第95話 ウォーカー君の初陣っ!! うんうん、ウォーカー君やっぱり強いぞっ!!
「何が起きたっ!?」
「分からない。なんか、卵っぽい兵器が」
「怪獣をあっという間に細切れにしたぞ……。なんだあの兵器は」
「あれは……。なんなの?」
◇ ◇ ◇
「よ――しっ!! 怪獣討伐1っ!!」
「わぁ。お見事ですわ」
あらありがとうっ!! そんな訳で戦闘の最前線にやってきたっ!!
せっかくだしって事でなんか居た怪獣をやっつけて皆と合流だ。
「あれ?」
「はい?」
「京介さま。どうしました?」
あれ? 俺の名前……。いやそれどころじゃなくて。
なんか、こう。忘れてるような。
なんか。なんか。うーーん。
あ。
ああ……。この子を安全な場所に送るのを忘れてた。
「京介さま、どうなされました?」
うん? この子なんで俺の名前知ってるんだろ。
う――ん。どうしよう。なんか一緒に連れてきちゃった。
「えっと――――」
さて、どうするか。一旦帰る? でもよく考えたら。
この場で安全な場所ってどこ?。
(そこの機動兵器のパイロット)
あら、これはテレパシーの念派かな?
っとすると司令部のオペレーターさんか。
「はいはい。どうぞどうぞ。どうしましたかー?」
「は、はい? どうしました?」
「あ、ちょっと待っててね――」
どうやらこの子には聞こえてないみたいだ。
ああ、一人だと思われて広域化されてない念派だな。
これだと周りに聞こえないのよね。
(聞こえますかパイロット。名前を名乗ってください)
あら、名前を名乗れと。はいは――――い。
でもその前に。
「場に2人居るから通信は広域でお願いしまーす」
◇ ◇ ◇
なに? 現場に到着したらなにか卵みたいなロボットが倒れた怪獣の上に立っている。
通信ではバリアのような物を張る強い個体だって聞いたけど……。
「重治中尉。これは?」
「分からないわ。でも見た感じ機動兵器ね。昔もこんなのあったわ」
昔。戦前の兵器という訳か。
「強かったですか?」
「壊れたら終わりだし駄目ね。潰れても再生できないから使えないわ」
潰れても再生、か……。
確かに中尉は味方を庇って怪獣に下半身潰されたけど再生してた。
軍用再生剤。これほどの効力とは。
今の世界に戦車や戦闘機がないのはやはり取捨選択の果ての淘汰という訳。
人間を再生ながら戦わせる方が強い……。
なんとも、嫌な進化ね。
「智代ちゃんって言ったわね。流石、元正規兵だけあるわ。強いわね」
「え? あ、ありがとうございます」
重治中尉が褒めてくれた。
上官に評価されて嬉しい反面、今後の事を考えると少し憂鬱になる。
ここまでの事態。これで全てが終わり元通り、などある訳がない。
必ず新たな軍拡が起こるだろう。そうなれば今の生活も……。
いや、逆に考えればこれはチャンスだろうか。
このまま怪獣討伐で功を成し、出世出来れば。
「あの人」を迎えに行くことも……。
そうだ。そもそも私は超兵として生まれたのだ。
全てはこの時の為に。
そう。超兵こそがこの氷上の世界の救世主で。
だから、私達が怪獣を……。
(重治中尉)
「あら、なにかしら」
(あの機動兵器が何か分かったわ。アレはウォーカー)
(戦術歩行兵器研究所の試作兵器よ)
「今更機動兵器とは。使えないでしょ。壊れたら終わりよ」
そうだ。機動兵器なんて。
戦場は超兵だけが居れば良い。
(私もそう思う。でもこの兵器が目標怪獣を倒した事は事実)
こんな卵みたいなのが怪獣を?
そんな事あるのか?
「なるほど、試作兵器の意地がある、か」
「分かったわこちらの指揮下に組み込んで運用する」
そんな事せずに薬を服用し巨人化してくれた方がよっぽど使える。
まったく状況を分かってるの?
今は軍縮の時代じゃない。こんな大事が起こったからには。
超兵こそが戦場の主役で。
「パイロットの名前は?」
「鷹司京介。年齢は、16だと言ってたわ」
「16っ!? 随分若いわね……」
私と同じ年? なにそれ……。まったく話にならないわ。
ああ、まったく。こんな大変な時に軍縮期のおもちゃの世話までしないといけないなんて。
まぁ良いか。こんなのどうせすぐ大破して終わりよ。
こんなおもちゃより。
私達超兵こそが……。
◇ ◇ ◇
「あらぁ、君。俺16歳なんじゃないんだけど」
「そうなのですか? 見た感じそのくらいではないかと」
「ふふふ、こう見えても結構年なんだよ。もうロートルだよぉ」
「お若く見えますわ。京介さま」
「あらあら。まぁそう言われると悪い気はしないかもね」
「そうでしょう? まだまだお若いですわ。京介さま♪」
「ふふふ、ありがとう」
「いえ♪ 本当の事を言ったまでです」
ふぅ。
「まぁ、ともかく」
「全てを、終わらせよう」
そう。
「ちょっと動くけど、しっかり捕まっていてね」
早急に、終わらせてやる。




