表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
悲哀っ!! 正社員激闘編っ!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
99/142

第97話 自宅で戻ってゲーム三昧っ!! は無理そうですか……?

 

 「いやぁ、そういう訳で。こっちも色々大変だったよぉ」

 「敵がてれび、から……。そのてれびが何かは分かりませんが、大丈夫なのでゴワスか?」


 「う――ん。大丈夫、ではあるけど色々と立て込んでて。だから遅れてごめんね――」

 「い、いえ……。それは」


 「もしかしたらそっちの敵がこちらに来たのかも。恐らく繋がってる可能性があるね」

 「そっちも「召喚」が出来るように、闇の勢力ってやつもこっちに召喚出来るのかも」


 「闇の勢力が召喚術でそちらの世界に敵を送り込んだ。そういう事ニャンか?」

 「その可能性が高いね」


 「そちらの世界は安全圏だと思っていたのゴワスが……。まさか乗り込んでくるとは」

 「そういう訳でそっちの事、他人事って訳には行かなくなったんだ」


 「それは……、ニャン?」

 

 「仕事を止めてそっちの事に専念しようと思う。魔族。魔王。闇の勢力」

 「色々と調べないといけない事が出来たよね」


 「それがこちらとしてもありがたい事でゴワスが、大丈夫なのでゴワスか?」

 「そうです……。被害も、出たのではないですニャン?」


 「うん、まぁ、そこはね……」

 「でもそっちの問題を解決しない限りは」


 「すいませ――ん。どなたかいらっしゃいますか――?」


 うん? 誰だろう。

 家でゲームをプレイ中。来客が来たようだ。

 こんな辺鄙な場所に。


 一体誰が来たんだぁー?


 「あ。どうもすいません。テレビを回収しにきたのですがぁ」

 「はい?」

 

 

 ◇ ◇ ◇


 


 なんという事だ……。

 自宅に戻り、テレビを使って異世界の子達と連絡を取ってまでは良かったのだが。

 あれから急にテレビ回収業者だとか名乗る人物が現れて、その結果……。

 

 テレビ、回収されちゃった……。

 

 テレビが……。

 もうっ!! タイミング悪いなぁ。はぁ……。


 まぁ十中八九政府の人間だろう。マリスが出す敵の中にはテレビから出てくるような種も多い。

 貞子。伽椰子。他ゲームに出てくるクリーチャー。小型種は基本テレビから出現し無差別に人を襲う。


 ノア地区に居た人々もそうやって殺されていった筈だ。

 テレビ。他には携帯電話なんかも危険だ。電波を使って使用者を化け物に変えたりする。


 故にそれらは戦時下では基本禁止されていた。

 しかしテレビの方は戦後ジワジワと普及し始め、今ではどこにでもある状況だ。


 最初こそインチの指定だったり生産数の制限など色々と規制をしていたが。

 徐々にその規制も撤廃され今に至る。


 最近では携帯電話の使用も解禁され始めていた。皆少しずつ未来へと進みつつあった。

 世界は少しずつ正常へと戻る。

 その筈だったのに……。


 「マリス……。またやってくるとは」


 かつて20年前。その全てを滅ぼした筈なのに。

 まさか異世界に逃れ、その命脈を保っていたとは。

 

 ああ……。


 「しっかり根絶やしにしないとなぁ」


 静かに、決意する。

 マリス。それはこの世に居てはいけない存在だ。


 和解など不可能。それは今までの戦いで散々学んだ。

 奴等が異世界でまだ生きているのなら、一刻も早く奴等を根絶やしに行かねばならないのだが。


 「テレビ取られちゃったよぅ……」


 その異世界に行くための……。

 いや、異世界と連絡を取る為の唯一の手段であるテレビが取り上げられてしまった。

 有無を言わさず、政府の徴収だとか言って。


 一応それなりに粘ったのだが、どうにも引き下がらない様子で。


 「10万円の商品券も貰っちゃったしなぁ……」


 結局かなりの額を貰ってテレビを回収されてしまった。

 あそこで粘っても結局押し切られた気がする。こんな手段を取るという事は。


 「体勢が変わったんだろうなぁ。戦時体制下に逆戻り……? やだなぁ」

 

 迅速な国家権力の行使の情報封鎖。

 恐らく現在政府の体制は過去の軍事政権に回帰しているだろう。

 国民を監視し統制する。


 テレビ回収もその一歩だ。たぶんメディアも掌握されている筈。

 今まではマリスが居ないからと自由にやらせていた部分もあっただろうが。


 しかしそれが再び襲来という事態になったのだから。


 「過去が、回帰する」


 本来、そんな事あってはならないのだ。未来は、常に進み続けなければ。

 新しい概念。新しい世代。そんな新しい人達が新たな時代を築いていく。


 それこそが人間の正しき未来で……。

 ああんっ!! こんな事にならないよう念入りに根絶やしにしたのにっ!!


 既に過ぎ去った世代が返り咲き、未来の世代を過去へと引きずり込む。

 恐れていた事が始まってしまうのだろうか。


 たかしくん。結城くん。智代ちゃん、春美博士。

 未来を築き、もはや「戦後」ではない。新たな時代を作っていく筈の彼らを。

 また「あの時」に戻してしまった。


 だが。

 だが、それをさせない為にまだ俺が居る。


 アンノウン・ゼロ。

 

 また、その力を行使する時が来たのだろう。

 人を。

 世界を。


 未来を守る為、また戦わなければいけない。

 そう、俺が……。


 なんだけどぉ……。


 「もうっ!! 素直に召喚してくれたら秒で完結したんだけどなぁ」


 なんだけど、異世界の人々を俺を召喚するのに失敗してしまった。

 召喚したのは俺ではなく、俺がプレイする予定だったゲームキャラだ。

 

 もうそれは確定した情報と見て良いだろう。

 マリスはテレビから出てきた。ならば敵はテレビの中。


 つまりテレビの中の世界。つまり。

 異世界に居る。

 

 俺が戦うべき敵は異世界に。

 あの世界こそが俺の新しい戦場で……。


 「その戦場へ行くために手段が取られちゃったい……」


 敵はテレビにあり。その情報はこちらの政府も掴んでいる。

 敵はテレビからやってくる。だから政府として正しい手段で。


 「テレビを全て壊す……」


 まぁ、打倒な手段。だよなぁ……。


 「うう、どうしよう。テレビ無いと異世界行けないよぉ」


 春美博士に頼るか。とも考えたがもう自分は「辞めた」気でいる。

 あのままテストパイロットを続ける事は出来ない。

 今まで自分が何の仕事もせず、だらだらしていたのはこの時を警戒してだ。


 再びマリスが来た場合に迅速に行動する為。

 そして。


「アンノウンである事がバレないように……」


 だからずっと時間がある状態を保ってきた。

 最近はそれが解消され、色々とする事も増えてきた。

 だから異世界もおざなりになっていたけど。


 もうそんな事は出来ない。

 現世を救う為にも、異世界に集中しなければ。


 だからまたあのニート状態に戻り、ゲームをプレイするという名目で異世界探査を行わなければ。

 いけないんだけどぉおおお。


 もうっ!! 色々とタイミングが悪いっ!!


 「誰か地区の人でテレビ持ってる人居ないかなぁ」


 ともかくなんとかテレビを入手しなければ。

 こうなれば恥を承知で地区の人にテレビを持ってる人が居ないか聞いてみよう。


 正直壊れたので良いからテレビを……。

 うん。


 やってみよう。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ