子さんのことを忘れられないはずです。

 いつか心から、また彼が誰かを愛せるように…。


 今はただ見守ってゆきますわ!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ