第93話 ちょっと寄り道。テディベアはお好きかな?
この子どっかで見た事ある筈だけど、本当誰だったけなー。
援軍として街中央へ向かう際中、1人で迷っている女の子を見つけた。
近くに迷い怪獣も居て、そいつをやっつけて保護したんだけど。
なーんかこの子見た事あるんだよなぁ。
どこだっけ? う――ん。
「ぐす……。うう……。あう」
だけど、まぁ……。
「大丈夫? 怪我はない?」
「ううう……。うぐ。あう……」
そんな事言ってる暇はないよねぇ。
「ほら、泣かなくて良いから。大丈夫。大丈夫だよ――」
名前も分からない女の子。彼女を落ち着かせようと声を掛け続ける。
可哀想に。よっぽど怖い目にあったんだろう。
まぁマリス戦の後ではこういう子は多数発生する。
PTSDって言うの? そういうの発症してお薬必要になる子はかなり居た。
昔は沢山居た。そりゃあ数え切れない程。
でも今は数えるくらいしか居なくて……。
おっと。
暗いの禁止っ!! こういう時くらい自分みたいなのがまともで居ないとねっ!!
ああ、こんな時飴ちゃんでも持ってれば糖分で落ち着かされるんだけど。
って。あっ。あそこの通りにある店は……。
ファンシーショップだぁ――。
「君、ちょっと待っててね――っ!!」
「え、あ、あの……」
俺はウォーカーを降りて目の前のファンシーショップへと向かった。
そこには昔のサン〇オなどのキャラをパク……。
ではなくてリスペクトした様々な商品が並べられていて。
結構こういう所好きだったりするのだっ!! まぁこの年になってそんなの集められないけど。
っと言う訳でちょっとお買い物っ!! あ、そうだあの子も連れて来ようかっ!!
「ほら、君もおいで――っ!!」
「あ、はい……?」
そうして彼女を呼び出して一緒に買い物をする。お菓子の量り売りなんかあったりして。
お――。どれもこれも色とりどりで可愛らしいお菓子群。流石ファンシーショップだっ!!
「欲しい物はな――い? お金持ってるし買ってあげるよ――?」
「はい……? あの……」
まぁまぁ、言いたい事は分かるよ。でもこういう時でしか出来ない事もあるでしょ?
世の中なんでも気の持ちようっ!!
こういう時は楽しい物を見つけて気を紛らせないとっ!!
まぁ人前でこれ言うと凄く怒られるから言わないけどさ。
「ほら、これなんて可愛いよー?」
「えっと……」
あらら。引いてる。いやん、そんな引かないで――。
こういうの苦手だったかな? それならぁ。
あ、テディベアだ。これくらいなら良いかな。
あ、お菓子も買っていこうっ!!
クマとお菓子。女の子セットって感じっ!!
これをレジで精算……。あ、そうだ店員さん居ないんだった。
なら1万円入れれば良いか。
1万円……。1万円も入れるんならもうちょっとお菓子取っても良いよねっ!!
わぁー。帽子なんてのもあるのかぁ。
あ、この帽子なんて。
「あっ……」
「ふふふ、似合ってるよ」
うん、良く似合ってるっ!! なんか魔女っぽい白い帽子。
ふふふ。ファンシーショップならではって感じ。
「……………………」
「ふふ」
「似合って、いますでしょうか?」
お。
おおっ!! 笑ってくれたっ!!
「うん。似合ってるよ。可愛いね」
「あはは……」
「ありがとう、ございます」
ちょっとは緊張解けたかな?
「あはは、他に欲しい物ある? 何か買っていこうか?」
「いえ、今は……」
「えっと、その」
「逃げる、時では?」
あら。
「ふふふ。そうだったね」
賢い子だ。でも元気になって良かった。
「じゃあ行こうか。お菓子は乗りながら食べようね」
「はい、ありがとうございます」
あらま笑顔。うんうん、良かった良かった。
「はい、こっちだよ昇ってきて」
「ありがとうございます」
そうしてウォーカに戻って。
買ってきたファンシーグッズでウォーカー内部をちょっと可愛くする。
星型の吊り下げる物を飾ったり、キラキラ光るシールを張ったり。
う――ん。良いじゃないっ!!
かしこまった堅い感じのコクピットがちょっと可愛くなったぞっ!!
そこに魔女帽子をかぶってテディベアを抱いた彼女を膝に乗せてぇ。
あははっ!! うんうん、雰囲気変わったっ!!
「中々良い感じになったねぇ。これならちょっとは怖くない?」
「はい。かわいい……。内装ですね」
うんうんっ!! ありがとうファンシーショップっ!!
正直もっと色々グッズ欲しかったけど、まぁこのくらいが潮時か。
1万円払ったしもうちょっと欲しかったけど。
「あの……」
「あら? なんだい?」
「手を……」
うん?
「手を握って……。構いませんか?」
あら。
「ふふふ。良いよ。まぁ脳波コントロールだから手あんまり動かさないしね」
どうやら不安から人肌に接したくなったようだ。そういう事、結構あるよね。
いやぁ。しかし流石ファンシーショップだ。こういう時は頼りになるなぁ。
困った時のファンシーショップっ!! ふふふ。なんてさ。
さて、そういう訳で……。
行こうか。
みんなのところに。




