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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
悲哀っ!! 正社員激闘編っ!!

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第91話 掃討戦ってやつ? うわっ!! ビル壊れたっ!! あ。あ……。べ、弁償するお金はありませぇえん……。


 「あっ!!」


 アンノウン形態で移動中。近くのビルを掠めて崩してしまった。

 結構大きなビル。戦闘の中心部でない為中心部以外のビルは結構残ってる。

 だからって訳ではないけど、飛んでる最中に掠めて崩してしまった。


 あらら……。やらかした。

 そのまま違うビルの屋上に降りて被害状況を確認する。


 胴体を少し掠めただけだが、その掠めたビルは粉みじんに崩れ去り。

 粉砂糖のようにサラサラと風で飛んで行ってしまった。


 「ひぇええええ。そういう仕様なんだけど、やっぱり市街地で飛ぶもんじゃないや」

 

 アンノウン形態はとにかく。もうとにかく色々と強力なのだ。

 現在太陽系には太陽と地球以外の惑星は無いが。

 それもこれもマリスとの戦闘で再生先を作らない為の手段。


 そんな訳でアンノウン形態は星を「壊せる」のだ。


 単独単騎での戦闘力がずば抜けている。

 宇宙空間での戦闘などお手の物。っていうかそっちがメインだった。

 宇宙での息が出来るし平然と活動できる。重力? さぁ状態。

 だからこそマリス戦でもなんとかやってこれた。


 だがこれを地上で扱うとなると……。


 「やっぱり無理があるよなぁ……」


 アンノウンは強力。しかし強力過ぎるが故に立ち回りがし辛い。

 短期間の運用なら気を付ければなんとかなるが。


 それが乱戦中、味方を守りながらだと……。


 「ちょっと、いやかなり厳しいか……」


 強すぎる力ってやつは扱いを間違えれば本当に危険だ。

 それでなくても宇宙での戦いがメインのアンノウンを地上運用するのは……。


 「何か良い手はないかなぁ」


 俺はビルから降りて地上の街を歩く。当たり前だがそこには人っ子一人居ない。

 まぁ、当たり前なんだけど……。

 

 閑散とした街。20年前は出来たばかりで、人なんて殆ど居なかった。

 ガワだけ作ってなんとか満足した状態。そこから時間が流れ、ミクスレイが解禁され……。

 人口が100万超えた辺りからようやく「街」の体裁が整ってきたのだ。


 映画館やカフェなんかが出来て。皆それぞれの生活を取り戻していき。

 それが。


 「人が居ない街って本当寂しいなぁ」

 

 やっぱり街は賑わっている方が良い。ミクスレイ解禁は色々反対もあったみたいだけど。

 でも俺はあれで良かったと思う。


 今更純血がどうかなんて考えている暇はない。

 ミクスレイ。様々な人種の特徴をミックスした合成人種。


 昔アメリカがあった時に考案された人造兵士の雛型。

 アメリカ。ああ、でっかい国だった。他にも色んな国が、世界があった。

 昔は色々な人種が居て。

 たまに問題起きたりしながらも、仲良く暮らしていた筈だ。


 だけど……。

 今はミクスレイの中でしか他人種を感じる事は出来ない。

 日本のミクスレイという事でみんなこちらよりの顔つきだけど。


 昔は色んな顔のミクスレイが居た。そして人も、国もまだあって……。


 「っとぉ、こういう事考えるとどこまでも暗くなっちゃうよね」

 

 時勢もあって暗い事を考えたらどこまでも暗くのが現代社会。

 それでも明るい所見つけて明るく過ごすのが今のトレンドだ。


 と言ってもこんな事があった後で明るくもクソもないだろうけど。

 

 「映画館も食べ物屋さんもデパートも休みかぁ」


 まぁ、お金なかったしそんなのどこも行けなかったけど。

 あ――。働きに出られたらもっと色々新しい街を楽しめたんだろうなぁ。


 もしまたマリスが攻めてくるんじゃって不安になって。

 今までずっとニートしてた。


 本当はもっと人生を楽しみたかったけど……。


 「あ――ダメダメっ!! 暗くならないって決めたのにもう」


 状況が状況だけに次々と暗い考えが湧いてくる。

 こういう時は違う事を考えよう。えっと、あ、そうだ。せっかく人が居ないんだし。

 1人映画館でもするかっ!? ふふふ、実は一度した事がある。

 誰も居ない映画館でたった1人。映画を味わうのだ。


 ああいうのってなんか特別な存在になった気分で。

 結構楽しいんだよねっ!!


 映画。映画、か……。

 映画。スクリーン。


 つまり。

 

 「テレビ……?」


 いや、映画とテレビは違うだろう。違うだろうが……。


 「確かウォーカーは……」


 ああ、そうだ。確かどうせ後で使うから中に入れておこうって事になって。

 つまりウォーカーは。


 「異世界、に」

 

 アンノウン形態では市街戦は出来ない。

 それなら。


 「ウォーカー」


 「君の力を借りて良いかい?」


 やれることをやろう。

 一緒に英雄をやらないかい? なーんてさっ!!


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