教会の街ルーンバージ 3
相克の教会編第十七話となります。
今回はダンジョン登場回となっております。
では本編へGO!
市庁舎の屋上にある庭園に備え付けられているかのようにある石づくりのモニュメントには真っ赤な宝石と共に中央大陸では見慣れぬ文字が描かれており、ジャックとアンヌが首を横に振ってから他のメンバーを見てみるが、誰一人心当たりの無いという顔をする中でリアンだけが唯一と言ってもいいほどに黙り込んで考え込むように腕を組む。
真っ赤な髪の美女が考え込んでいるという構図は確かに美しいが、中身が初老のオジサンであることを考えるとジャックとディラブは複雑な気持ちになる。
ファリーダがリアンの顔を覗き込んでから尋ねた。
「この文字をお知りに?」
「ああ。多分じゃが二千年以上前に使われていたと言われている古代文字の一つじゃろう。幾つかある古代文字にこれと似た文字がある。多分じゃが、この市庁舎が建てられる前にはこの場所か地下にでも作られておったんじゃろうな。それを市庁舎を建設する際に上に移動させた。ダンジョンの場所が移動したならこれの所為かものう…」
「で? なんて書いてあるのお爺ちゃん」
「待つんじゃ。えっと…『古より受け継がれし願いの血を持つ者よ。何時試練を越え財宝を求めんと欲するものならばこの宝石にその証を添えよ。さすれば道は示されん』と書いてあるのう」
「証ね…勇者の証か?」
「いや…なら俺がこの場所に立っているだけで反応するはずだ。触れるというのも…」
ジャックが試しにと宝石に触れてみても何も起きないのを見ると全員が考え込む。
するとメイビットがアンヌに「心当たりは?」と尋ねるが、アンヌ自身もイマイチ心当たりが無い様で暫く腕を組んで考え込んでいた。
ジャックが「黙っていると美人が多いことで」とぼやくと、アンヌはジャックの脛目掛けて鋭いケリをお見舞いする。
ジャックが痛そうに脛を抑えながら飛び回る姿を皆見ながらアンヌを心当たりを思い出そうとする。
「何か言い伝えがあるんじゃないのか? 儂も教会には疎いしのう…ここが教会の拠点になったのは今から千年前じゃ…ならこのモニュメントが指し示すのは教会絡みではないかもしれないのう…」
「でも、聞いたことがあるのよね…」
「二千年前の人達が『古』という言葉を使っているんだぞ? どんだけ前だと思っているんだ?」
「願いの血を引く…一族…印…もしかしたら」
「アンヌ様何か心当たりが?」
「ジャック。アンタ何かご両親から渡されてない? 宝石」
「そんなものがあるなら売って旅の資金にしているな」
「そうじゃなくて。宝石みたいな感じだけど、実際に課金すると「宝石じゃない」って言われた物は? アンタが旅立つ際に両親に教会から手渡される者があるはずよ。「売るな」って言われるはずだけど」
「ああ…あの青い魔石? でも、あれは空だって言われたぞ」
「あれを赤い宝石にかざしてみてくれる?」
ジャックは疑心暗鬼な気持ちで青い宝石のような石を取り出しそれを赤い石に近づけてみると赤い石にまるで共鳴するように青い石も淡い光を放ち始める。
するとモニュメントから強い光が真上へと向かって伸びていくと、真上にさかさまになっているお城のようなダンジョンが姿を現す。
あまりにも非常識の光景を前に誰もが唖然とする中、白から光り輝く螺旋階段が伸びてくる。
「今まで色々なダンジョンを見てきたが、これは経験が無いな」
「パッと見た感じじゃが、造りそのものは古代文明の一つである『ナーガ文明』に近いな。ナーガの原型となったと言われている文明じゃな。前に行った巨大なダンジョンを使ったお祭り会場である古城。あれと同じじゃな。あれも古代ナーガ文明の遺構じゃしな」
「所々にナーガの文字が記載されている。アンヌ。あの青い魔石はなんだ?」
「言い伝えでは古くからナーガの血の中でも勇者を選ぶ一族の事をこう呼ぶのよ…『願いの血を引く一族』とね。勇者は古くから世界の願いを叶える力を持つと言われているわ。その願いが勇者の刻印において専用の能力を作る力になる。貴方の勇者の剣もその過程で作られた剣でしょね」
「ええ。恐らく本来の意味での勇者の剣作りは勇者の刻印を目覚めさせる儀式なんだと思いますよ。勇者の刻印を受け入れることが出来るほど血の濃い一族を探す。そして、見つけた勇者に一度ナーガに転生させてから本来の勇者の剣作りをさせつつ刻印を目覚めさせる。もし想定外があるとすれば…」
「その一族がヒューマン族との間に子を成していたという事じゃな。予想外も予想外じゃよ。何度勇者を派遣しても見つからないはずじゃ。勇者の刻印の最適化と勇者の剣を作り続けていくことが目的とは言え」
「青い魔石は勇者の刻印を分かり易く反映させる力が在るの。魔力が空なんじゃ無くて、勇者の刻印が検査する装置を無力化しているだけよ。無力化する力は探知できないもの」
「それもそうじゃな。その魔石も後に勇者と呼ばれる一族の為に作られた石というわけじゃな?」
「ええ。それで開くダンジョンが結構世界中に在るはずよ。いわゆる古代文明の遺構ならそれで開くそうだから」
「要するにジャックが居れば見知らぬダンジョンに行き放題だと?」
全員が心からツッコム番である。
「「「なわけあるか」」」
「とりあえず。この光の螺旋階段を上ればいいわけだな?」
「ええ。そうすればダンジョンに辿り着けるわ。そのダンジョンの何処かに在るんじゃない? 街をこうしている原因の何かが」
どうでしたか?
次回から新たなダンジョン攻略回となっております。
では次は第四章相克の教会第十八話でお会いしましょう!




