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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
激闘、バイト生活っ!!

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第49話 知り合いのお父さんってなんか緊張するよね。あははっ!!


 あらぁ。知り合いのお父さんが出た。なんかビシっとしたスーツを着てキリっとしてる。

 結城財閥の会長さん……。会長。会長ってなんだ?


 ともかくなんか偉い人として現れた結城くんのお父さん。

 前に会った時はいつだったっけな? そうだ、誘拐された結城くんをお家に連れて行ってあげた時だ。


 その時は凄く泣いていたっけ。お礼にお金がどうだとか言われたな――。

 んでんで、どうしたんだっけ? ああ、そうだ。たい焼き奢って貰ったんだっ!! なつかし――。


 あれ以来かな? あの頃は穏やかなおじさんだなぁと思ってたけど。

 キリっとするとキリってなるな。 まぁ俺もキリっとしてるけど。


 あれ? って事は俺の事もバレてる可能性が? あらぁ嫌だ。

 あ、でもでも俺は今回かなりおめかししてるから大丈夫の可能性も……。


 と、ともかく知らない顔しとこっ!! 

 流石にお父さんも36歳のおっさんがテストパイロットしてるとは思わないだろ。

 うんうんっ!!


 「おや、今日はいつもより整った格好ですね。春美博士」

 「あ、あはは。いやぁ。ま、まぁ会長は大事なスポンサー様ですから。こ、これくらいは。げへへ」


 「良い心がけです。貴方も公的に重要な人物なのだから。多少の対面は整えないと」

 「いやぁ。うひひ……」


 あ、俺のおめかしが評価されたぞっ!! やったぜロリコン扱いされながら弄った甲斐があったっ!!

 本当はスタイリストさんとか雇って色々やった方が良いんだろうけど。

 まぁ素人技術でやれるだけの事はやったって事で。


 「しかし白衣が汚れてるのはいただけませんな。整えるなら完璧に整えなければ」

 「あ、あぁ。あはは。はは……」


 ほらぁ、怒られた。やっぱり黄ばんだ白衣は駄目ですよ。責任者なんですから。


 「それで、君は?」


 あら、呼ばれた。さて、どうしようかなぁ。


 「お初にお目にかかります。私は」


 私は? 私はぁ……。なんて名乗る?


 「私は田中みゆきと言います。以後お見知りおきを」


 田中みゆきって誰だぁ? なんか適当な名前って事で考えたら変な名前になってしまった。

 みゆき。みゆき。ふふふ、女の子みたいな名前だ。


 「田中みゆきくん、ですか。君が今回ウォーカーに乗るテストパイロットなのですか?」

 「はい会長。よろしくお願いします」


 ともかくボロを出さないようにキリっとした顔を崩さず挨拶もシンプルに。

 お、俺は会長さんの知り合いではありませんよ~っと。


 「ふむ、以前のパイロットとは違うようですね……」

 「以前は職員をローテーションで乗らせていたと言っていましたね」

 「そういえば春美博士。君は職員を全員首にしたという話を耳にしましたが」


 「それは本当なのですか?」


 「いや、それは……。その」

 「職員は全て休暇を取っています。何も問題はありません。大丈夫です」


 「えっ」


 ほらほら駄目だよ博士っ!! こういう時は誤魔化さないとっ!!

 わがままで全員首にしちゃったって言えないでしょっ!!


 「私はウォーカーの調整を手伝う為こうして残っていました」

 「職員をクビにしたという話は真実ではありません。博士は立派な人物です」


 「この職場は大変働きやすく活気に満ちています。大丈夫、全て順調です」


 「そうなのですか。ふむ」

 「ひ、ひひひ。そ、そうなんですよ。げ、げへへ」


 あら博士。さっきからげへへだのひひひだのはしたないですよ。

 でもそっか。敬語使うの慣れてないのか。なんか三下っぽい動きで手なんかスリスリしちゃって。

 やっぱりこういう所はまだ12歳だなぁ。


 「それで会長。今日はどのようなご用向きで?」


 なんかやりにくそうだし俺が仕切っちゃお。

 ばれてないみたいだし、俺はやり手のキリッとパイロット。そういう体で色々こなしちゃえ。

 頑張れ俺っ!! キリっと俺っ!!


 「ああ、今日はウォーカーの具合を見に来たのですよ」

 「わざわざご足労いただきありがとうございます。博士も喜んでおりました。ご期待を頂いていると」


 「それで? ウォーカーはどうですか? 調整は進んでいますか?」

 「勿論です。 ウォーカーは次世代を担う人類の矛。 ぬかりはありません」


 「そうですか。あれから20年。我々の文明もだいぶ回復しました。だが……」

 「その言葉の先はどうぞウォーカーの性能を見てから。決して失望はさせません」


 「随分自信があると見える。調整は完璧なのですね」

 「勿論です。博士」


 「え、えっと。え?」


 「模擬戦の準備を。会長に我らの矛が如何に研ぎ澄まされているか」

 

 「それを見ていただきましょう」


 「え」


 「お」


 「お。おお……」


 もうっ!! 駄目ですよ博士っ!! ここは乗っていかないとっ!!

 こう、天才博士らしく自信に溢れ。何もかもお見通しみたいな感じでっ!!


 なりきりっ!! もっとなりきっていかないとっ!!

 

 「では博士。行きましょうか」

 「う、うん……」


 あら、博士。手を握っちゃ駄目ですよ。もっと威厳を出して威厳をっ!!

 まぁ良いか。ともかく行きましょ。


 では結城くんのお父さん。行ってきまーす。

 うん? あら?

 なんか小さくて気付かなかったけど、結城くんのお父さんの横にベールで顔を隠した子供が。

 あら、どちらさんでしょ? 名乗ってこなかったから気付かなかった。


 まぁ良いか。今はともかく。


 接待の続きだっ!! ウォーカーくんの凄い所、見せてやるんだぞっ!!





「あの女……。手なんか握って……。気に入らないわ」



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