73話 ツッコミどころ満載
子供たちが寝静まった後。
グランと俺とローエは広間でお話中だ。
内容は俺の護衛の話。
「ツインクゥって国の物が、あっちで俺の生まれ育った国の調味料や食品・材料とか調理道具とかが全部一緒だったんだ。それで懐かしくてどうしてもほしくてハンターズギルドで金鉱山で金を掘る依頼を受けたんだけどなかなかとれなくて、仕方ないから金属の精霊呼んで金脈探してもらって火の精霊で爆破して掘り当てたんだ!」
ポカッ
「んでそれを換金したお金で調味料とか大人買いしてさ。35万Gもしちった!」
ポカッ
「マジックバッグが最近パンパンになることがあるから中を広げられないかなって思ってちょっと試行錯誤して空間の精霊と話し合って、狭間の世界に置けばよくね?ってなっさ。あ、狭間の世界って、人間の知らない4つ目の世界ね。」
ポカッ
「で、その世界に気軽に置くのに「契約」ってのをやる?ってなって、空間の精霊と「契約」したんだよ。サービスで呪文を省略できるようになって超気軽に空間魔法使えるようになったんだよー。」
ポカッ
「てめえ!!いい加減にしろ!!あんだけ気を付けろって言ったのに!」
4ポカッ1カミナリもらいました~!
「ちょっとグラン、静かにしないと子供たちが起きちゃうよ?」
「黙れバカ!」
ポカッ
5ポカッになったぞ。
因みにローエは呆れて遠い目をしてます。
「あんだけバレないようにしろよって言ったのに、何やらかしきてんだよ?・・・くそっ!ツッコミどころがありすぎてツッコミが間に合わねえよ。まずなんだ、金脈だ、金脈をホイホイ掘り当てんじゃねえよ。ハインツの金鉱山なんて世界中で有名な金鉱山だったんだぞ。確かにここ10年以上あんまりとれてないって噂だったが、それを掘り当てるとかどうなってんだよ。」
へえ、ハインツのあの金鉱山は世界中で有名な金鉱山だったんだ。
掘ってたの数人だったからそんな感じしなかったんだけどなあ。
「金脈の近くに別の金脈があるって、俺の世界では有名だったからあるかなーくらいでさ。爆破は掘るより一気にとれると思ってちゃんと周りを確認してやったよ。とった後も金鉱山で掘ってたおっさんたちに任せてさっさとギルドで換金してきたし。おっさんらに俺が何者が話してないし、案外今頃正体不明の謎の青年ってなってるんじゃないかな?俺ってわからないなら大丈夫じゃない?」
「・・・その換金した金でアホみたいに大人買いしやがって。」
「どうしてもほしくてさ。この国からツインクゥって1番遠いらしくてそれと珍しい食材ってこともあって値段が高くなってこんな値段で買うことになっちゃったんだよね。でも換金したお金の使い道としては変な使い方はしてないと思うけどなあ。」
「・・・それになんだ、狭間の世界って!?そんな世界聞いたことないぞ!?この世界は天界・人間界・魔界の3界じゃなかったのかよ・・・。」
「神様が人間界に来るときに経由する世界なんだって。俺はなんかこの世界に来る前に1回行ったことがあるみたいで、それで現実と夢の狭間が狭間の世界に繋がって俺は行けるみたいなんだよね。でも最初に行ったことは覚えてなくてさ。そのうち思い出すと思うんだけど。んでその世界は本当にただのひろーい空間で真っ白で時間も止まってるなんにもない空間だったんだよ。だからその空間に俺の荷物置いたらいいかなって思い付いてさ。で、人間界とその狭間の世界を空間で繋いだら荷物は出し入れできると考えたんだよ。」
「空間と空間を繋ぐ・・・それって上位空間魔法じゃないの?」
おや、やっとローエがしゃべった。
「そうそう。んで、荷物を出し入れするのにいちいち空間の精霊呼ぶのもアレだからって、空間の精霊から「契約」をやろうかって言われてさ。誓約も特に難しくなかったから「契約」したんだよね。」
「・・・おまっ、・・・いや、その様子から「契約」がどんだけなのかも知らずにやったんだろうな。」
こめかみを押さえてグランは呆れたように言った。
その様子じゃあ、やっぱり「契約」はとんでもねえことなのかな。
「いいか、「契約」ってのは全人類でも数%の人間しかいない、【能力】よりはるかに珍しいことなんだよ。天界の神様でも「契約」できなくて当たり前で、魔界の魔人では数人しかいないとか言われてんだ。」
ええっ!?そうなの!?
俺、めちゃくちゃ簡単に「契約」したよ?
あ、もしかして情報の精霊が来たのもめちゃくちゃ珍しいことだからか?
・・・いや、あいつはただ単に俺のストーカーだ。
その後、リンクの使い方を解説してお土産のお肉を狭間の世界に置いといたらいつまでも新鮮なことをわかってもらった。
「基本的に孤児院以外ではマジックバッグの外と中の狭間を利用して出し入れするから、端から見てマジックバッグから出したように見せようと思ってるよ。」
「まあ、マジックバッグを持ってる時点で珍しいが、それでいいだろう。本当に悟られないようにしろよ?」
「うん、わかってるよー。」
「それにしても、お前の世界にあった調味料と同じものがこの世界にあるなんてな。しかもツインクゥに。あそこは島国だから独特の文化があると思っていたが・・・。」
「グランはツインクゥ知ってんの?」
「行ったことはないがな。独特な文化で有名なんだ。刀にブシ、後は・・・スモーという神事があるとか。」
相撲が神事?
あー、そういえば大昔の相撲は神社で神様と取る神事だったって、なにかで聞いたことあるな。
ふむ・・・、武士に相撲が神事とか、日本の文化は文化だけど昔の文化だなあ。
なにか関係があるのか?
まあ、どっちにしても一度行ってみたい国だな。
「イオリの買った調味料ってどんななの?私もツインクゥは噂でしか聞いたことなくて、調味料とか見たことも聞いたこともないのよ。」
さすが料理人のローエは調味料に興味を抱いたようだ。
なので実際に出して見せた。
ちょうどどんな感じでリンクするのか見てほしかったのもあって、俺はテーブルとイスの間でリンクを使って米たちを出した。
「よいしょっと。これが主食の米ね。んでこれが味噌と醤油、煮干しと昆布は煮てお出汁をとる用なんだよ。で、この箸で食べてこっちの鍋は・・・。」
一通り説明するなか、ローエは興味深げに全部見ていた。
それを見ていたら、護衛中に皆に振る舞った味噌汁のことを思い出した。
「そうだ。明日にでも作るから食べてみる?つっても俺料理初心者だからなんとなくなんだけどね。」
ローエは俺の言葉を聞いた途端にパアアと明るい表情を見せた。
「いいのイオリ!?どんな味なのか楽しみだわ!」
ふふふ、初心者だから失敗しても知らないよ?
「とりあえず、明日アルが孤児院に来るそうだぞ。なにかわかったみたいだが、イオリが揃ったときに話すと言ってた。」
「あ、ならアルにも食べさせようっと。なにかわかったのかな?グランも何かわかった?」
「うん、まあな。俺も明日話す。」
「りょーかい。」
そして翌日。
午前中に来たアルに、グランらに話した内容をそのまま話したらアルは大興奮した。
「け、けけ、「契約」!?イオリ!「契約」したのかい!?しかも空間の精霊と!?なんて言ってた!?もっと詳しく聞かせてくれ!それに狭間の世界だって!?そりゃ大発見だ!!4つ目の世界なんて誰も知らないぞ!?うわー!論文で発表したい!いや、それもすごいけど金脈を掘り当てたのもすごい!そっちも論文になるよ!ハインツの町は今頃大騒ぎだね!ツインクゥと君の世界のことも気になる!なんて面白いんだ君はー!!」
「アルが怖いーー!」




