第47話 天下無敵の天才幼女博士が苦手なもの……。それがスポンサーっ!!
「こらっ!! もう歯磨きなんていいのよっ!!」
「駄目ですよ博士。歯磨きは大事です。ああ、もうこんな歯石が付いて……。歯並びも」
「後で歯医者さんの予約しましょうね。歯列矯正もしてもらいましょ。結構ガタガタですよぉ」
「うるさいわねっ!! こんなのいらないのっ!! 私は私のままで良いのよっ!! 天才なんだからっ!!」
「天才でも身だしなみはしっかりしないと駄目ですよ」
「ふふふ。お姉ちゃんの髪結び、昔手伝ってたんです。懐かしいなぁ」
「ほら、しっかり束なりましたっ!! あ、眉毛も揃えないと。駄目ですよー」
「最低限の身だしなみは整えないと」
「あんたってさ。もしかして良いところの坊ちゃんか何か? よくもまぁこんな気が回るわね」
「まぁ年の功ってやつですよ。昔は妹も。おっと……」
「妹が居たの?」
「あはは」
「……。なんでもないわ」
そんな訳で偉い方との接待に臨む為、色々と準備を進める。
まずは電車に乗ってデパートに行き、高そうな菓子折りを買ってきた。
あとついでに博士の身だしなみの道具を。それと歯ブラシをもう1つ。
歯ブラシはマリベルさんに与え、他にも骨折した馬の為に再生薬などの薬も買って。
帰ってきた頃には残金は2円になっていた。もうお金ってすぐ無くなるっ!!
「新しい白衣も欲しかったんですが、白衣が売ってるような場所なくて、すいません」
「そんなの良いのよっ!! 素のままで」
「でも白衣黄ばんでますよ博士。どうせお出迎えするなら新しい方が良いのに」
「良いのっ!! こっちのが苦労してるって思って貰えるでしょっ!! これもアピールの1つなのっ!!」
そうなのかな? う――ん。接待界隈は複雑怪奇だ。
でもまぁ確かに天才幼年博士が黄ばんだ白衣を着込んで颯爽と登場ってのも……。
う――ん。やっぱり真っ白の方が良くない、良くない?
「ほら、博士。ペってして。ぺって」
「ペっぺっ。歯磨き粉って舌がスースーして嫌いなのよね」
「あ、舌のり沢山付いてますんで舌ブラシで綺麗にしますね」
「んべべべべべ。きょ、きょらっ!! んべべべべべっ!!」
ともかく出来る限りの身支度は整えさせよう。お化粧は……。まぁ子供だし良いか。
白衣の汚れは、まぁ仕方ない。後は爪を整えないとな。
「うわぁ。博士爪伸びてますね。こんなんでよく無事でしたね」
「うるさいわねっ!! 爪なんてちょっと伸びてるくらいが良いのよっ!!」
「爪切りますねぇ。うわぁ足の爪も酷いっ!!」
「うるさいうるさいっ!! いちいち何なんのよあんたっ!!」
まぁそれはそうなんだけど。でも公的な場である以上多少の身だしなみを整えないと。
よし。足の爪も切ったし。あと変な所はないかな?
う――ん。白衣が黄ばんでる。これ本当大丈夫かなぁ。
「もう準備は良いのね。ったくあちこち私の体弄りやがって。あんたロリコンっ!?」
「う――ん。もうちょっと眉毛抜きましょうか。ちょっとまだ太いですね」
「ああもうっ!!」
もうちょっとでお偉い人が来る。なら徹底的に彼女を整えないと。
ここは天才幼年博士の威厳が保たれるように。よし、頑張るぞっ!!
◇ ◇ ◇
って訳で整いましたっ!!。
「こんな感じで良いですねっ!! よしよし天才博士の威厳。出てきましたよ博士っ!!」
「くそ。眉だの髪だのあちこち弄りやがって……。このロリコンがっ!!」
「俺にその趣味はありませんよ~。ともかく俺はどうすれば? あ、専用スーツとか無いんですか?」
巨大兵器と言えばやっぱり専用スーツっ!! ここはピッチリ専用スーツでおめかししないとさぁ。
ある? ありますよね? あるって言って――っ!! ピッタリスーツ着たいっ!!
出来れば顔隠れるタイプの奴っ!!
「専用スーツか。ウォーカーは最大限操縦者の命を守る仕様だからいらないんだけど」
「なによ。あんた着たいの?」
「着たいっ!! なんかかっこ良さそうじゃないですかっ!!」
「ちっ。ガキが」
あはは、もうすぐ40歳です。でも人間一度くらいピッチリ戦闘スーツを着てカッコつけたいじゃない?
って訳で専用スーツちょうだい博士っ!!
「まぁ良いわ。用意してあげる」
やったっ!! せっかくなら頭を覆うタイプのを。
知り合いにピッタリスーツ着込んでるバレるの恥ずかしいし。
っと思ったんだけど。
「よし、馬子にも衣裳ってよく似合ってるわよ」
ばっちり顔が見えるタイプだった。ちくしょうっ!! こうなるとなんだか恥ずかしいぞっ!!
「しっかし……」
博士の俺のお腹をポンポンと叩いた。
「あんた、意外と鍛えてるのね。割れてんじゃん。まぁちょっと痩せすぎ感あるけど」
博士は俺の腹筋に指を這わせスリスリしてる。なんかこしょばゆいから止めてちょうだいな。
「ともかくせっかくの視察なんだから良いところ見せなさいよね」
「そう思うならダッシュの癖早く直してくださいね」
「わ、分かったわよっ!!」
よしよし、じゃあ博士。
一緒に接待、成功させましょうねっ!!
えいえいお――っ!!




